-愛するには短すぎる-

      2008.8.19 宝塚大劇場





行ってまいりましたムラへ・・・
早朝から遅くまで結構ハードな、でも中身の濃い時間を
過せて、1回だけとはいえ行けたことが幸せです(^^)
ドラマ性が強いけど、仕上がりは映画のようだった・・・
とにかく、記憶は曖昧ですが、早速いってみましょうっ




第1場 オープニング

開演前に緞帳が上がると、大きな客船が描かれた幕が現れました。
前回のベルばらとはガラリと違い、なんか落ち着く(苦笑)
船の絵を見ながら「最後の旅が始まるのか・・・」とちょっとしみじみしてると、
いきなり歌声が・・・同時に場内の明かりが落ち始め、舞台セットの上に
とうこちゃん扮するアンソニーを発見。
アカペラで始まるなんて、なかなか珍しい演出でした。
でも、セットがセリ上がりで高い位置なので、緞帳上がる前にスタンバイ
ってことなのかな?あの高い場所から客席とか見渡しているのかな、とうこちゃん?

アンソニーの歌に被さるように開演アナウンスが流れ、幕が上がるとセットも動き、
アンソニーは地上へ・・・入替わるように幼い日のフレッドとバーバラが出る。
その頃はマイケルとクラウディアという名前で、無邪気に将来の夢を語り合っている。
6歳の時にマイケルがニューヨークに移ったので、ちょうどその年齢の2人ってことだね。
マイケル、後のフレッドにとって、この時期が1番の幸福時代で、成人後も忘れることのできない、
でも誰にも語れない大切な時間だったのだと、観劇後に気付くシーンです。

無邪気な2人が走り去ると新郎のフレッドが登場・・・まさか、結婚式なわたるくんが見れるとわっ
めちゃめちゃカッコイイ新郎ですっ!そのまま式場に連れて行きたいくらい(^0^;
喜んでいるとエスコートされた花嫁、ナンシーが登場・・・キレイな花嫁と向き合うフレッドの表情は
どこかスッキリせず、誓いの口づけを・・・ってときに、忘れることはない両親の姿を見つける。
両親を追いかけようとするフレッドを養父のウォーバスクが止め、「お前の親は私だ」と告げる。
そうだったと気付くフレッドだが、何か頭にモヤがかかったように気持ちは晴れない。
しかし周囲にそくされ花嫁の手をとった・・・

突然、陽気な音楽に変わると水兵姿のダンサーが元気に踊り、その中を次々と人々が通り過ぎる。
豪華客船モレタニア号の出航が迫り、ロンドンへの4日間の船旅が始まろうとしていた・・・
ダンサーの衣装がロマンチカで見た水兵ので、なんかあの時の客船がモレタニア号なのか?とか
思っちゃった(^^)時代もそんなに変わらないだろうし、違和感はないね。
きっと愛短の登場人物に混じって、ロマンチカの紳士淑女も乗船してるかも?
でもって夜にはディアボロが少女を海の中へ引きずりこんで、そこで海神と出会うんだよぉ、間違いないっ。


第2場 船上〜プロムナードデッキ

出航後、船内をウロウロと人探しするアンソニー・・・大セリにセットされた椅子で眠るフレッドが上がってくる。
素の寝顔じゃないけど、こういうわたるくんを見るのが新鮮で、思わず顔の筋肉緩んでしまった(^^ゞ
ドコでも寝れるヤツだなと起こされたフレッドの反応も、今までのわたるくんとは違って楽しいね。
で、上体を起こしたわたるくんはスーツ姿、背広ですよ背広っっ!もうネクタイ姿に釘付けですっっ!
新郎姿もネクタイなんだけど、背広にネクタイの方がわたるくんにはしっくり馴染んでて極上ですっ
ものっすごい久々なこの姿・・・とっても嬉しい(^0^)専科時代以来ですからねぇ。
ここでアンソニーと交わす会話が、とても新鮮。正塚先生の作品は普段と変わらない会話のトーンが魅力の
1つってことを思い出した。大袈裟でない、ごく普通の会話。誰もが1度は体験したことあるような、たわい無い
おしゃべり・・・力の入っていない自然体なままの青年っていうのが、見ていて心地良い。

で、1場の幼い日と結婚式のシーン、実はフレッドが見ている夢だったという・・・
この場合の夢ってのは眠っている時に見る夢ね。
きっと、花嫁の手を取ったあたりでアンソニーに起こされているんでしょう。
目覚めた時も何だか表情は浮かない感じです。単に眠いのかもしれませんが・・・
その表情を見たアンソニーは、親友が何か悩んでいるってことに気付くが、親身になって気遣うというよりは
あっけらかんと好き勝手に相手を諭すという感じ。親友ではあるけど、あくまでも他人事っていうか(苦笑)
だけど全然イヤミがなくてサバサバしてて、それでいて意外と情を感じるから、フレッドも他人には見せない
部分を見せれるのかも。口は悪いけど性格は良いっていうか。かなり身勝手でもあるけど、それは自分が
何に対してもどうしたいってのが明確にあるからで、行動力という点ではアンソニーの勝ちって感じだね。

