1960年代まで低湿地の田園地帯だった小金、大谷口、幸谷、横須賀地区は、1980年代に新松戸として新しい市街地区として生まれ変わりました。この開発事業を担ったのが、「松戸市新松戸中央土地区画整理組合」でした。 「新松戸郷土資料館」は同土地区画整理組合の記念事業の一環として、全国でもきわめて珍しい組合立の郷土資料館として新松戸市民センター内に設立されました。館長(2012年現在)は同土地区画整理組合の理事長だった大井弘好さんです。
新松戸都市建設にあたって『古い歴史のある新しい街新松戸』を合言葉にされたということですが、他地域、市外、県外から移り住んできた新住民の私たちには、新しい土地での生活に追われるままに新松戸以前のことは、ほとんど関心外のことでした。
しかし、10年、20年、30年と住み続けるに従って、生涯の中で新松戸での生活が人生の中でも最長になり、終(つい)の住処(すみか)になるかもしれないという予感とともに、新松戸以前への関心が自然と湧き上がってきました。既に新松戸内の小学生は、学校見学の一環として、「新松戸郷土資料館」で新松戸以前の歴史を学んでいて彼らにとっては故郷としての新松戸がしっかり位置づけられていると思います。
私たちは、新松戸郷土資料館が1986年11月から2005年3月までに19回にわたって発行されてきた館報『水車(みずぐるま)』を大井館長にお許しを得て、全内容を当管理組合公式Webページに掲載することになりました。無料配布されている館報ですが、既に部数が残り少なくなっていること、新松戸郷土資料館のWebページには目次しか掲載されていないことなど、このまま埋もれさせてしまうのは惜しいという気持ちから2013年3月、松戸市立新松戸西小学校の卒業式の来賓控室で大井館長に直接、当管理組合のホームページに掲載をお願いしたところ、快くお許しいただきました。 開発前の新松戸がどういう地勢、風土であったかを知っておくことは、いずれ避けて通れない大震災など自然災害の減災対策にもヒントを与えてくれるだろうと考えています。新松戸地域の住民だけでなく、他地域の方々にも御高覧いただければと思っています。なお、本『水車(みずぐるま)』の著作権は、財団法人新松戸郷土資料館にあると思いますので、使用にあたっては財団法人新松戸郷土資料館にご照会ください。
2012年10月記 山田 良夫
※当ホームページにセキュリティー上の問題が発生したことからリニューアルのため、暫く運営を中止していて掲載が 遅れていました。ところが、財団法人新松戸郷土資料館が2014年に廃止されてしました。館長だった大井さんは 御健在ですが、現在どなたが著作権をお持ちなのか確認をとっておりません。 しかし、当管理組合のWebペー ジ掲載にお許しをいただいていることから推測すれば、不当な改竄(かいざん)や反社会的な利用などでなく、研究資 料等などでご利用される場合は、問題はないのではと考えています。もちろん、当管理組合に許諾の権限があるはずも ありません。特に学校などの教育での利用は、大井さんが最も喜ばれることだろうと思います。
2015年度 理事長 山田 良夫