このシーンのラストに未沙さん演じる執事ブランドンがライフジャケットを1つは自分が着て、もう1つは手に
持って登場。避難訓練があるとかでフレッドを探しにやってきたんだけど、出てくるだけで面白しい(笑)
主人の親友だというのに、アンソニーには微塵も気を遣わないから、当然用意したライフジャケットは
フレッドと自分用。僕のは?と問うアンソニーには顔も向けず「はてさて?」ととぼけるブランドン。
そんな2人を置いてさっさと訓練場所に移動するフレッド。気付いて後を追うブランドンに、どうしようかと
キョロキョロ辺りを見回すアンソニー・・・この3人の珍道中を違う作品で観たいと思うくらい、何とも面白すぎ。

避難訓練は大勢の人物が甲板に集まり、誰が誰なのか分らないほど(苦笑)しかもみんな同じライフジャケット
着用で、あっちっこっちと動き回るもんだから・・・でもコミカルで曲も軽くて楽しい場面ではあります。
オープニングからわりと緩やかに進んできてたので、いきなりココで大騒ぎ始まって一瞬「え?」って感じです
が、正塚先生の作品は派手な騒がしい場面があまりないので、こういう場面もないとね〜みたいな。
でも、出航してすぐ避難訓練って・・・よくワカランが。大型客船なんて乗ったことないからワカラナイけど、
通常は4日間の船旅でもこんなことやるんだろうか?面白そうだから取入れただけなのか?


第3場 船上〜デッキ

避難訓練を何とか終えて、フレッドは1人デッキに現れる。そこで1人の女性と出逢い、何となく心地よさを
感じる・・・彼女のふとした表情が、フレッドの記憶にある誰かと重なり、心に今まで忘れていた感情が
芽ばえ始める。出逢った女性はバーバラといい、船のバンドに所属するチームの一員。
フレッドは見ず知らずのバーバラに、最近、自分の胸に引っかかる思いを話し、それを笑いもせずに聞いて
いる彼女に好感を持つ・・・フレッドのなかでは好感なのかもしれないけど、実は彼女にこの時点で惹かれて
いたのじゃないかと。婚約者ナンシーとは違った意味で大人な女性で、一言で十を理解してくれるっていうか、
そういう部分を短い会話の中で感じ取れたのかなと。言葉を飾るのではなくて、さっぱりしてるのに十分に
思いやりが伝わるというのか・・・フレッドは財閥の跡取りとして養子になり、そのための教育っていうのは
想像以上に厳しく覚える事柄もハンパなく多かったはずで、人柄を見抜くっていうのもそのうちの1つだったと
思うので、ココで惹かれてても流れとしてはおかしくはないなと。

バーバラのとなみちゃん、等身大の女性になってたかな。華やかな顔立ちなんだけど可愛らしさが前面に
出てるので、そんなに苦労のあとが感じられないトコロが残念。苦労して現実的なんだけど純粋さを感じる
ことができるっていう点は良いと思うんだけど・・・両方を出すのは難しいのかな?
まぁ苦労してたらグチをこぼしたくなる方が親近感あるけど(苦笑)グチばかりのヒロインってのもね・・・
でも、いかにも苦労してます!って演じられるよりは良いのでしょう。

このシーンのラスト、またもやブランドンさんにやられてしまった(笑)
訓練でライフジャケットを1度も着用しなかったフレッドを追って、ずっと探し回っていたのか息も絶え絶え。
ようやく会えたフレッドに何とかジャケットを着せてホッと安心のブランドン・・・何故彼はこれほどまでに
訓練やジャケットに拘るのか?嘘かホントかは不明だけど、彼は海の事故で息子を亡くしているらしい・・・
他の人は助かったのに息子は帰らず・・・もしかして、ライフジャケットを着ていなかったのかもしれない?
って理由から、何が何でもフレッドに1度着用させたかったブランドン。
悲しい過去のはずなのに、何故か笑わずにいられない・・・マヤさんブラボーですっ



第4場 ボウルルーム

船内ではウェルカムパーティーが開催され、タキシードやドレスを纏った乗客たちが賑やかに歌い踊る。
避難訓練とは打って変わって、同じ人の集まりでも雰囲気は全然違って、やっぱり船旅なんてのは
それなりにお金のある人たちがするものなんだなぁと実感。でもね、ふと疑問だったのは、なんで飛行機で
帰らなかったのか?ってこと。4日間も海を漂うより飛行機でひとっ飛び〜の方がラクだし早いのに・・・
時代背景からして1940〜50年代、もしくは70年代前半くらいでも全然おかしくないワケで、その頃には
旅客機も十分進歩してたはず。それなのに何故わざわざ時間のかかる船を選んだのか?
それが気になるんですけど・・・留学中から自分の人生に対して徐々に疑問を抱き始めていたから、
できるだけ帰国を延ばしたかったのか?それともブランドンが飛行機嫌いとか?それともアンソニーの提案?

アンソニーなら「飛行機?なぁーに言ってるんだい。フレッド、君にとっては自由の終わりなんだ、ここは
船旅でゆっくり行こうじゃないか。大いに楽しんでおかなくちゃ(^^)v」くらい言いそうだな。
でもって言われたフレッドは「そうだなぁ・・・急いで帰ったからといって、待っているのは結婚の準備だし・・・
これくらいの遠回りは許されるかな・・・いや、しかし・・・」とちょっと考えこむ。
が、フレッドの答えが出る前に「そうこなくっちゃ。実はもう予約してあるんだ♪だから支払いは君に譲るよ(^^)」
じゃーね〜と走り去るアンソニー。「え?!」と顔を上げた時にはすでに無人・・・言葉がでないフレッドは溜息・・・

ってな感じで船になってしまったのか?アンソニーならやりかねないと思うのはu-tsuだけだろうか(苦笑)?
でも資産家なウォーバスク家なら自家用機とかありそうだよねぇ。もちろん船だってあるだろう・・・
メディアでも有名な御曹司が一般客と同じ乗り物ってのも危険じゃないのか?
ボディガードもついていないし・・・船内に何人か配置されていてもおかしくはないように思うが?
うーん、よくワカラン(ーー;


第5場a デッキ

パーティーも一段落した頃、フレッドはデッキへ立ち寄る。そこにはバンドマネージャーであるフランクが、
借金を理由にバーバラに言い寄っていた。フレッドは物腰柔らかく仲裁に入る・・・
フランクの礼音くん、珍しくチョイ悪って感じの役なんだけど、まだちょっと硬さがあるかな。
若くしてバンドマネージャーという地位だから、ちょっとテングになってるのか?って気がしなくもない。
ただの下品になってもいけないし、お坊ちゃんになってもいけない。でも仕事はできる人間じゃないとダメだし、
どこに重点をおけばいいのか難しい役だよね。もっと人物を掘り下げてもいいかな。

バーバラを助け話すうち、実はお互いが同じ町の出身とわかり、しかも幼馴染だったと分るのもこの場面。
宝塚にありがちなお決まりなパターンで、またかよ〜と唸ってしまう(苦笑)
大体20年前の会話なんて覚えているのかホントに?u-tsuなんてさっぱりですよ。昨日の記憶だって曖昧・・・
よっぽど思い出深い出来事だったのかもしれないけど・・・なんだかなぁ。
で、この再会でお互いを意識するようになって束の間の恋に発展なんだよね、お約束通りに。
でもって短時間に色々な出来事があって、普通の恋愛以上に濃密な恋になったと。
1日目の終わりには、すでにバーバラに恋していたフレッド。でも自分では自覚がなくて、ただ苛立つばかり。
自分の心を重くしているものは何なのか?部屋へ帰る途中、ずっと答えを探している。


第5場b 廊下

1人廊下を歩いていると、色んな場に出会うフレッド・・・スコットランド貴族エドワードが愛人の部屋から出てくる
ところや、女優志望のドリーがプロデューサーのオコーナーを誘い、それを見守るドリーのマネージャーなど。
人それぞれ理由があって、でも罪悪感もあり、その間で常に答えを見出そうとしている・・・
バーバラとの恋だけでなく、こういう人間模様を何度もこの船旅で体験することによって、フレッドの視野ってのが
ぐんと広がっていったのだと思う。妻をにこやかに言いくるめて愛人のもとへ出かける貴族エドワード。
好きな女性の夢を叶えてあげたいがために、手を貸すマネージャー・・・身体をはってるのは女性だけど(苦笑)
世の中はこんなものだっていう話は知っていても、フレッドがこういう事を目の当たりにしたのは、たぶん今回が初めて
なんじゃないかな?理屈だけじゃなくて、実際に体験することで改めて気付くこともあるし。


第6 フレッドの船室

ようやく部屋に戻ったフレッドは、すぐアンソニーにつかまってしまう。
浮かない顔で心ここにあらず、なフレッドの態度に気付き話を促す。
幼馴染の女性に会ったこと、彼女とは結婚の約束をしていたこと、自分の将来のこと・・・
思いつくままフレッドは打ち明ける。

性格も歩んでいる道も正反対な2人なのに、一緒にいることが自然で距離もちゃんと保っている。
時に他人事、時に親身になってお互いを思いやる、絆みたいのがある親友同士。
気取らず飾らず力も入っていない、見ていて気持ちのいい仲良しっぷりがツボな場面です(^^)
2人してテーブルに足を投げ出し酒を酌み交わす・・・今までこういう演出とは縁がなかったので、とっても新鮮!
わたるくんの隣にはやっぱり男の親友ってのが似合うと実感した。


第7場a キャビン(船長室) b ダイニングルーム

乗客の1人、バレエ団団長が盗難被害を船長に訴えている。
団長エンディは大きな役作りはなく、特に変わった人物とは言い難い。女性っぽい仕種がありつつ、口調は
キリリとしている。バレエダンサーのイメージにありがちな気位の高さは感じる(苦笑)
船長しいちゃんは真面目で誠実な印象。でもどこかヘンです。真面目にやればやるほど面白い感じ。

ダイニングではバーバラを誘ってのランチタイム。彼女に一目惚れのアンソニー、婚約者がいながら他の
女性と過すフレッドを軽蔑するブランドン。なんともチグハグな思惑が入り乱れて、ダイニングはちょっとした合戦
状態(笑)事情構わず仕事を続けるべきだと勧めるアンソニーから、さり気なく彼女を守るフレッドの子供っぽさ。
話も聞かずに自分の意見だけを捲くし立てるブランドン。なんとかそれを阻止しようとするフレッド・・・
もう絶妙な間が笑いをさそうさそう。最初は冷静だったフレッドも暴走してる2人を止めるうちにブチっと切れて、
もうご飯いらないやいっ、みたいな(笑)面白すぎです。よくこの3人で船旅しようなんて思ったもんだ。



第8場a 廊下  b ダイニング一角

食事の途中で席を外したバーバラは盗難事件の参考人として船長に呼ばれていた。
部屋からは証拠が見つからなかったものの、盗難があったと思われる時間帯の1部にアリバイがないため、
バーバラは難しい立場に居た。そこへアリバイを証明できるというフレッドとアンソニーが駆けつけ、
船長にバーバラの無実を保証する。

フランクを始めバンドのメンバーも揃っているなか、彼はバーバラに借金のことなどを持ち出して責める。
それを見たアンソニーは、フレッドが止めるのも聞かずに自分がそれを肩代わりしようと言い、
小切手にフランクの欲しい金額を書かせた。彼女に2度と近づかないことと引換えに小切手はフランクへ。
フランクが立ち去るとフレッドは、勝手なことをして彼女に失礼だとアンソニーを責めるが、バーバラは逆に
助かったと告げる。アンソニーは当たり前のような笑顔になり、フレッドは目が点に・・・

本当はフレッドこそが彼女の危機を救いたかったけど、金銭的トラブルという、あまり他人には踏み込んで
ほしくない事情なだけに、自分でなんとかすると言ったバーバラの意思を尊重したフレッド・・・
でも結果、強引にでも援助を申し出て彼女を救ったのは親友・・・しかもバーバラは親友に感謝してる・・・
えーっそんなのありか?っていうフレッドの心境(苦笑)あまりにも、あんまりだよねぇフレッド?
そんなフレッドの反応に笑います。あまりにも不憫で(笑)だって、援助はいらないって言ったじゃん?みたいな。

ショーの準備に戻るバーバラと別れたフレッドとアンソニー。この後のやりとりがバツグンに好きです(^^)
アンソニーが彼女を救ったことに嫉妬して何かとケチをつけるフレッドに対し、アンソニーはあしらうように対応。
いつもは冷静であろうフレッドがまるで子供のようで面白い。そしてその言葉の端々にフレッドの感情の揺れを
見て取ったアンソニーの、ちょっと苛立ちながらも親友を見つめる表情がどことなく優しくて、お互いが無いものを
補う良い関係というのが伝わってくる。

どうしてそんなにバーバラのことになると取り乱すのか?何故、彼女に関わった親友を蔑んでしまうのか?
それほどフレッドを変えてしまったものは何なのか?
「それが恋、だよフレッド」ズバリ言い放ったアンソニーの言葉に驚くフレッド。恋というものを意識したことがなかった
フレッドにとっては衝撃的な言葉だったと思う。婚約者がいながら、今さら恋に落ちるなんて・・・
親友も、フレッド自身も考えていなかっただろう。でもその言葉で、誰にも言えなかった子供の頃の思い出が、
なかでもクラウディアとの思い出が一気によみがえってきたのじゃないかと思う。気分良さそうだったから(笑)
そこをアンソニーが現実へ引き戻す・・・「君には婚約者がいるじゃないか」と。
どうしてこの時期?どうして出会ってしまった?こんなのって不公平だーっ!思わず叫ぶフレッド。
そして続く♪恋はアンフェアの歌・・・この掛け合いながらの歌がとってもGoodですっ(^0^)
女性の親友同士とは違う、何ともいえない雰囲気がたまりませんっ。
しかも、最大のツボがフレッドのウェスト部分。これがまたカッコイイんだよね。あまりの男らしさに胸きゅんなんだよぉ〜
芝居通して、この場面でのウェストが1番カッコイイです。美味でございます〜(^^;


第9場a ボウルルーム  b バー

4日間だというのに何故か仮面舞踏会が・・・こんな短い船旅で必要あるのか?こんな慌しい旅はイヤだね。
初日から何度かこの場面の衣装が変わっているとのことですが、19日は2回とも黄金色の騎士でした。
アーサー王の時代みたいな感じで額には王冠のような飾りを着用・・・フレッド、これは自前か?
自分から何を望んだこともない真面目で誠実な青年が、こんなの用意して船に乗るんだろうか?奇怪だ。
アンソニーはドラキュラ伯爵のようにマントにシルクハットという黒ずくめなので、結構目立ってる。
可愛いお人形のようなバーバラを見つけたフレッドは早速彼女のもとへ行こうとするが、そこをエドワードに
つかまってしまう。同時にアンソニーがバーバラと踊るのを見たフレッドは、エドワードを振り切りたいのに
できず、後ろ髪引かれながら彼に付いて行った。

エドワードの頼みは、妻の前で自分の愛人キャサリンの恋人を装ってくれというもの。
こんなの頼むほうも頼む方だけど、イヤと言えないフレッドもどうかと思うね。
イヤならイヤと断らんかいっ!と言いたくなるほどお人好しなんだよねぇ(苦笑)
優しさとお人好しってのは紙一重で、エドワードに対しての対応は単なるお人好し。
相手は貴族だけどフレッドもかなりの身分なんだから、もっとビシっと対応してもイイと思うんだが・・・
ま、そんなこと微塵も考えないところが長所でもあるんだけどね。

で、間もなくエドワードが夫人と現れるって時にバーバラが登場。
これで2人の仲がこじれるのか?と思いきや、フレッドやキャサリンの様子から、自分はこの場にいては
いけないと察して場を後にする。
状況を判断できたんだろうと思った。フレッドの本質も理解してるから、少し心中複雑になりながらも
自分がいるべき場ではないと感じ取れたのだろうと。彼女は頭の良い人なんだろうね。
でも、フランクみたいな人間を上手くかわせるほどの器用さは持っていないようだけど・・・
そんなアンバランスさが魅力の1つなのかもしれない。


第10場 デッキ

バーバラを追ってデッキにたどり着いたフレッドは、「君には誤解してほしくない」と先ほどのことも含め、
自分の気持ちを彼女に打ち明ける。
「別にいいのに。だって私たち・・・」「ただの、幼馴染だから・・・?」黙り込むバーバラの言葉を繋いだフレッド。
でもバーバラへの気持ちはフレッドの心からどんどんあふれて止められない。
フレッドは真っ直ぐな瞳でバーバラの心に入ってくる・・・その気持ちに応えたいけれど、でもそれを受入れて
しまったら大切なものが壊れてしまう。バーバラの大切なもの、大好きなマイケルが・・・
今やマイケルは資産家の後継ぎで婚約者もいる。自分とは身分が違いすぎるのは一目瞭然。
マイケルとの恋が実るなんて夢のまた夢・・・でも今だけは、この船の上でだけは、夢が叶うかもしれない・・・

「船を降りたら、もとに戻るの」
そう提案するバーバラ。それは短く儚いかもしれないけれど、お互いがお互いを想い合えば、いつまでも
消えることなく心に深く刻まれる恋となるはず・・・2人は心の中でずっとずっと結ばれていられる。
でもフレッドの本心は全てを捨ててバーバラと共に生きること。だから船を降りた後も一緒に歩んでいきたい。
好きなのに、愛し方が違う2人・・・どうして気持ちを分ってくれないのか、お互いにもどかしさを感じる。

そこへアンソニーが登場。かれは怪しい人物の後をつけているところだったが、2人の間に妙な空気が漂って
いるのに気付く。「君たち、このヘンな空気はなんだい?もう、あと2日間もこんな空気を吸うつもりか?!」
あきれているアンソニーの言葉にフレッドが反応する。2日も時間がある・・・フレッドはバーバラに向き直り、
限られた時間を彼女と過そうと決意する。

2日間・・・決して長くはないよね。でも2人にはこの船での時間しか残っていなくて、それはどうあがいても2日間。
じゃぁそれをどう使うのか?悶々として後々後悔するよりは、1分1秒無駄にせず、より多くの想いを心に刻もうと
することが大切なんだろうと思う。ここは、両親を亡くして以降、フレッドが初めて自分で何かを選び取る瞬間
なんじゃないかな。全てを捨ててバーバラといけたらどんなに幸せだろう。でも両親を亡くし孤児になってしまった
自分を育ててくれたのは養父ジェラルド・ウォーバスク。後継ぎを探していたとはいえ、立派に育ってこれたのは
やはり救われたから。決して独りで成長したのではない・・・フレッドもそれを理解しているから、バーバラの言う
意味がよく分っているでしょう。分るのと理解するのとは微妙に違うけど、自分が全てを捨てられないことくらい
ちゃんと知ってるんだよね。ただ何ものにも縛られないで自由にバーバラと生きたいと思っただけなんだろうな。
それが許されるなら・・・

なんだか話が読めてないアンソニーが、真剣に2人の間に割って入る。
彼が後をつけていた男・・・どうも見慣れない顔だが服装からして船員らしい・・・
それを確かめる手段はあるのか?もしそいつが盗難事件の犯人だとしたら、盗品は一体どこに隠しているのか?
色々と推理するアンソニーの表情は、まるで百面相(笑)しかも人の話を聞こうとしないんだ。
ものすごい暴走キャラです、彼は。

この犯人探しで歌われる曲がコミカルで楽しい。フレッド、バーバラ、アンソニーが並んで歌ったり踊ったりして、
主役キャラのこういうナンバーって久しぶりだなぁと嬉しくなった(^^)しかも仮装したままだから余計楽しい。
ショーでは見かけることあるんだけど、芝居でこういう雰囲気って最近記憶にないから新鮮です。


第11場 a キャビン(船長室)  b 廊下

3件目の盗難被害報告を受けた船長マーシャルは頭を抱えている。
こんなことは初めてだ・・・よりによって私の船で盗難事件だなんて?!一体どうなっているんだ・・・
落込む船長のところへ客室係りのマーガレットがやってきた。
フレッドやアンソニーたちが船員名簿や顔写真でまだ照合中だと告げられた船長は、飲み物を運ぶように指示。
すかさず「もうお持ちしています」とマーガレット。可愛らしい外見とは裏腹に、口調が機械的で無駄がなく、
どことなく人間味に欠けるマーガレット・・・穏やかで誰とでも親しく接する船長も、ちょっと苦手なタイプのよう?
では私にも何か飲み物をと言う船長に「レモネードは如何ですか?」と、やはり同じ口調のマーガレット・・・
多少、たじたじになりつつもレモネードを頼む船長。この2人のやりとりが妙に可笑しくてツボってしまった(^^)
船長とマーガレットって良いコンビになりそうだなぁと思うのは少数派か?

この直後、新たな問題が・・・オコーナーの部屋でドリーという女性が立てこもり自殺騒ぎを起こしている・・・
まるで、呪われた航海だ・・・船長は意気消沈で問題の部屋へ走っていった。
なんて気の毒な船長(苦笑)若くして豪華客船船長なんだから腕前はかなり良いはずなのに、乗客には
恵まれなかったみたいですね。キャビンを出る船長の背中に向かって「レモネードはどうしますか?」と
訪ねるマーガレットがブラボー。それどころじゃないだろっ、な状態なのに、何ものにも動じないという。
「君が飲んどけー」ってのもどうかと思うけど、対して「分りました」ってのもどうかと(笑)
ホント、この2人ヘンだからっ絶対。
でもってあの後、船長の言うとおり、絶対にレモネード飲んでるよマーガレットは。
そこを同僚に見つかって休憩でもないのに何してるのー?!とか怒られるんだよ(苦笑)
でも真面目な顔して「船長が代わりにレモネード飲めって言ったから」って答える。
同僚は驚き半分、マーガレットだからという諦め半分で、無言で去っていく・・・
っていうのが脳内劇場で上演されました(笑)
妙に印象に残っちゃった場面です(^^;


そして問題の部屋の前では人だかりができていて、扉の前には半泣きのオコーナーが・・・
ドリーはオコーナーに弄ばれたことに傷ついて自殺しようとしていたが、新作の舞台で役をつけるから
部屋から出てきて欲しいと彼に懇願される。でもヒロインがやりたいと言うドリーに、ちょっと躊躇うオコーナー。
そこへ駆けつけた船長たちの「主役を約束しろーっ」という目力の圧力で、とうとうオコーナーはドリーに
ヒロインを約束した。駆けつけたフレッドやバーバラも事の解決に安堵していた。

オコーナーの慌てぶりに笑う。どちらかといえば冷静な姿を観ることが多かったので、あのオーバーアクションは
面白かった。なんか『ディガ・ディガ・ドゥ』のシメさんを観ているようだった(笑)
部屋から飛び出してきたウメちゃんは、その細さにぶったまげた・・・どうしちゃったんだ?!って感じ。
ウメちゃんのシャープなところが好きだけど、もう少しお肉ついててもイイんじゃないか?
痩せすぎだよぉ〜かなり羨ましいが・・・



第12場 デッキ

騒動が無事解決後、バーバラとアンソニーはデッキにいた。
フレッドの立場を考え、あえて自分から彼のもとへ行こうとはしないバーバラ。
ここにいればきっと会えると、ひたすらフレッドを待ち続ける。

そんな彼女の気持ちも、自分の人生なのに自由にならないフレッドの身も、アンソニーはよく分っている。
それでいて2人をなんとかしてやろうと、手を貸すことはしない。
いい加減でお調子者に見えるアンソニーは、実は1番のリアリストなんだろうと思った。
自分が手助けをしたところで、2人が本当に幸せになれるはずがないと知っている。
仮に2人の恋が成就したとして、その裏でははるかに多くの犠牲が生じてくる。
フレッドの意思に関係なく、その身に課せられた未来の重さは計り知れない。
それが破綻した時の責任なんて、どうやったら覚悟できるというのか?

ここでのアンソニーはフレッドとバーバラを見守れる度量の大きさを感じさせてくれたと思う。
やんちゃな、いつまでも少年のような感性の持ち主でありながら、実は大人なんだよね。
傍若無人な態度も一種のカモフラージュで、それは親友への甘えなんだろうと思う。
時に的確なアドバイスで相手の核心をつくあたり、観察力は鋭いし頭も良いんだろうね。
でもどことなく、フレッドとは違った不器用さも持ち合わせていて、そういうトコロに親しみを感じるな。

2人がいるデッキに老夫婦が現れた。カラマンディス伯爵夫妻ということだが、なんだか様子がおかしい。
幸い夫妻はバーバラたちに気付いていないので、2人は静かに様子を見守る。
デッキの端までやってきた夫妻は海に向かって何かを投げ捨てていたようだった。
夫妻がいた場所までくると、盗品と思われる指輪が落ちていた・・・
バーバラを探して現れたフレッドは2人から詳細を聞き、指輪の鑑定を心得のあるブランドンに頼もうと提案。
アンソニーは船長に報告するため、部屋で会おうと去っていく。

フレッドは残りの1日を心のままに一緒に過そうとバーバラに告げる。
話したいことがたくさんあるのに、なんだかんだと騒ぎがあって中途半端な2人の時間だったけど、
やっと、心が定まったというか・・・もちろん、恋していると気付いてからずっと真剣に考えていただろうけど、
肝心な時に邪魔が入ってなかなか進まなかったので(苦笑)
ここのフレッド観てると、絶対に何があっても邪魔させるもんか〜って意気込みが感じられる(笑)
なんかとっても可愛いんだよね。もうブランドンがいても構わない、君を離したくないって抱きしめるんだ。
それまではやっぱりブランドンの目を気にしていたってのもあるからね・・・イヤミが次から次へと出る老人(苦笑)
そんな執事さえ気にならなければ、もう船上で怖いもの無しってところかな?


第13場 フレッドの船室

アンソニーとブランドンに鑑定を任せて、フレッドはバーバラと片隅の椅子に座り見つめ合っている・・・
何も言葉はないけど、手を取り合い、見つめているだけで想いが通い合う。

フレッドの表情がとっても幸せに満ちている。バーバラも幸せそうなんだけど、どことなく終わりを見ているような
悲しげな感じがする。彼女の手を包み込み、掌を優しく撫でる・・・イイなぁ、体験したいよぉっ

船長がやってきたのも気付かず、鑑定も分析もやらせっぱなしなフレッド(笑)
アンソニーが声を掛けるも、全く気付かない2人・・・まさしく、そこだけ異世界になっている。
ブランドンに言わせると"奇怪"なんだそうな。
諦めたアンソニーは2人を無視し、ブランドンと船長の3人で犯人を捕まえるための作戦を練り始めた。


第14場 後部デッキ

後部デッキでは、早朝からダンサーによる体操教室が開かれていた。
例の伯爵夫妻をはじめ、主に老人の乗客が参加している。
ブランドンは何気なく伯爵夫妻に近づき、体操をしながら伯爵の白髪頭を持ち上げた。
すると白髪の下からは老人と思えぬ黒髪が現れた。
伯爵オレステスは驚きもせずに開き直り、夫人のエレクトラもカツラを取って正体を現す。
犯人だという証拠を見せろと迫るが、盗品が見つかり、2人は船長らに取押さえられ事件は解決。

犯人はコイツだ!ってのが、芝居の最初の方で分ってしまっているので、イマイチ緊迫感に欠けるかな。
ま、推理小説じゃないんで、あまり迷宮な事件になっても困るけど(苦笑)
でも老夫婦として出てくる時はずっと腰を曲げているので、結構シンドイんじゃないかなと思う。
しかも正体現す時にサッと状態を延ばせるトコはすごい。u-tsuなんかじゃ身体が痛くて延ばせない(苦笑)
エドワード夫妻と愛人キャサリンも体操に参加してたけど、夫人と愛人の服が同じってのはどうなの?
エドワードが選んであげたんだろうとすぐに分る。だって愛人いる割りにオープンなんだもん(笑)
性格が大雑把なんだろうね、細かいことを気にしないっていうか。だから贈り物も夫人と色違いの同じもの・・・


第15場 デッキ

盗難事件が解決して、気付けば船旅の最終日・・・4日目。
フレッドとバーバラに残された時間はわずか・・・今だけは、誰にも邪魔されず過したい。

何か特別なことをするでもなく、ただ一緒にいる。お互いの想いを告白し、ただ同じ時間を共有する。
陽がかたむきはじめると、だんだんと言葉少なくなる2人・・・
ただじっとバーバラを見つめるフレッド。どうしたら君の顔を覚えておけるだろう・・・
バーバラも彼をじっと見つめる。覚えても覚えたりない・・・
写真ではなく、記憶に焼きつけようとする2人の想いが、無垢で純粋なものと思える。
どこか見落としていないか?ちゃんと覚えていられるか?目は、鼻は、唇は、頬は・・・ひとつひとつ丁寧に
記憶していく姿が切なくて、本当に、なぜ出会ってしまったのかと思ってしまう。
2人にとってこの再会が良かったのか悪かったのか分らない。
でも無駄な再会ではなかったのだと、思うことはできる。
アンソニーは「本当の恋はひとつしかない」と言ったけれど、そのカタチは1つでは決してない。
お互いの歩む道は違うけれど、フレッドとバーバラは心底から結びついている。
少なくとも2人はそう思っているから、それで良いのだろうし、それも1つのカタチなんだろうと思う。

夜空に花火が上がる。
刻一刻と時間が迫る。
「一生分、一緒にいよう」バーバラを抱きしめるフレッド。
心の全てをかけて愛している・・・逃避行を選ぶのではなく、心と心で結びついたフレッドの初恋。
ムチャをするのじゃなくて、現実を受入れた上で、2人の恋をどう育んでいくのか・・・
船を降りたらもとに戻る・・・それが答えだった。


第16場 デッキ

4日間の航海を終え船はニューヨークに着く。
バーバラとの別れのとき・・・フレッドの表情は硬い。
「笑ってくれないと行けないよ」「じゃ笑わない」まるで子供のようなフレッド。
バーバラはフレッドの頬に手を添え、軽くつねる・・・思わず笑って顔を背けてしまったフレッド。
その一瞬の笑顔を胸に走り出すバーバラ・・・
「バーバラ、手紙書くよ!元気で!幸せになれーっ!!」
振り返らない背中にフレッドの叫びが重なる。

そしてアンソニーが支度を終えて現れる。
「君は、君の道を行け」親友の言葉はシンプルだけど、その中には色んな思いが詰まっている。
こんなに持っているものが正反対な2人なのに、何故か居心地が良い。
きっと2人は一生、無二の親友なんだろう。
違う世界に生きていても、アンソニーなら会いたいときに好きなだけフレッドに会いに来ると思える。
フレッドへの門が閉ざされていても、簡単にそれすら乗り越えてしまうはず。
アンソニーにとって資産家御曹司フレッドは、未知なる興味対象であり、いずれは自分のパトロンに
なるやもしれぬ、大事な親友だから(苦笑)
彼のことだから、純粋な友情だけでなく、ちょっと邪な感情もありそう(^^)

フレッドはゆっくりと、バーバラとの短い時間を振り返る・・・
留学中、ふとわき上がった人生への疑問。
帰国後の結婚に憂いを感じ、自分の人生とは何なのかと考える日々・・・
そんな時、思いもかけず再会したバーバラ・・・
悩みは一瞬にして飛び、心は彼女のことでいっぱいになった。
バーバラを想うことで、それまでの自分は自分じゃなかったと思い知った。
けれど、今までの自分を捨てるのではなく、そこに新たな自分をプラスして現実を受入れる。
そう教えてくれたのはバーバラ。2人の恋も、成就の為に人生を捨てるのではなく、それぞれの道を生きても
心で繋がっていられると教えてくれた。
もう会うことはないのかもしれない。でも悲しいと思う必要はない。
いつだって心にはバーバラの笑顔があるから。
バーバラが自分を強くしてくれる。フレッドがフレッドでいられるように。

愛するには短すぎるなんて、だから、僕はいわない・・・



王家以来、ツボに嵌りまくったこの作品・・・意外や意外、でしたねぇ。
明るく終わって欲しいと思いつつ、良い終わりだったと感心です。
正塚先生の作品はバウ公演向きっていう印象なんですけど、場面転換とかは大劇じゃないとムリかなぁと
思うところがある。雰囲気がこじんまりしてるというか、地味でリアルな内容が多いので、今回も最後の公演で
どうなってしまうか大不安でした(苦笑)個人的には正塚作品は好きなので、久々に星で観れて嬉しいんだけど、
なんたって泣いても笑ってもこの後がないもんで・・・そういう意味で心配だったんだ。
でも期待以上に楽しませてもらったので、満足です(^^)
これ初めて観るときは1日2観劇で見ると分りやすいかも。
u-tsuは久々の2観劇で体力消耗ですが、笑えるので頑張れました。

星に戻ってから、1番リアルなキャラだった。命懸けるでもなく、戦いに挑むワケでもなく、身分は別として普通の
青年だった。最後だから、わたるくんにしかできない男を期待してて、悪党とか観たかったんだけど、
実はこういうリアルな青年ってのが1番難しいんじゃないだろーかと、観てて感じた。
男役は作りこんでいくものだけど、自然に振舞って男に見えるってのは難しいことだと思う。
さり気ない仕種ひとつひとつに異性を感じて、妙にコーフンしてしまった(^^ゞ

男の友情物も観たかったので、その点では文句ない。
2人の出会いや普段の生活など、想像したら面白そうだよね。
そこへブランドンも入ったら収拾つかなくなっちゃう(笑)
フレッドとブランドンの日常にも興味津々。お屋敷ではどんな2人なんでしょうねぇ?

フレッドは、いわゆる"マリッジブルー"だったんだろうね。
婚約者ナンシーは好きだけど、恋とは違う思い・・・でも後継ぎだし、養子だし、フレッドには拒否権なんてなかった。
バーバラとの再会を経て、フレッド自身が大人になり、きちんと道を選んだことは何にも変えられない大切なこと。
20年振りの再会・・・20年後への約束・・・
この船旅は、誰もがとおる大人への通過点だったんだろうと思う。
初恋を経てひとつ心が成長するように、フレッドも成長した。
だからこそ、2人はちゃんと船を降りられた。
だれにも汚すことができない2人の初恋は、ずっとずっとキレイなまま・・・
フレッドとバーバラにだけ許された、秘密の場所・・・
でもきっと、扉の鍵が開けられることはない・・・

"幸せになれ!"
叫ぶフレッドと、わたるくんが大好きな自分の気持ちが重なる。
u-tsuにとってもわたるくんとの時間は宝。価値の大きさなんて決められないほどの宝。
フレッドのバーバラへの愛情と、u-tsuのわたるくんへの愛情は同じくらい深い。
こんなにも役と自分の気持ちがオーバーラップしたのは、u-tsuにとっては珍しいことだった(笑)
男女に関係なく、言葉のひとつひとつが心境に当てはまり、共感する・・・
なんか不思議な感じだった。
だってバーバラに言ってる言葉なのに、自分がわたるくんに言いたい言葉だったりするんだもん。
上手いよなぁ先生・・・




と、長々と書いてしまった感想・・・長すぎてスイマセン。
書きたいことはまだあるんです。でも細かく書くと終わりはなさそうなので・・・
ショーもありますし、芝居はこの辺で・・・
そのうち「Talk」で独り言してると思います(^^ゞ
ではっ




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