-愛するには短すぎる-

      2008.10.10 東京宝塚劇場




行ってまいりました、東京公演・・・
大きな変更はありませんが、場に合わせて台詞がちょっと増えてはいます。
ストーリーを追っての感想は大劇版で書いたので、
今回は役について気付いたこと感じたことなど中心に、つぶやいてみたいと思います。
ではいってみようっ




幕があがり客船画を見ると、とっても懐かしい気分に・・・慌しい遠征から2ヶ月ほどですか。
もう遠い昔のような感じですねぇ・・・
アンソニー(とうこちゃん)の歌声が流れると、その懐かしさはさらに深まり、思い出を描くような気持ちに・・・

全体的に感じたことといえば、より自然体になっているなぁということでしょうか。
主役をはじめ、どの役もキャラ設定が掘り下げられていて、みんな色々チャレンジしてるなぁって感じ。

まずフレッドはクラウディアに対する想いを自覚し、それを行動で表現する経過にワガママ度がUPしてて、
それまでの我慢の人生から180度の変貌を濃く表現している。
26歳の成人男性とは思い難いような子供っぽさで、クラウディアには思いを告げ、一方の親友アンソニーには
邪魔をするなと怒鳴り散らす・・・『桁違いにワガママになる』と親友に言わせた通り、猪突猛進的なワガママぶりが
u-tsuが見た大劇版よりもよく出ていた。
普段は落ち着いていて周囲に気遣いができ、誰に対しても誠実さがみえるフレッドであるだろうに、
クラウディアと出会ってからは親友にも嫉妬して、それに気付かないほど我を忘れてしまう・・・
大人っぽいフレッドの年齢が一気に下がり、まるで10代の少年のように感じられる。
我慢の人生だったフレッドは、こんなに感情表現することなんてなかったはずで、その初めての経験に
戸惑いながらもひたすらに彼女を求め続ける姿が、大きなわたるくんを通すとなんだか可愛いなぁって思える(^^)
大っきい少年フレッドが一喜一憂する姿はオチャメだ。

アンソニーやブランドンとのやりとりは気心知れたっていう雰囲気が良く、でも馴れ合いになっていなくて
程よい緊張感みたいのもちょっとあって、ただ楽しんで笑ってしまう。
アンソニーとは言いたい放題な時と言わなくても伝わる時とあって、どちらの時もお互いへの信頼感が存在している。
うたた寝していたフレッドとの会話、パーティー後のフレッドの部屋でのやりとり、昼食の席でのアンソニーへの行動、
クラウディアの窮地を救ったアンソニーへの嫉妬・・・どれも相手をよく理解していないと余計なお世話に思ったり
ケンカに発展しそうなシーンだけど、意外にも2人はケロリとしている。
それはやっぱり相手の気持ちが伝わっているからだし、ヘンな気遣いや嘘がないからなんだろうと思う。
フレッドは感情が激しく揺れたのをきっかけに嫉妬でアンソニーを責めてしまったけど、フレッド自身がコントロール
できなほど気持ちを持て余してることを知っていたから、それに対してアンソニーは軽くかわしつつ見守っている。
一方アンソニーの多少言葉は悪いがストレートな物言いに、それまでの自分の世界観の狭さに気付いたフレッドは
クラウディアへの恋に目覚め、手放したくないものの存在があることを知る。

ただウマが合うとか感覚が似てるっていうのとは違って、2人は180度違うんだよね。
自分に無いものを持っていて、だけどそれを尊重しあえる・・・物分りがいい分フレッドの方が大人な感じするけど、
このお話の内容だとアンソニーの方が大人〜って感じがする。だってフレッドはクラウディアのことが気になって
ジタバタしどおしだし(笑)しかも宝石泥棒を見つけたのもアンソニーの活躍あってこそだし。
ま、アンソニーの場合は単に面白そうだからって理由だけで泥棒探ししてそうだな・・・
バーバラの疑いが〜っていうのは表向きで、彼はいつもドキドキしていたいタイプな感じがするんだよね。
もちろん、彼女のことはホントに気に入ったんだろうし力になりたいと思ったりもしたんだろうけど、
絶対それだけじゃない気がする・・・だってあの推理劇、すごいテンション高くてすごいイキイキしてるもんっ(笑)

ブランドンとは主従の関係でありながらも分け隔てがあまりなく、おじいちゃんと孫のような温かい間柄な印象。
アレコレ口やかましく忠告が飛ぶが、それはフレッドを思う心から出るものっていうのがよく分るほどに愛情を感じる。
フレッドもウルサイと思いつつ、彼の気持ちが分っているから本気で怒鳴ったり怒ったりはしない。
もちろん、性質が穏やかなフレッドだからそんなことはしないんだろうけど、クラウディアが絡むとそうはいかず・・・
養子となったその日からブランドンはフレッドを見ているから、性格は理解しているでしょう。
彼には息子がいたそうだから、フレッドにその影を重ねて見守っていたかもしれない。
そんなブランドンだからフレッドの我慢の人生にも気付いていたんじゃないかな?
それが幼馴染に出会ってからはあの変わりっぷり・・・ビックリしただろうね(苦笑)
それと同時にこれがフレッドのあるべき姿だったのじゃないかと感じたりしたかもしれない。
だからといってフレッドの恋を応援するはずはなく、どうせ叶わぬ恋なら早く目覚めてもらおうと、とにかくフレッドの
側を離れぬように追いかけまわす・・・とはいえ、ブランドンはクラウディアを軽蔑もしてもいないし嫌いでもないよね。
むしろフレッドがこんなに感情をだせるのは彼女のせいだと分っていて、それに好感を持っているようにみえる。
だけど3日目の夜、デッキで彼女に会った時『クラウディア・ヘニング様』と呼ぶんだよねブランドン。
本名で呼んだことで彼女を認めているような印象を受けたんだけど、ただの形式のようにも思えるよね。
『今日はステージはなさらないので』っていうのがフレッド様といつまでご一緒するつもりか?っていうイヤミにも
聞こえるし、ただの社交辞令の会話にも思えるし、単純な疑問にもとれて、どーいう意図があるのか・・・?
ま、どんな理由にせよ、フレッドとブランドンの関係は良いままに変わりはないけどね。

フレッドとアンソニー、フレッドとブランドンに続く迷?コンビといえば、アンソニーとブランドン。
このコンビはイイよね〜意外に仲良しコンビで、見てて楽しい(^^)
ロンドン留学で20年振りの自由に気持ちが軽やかになったであろうフレッド・・・
そこへイギリス出身のアンソニー(名前から察したu-tsuの願望)が転がり込んできたら、楽しくないワケはない。
でも楽しくないのがお供のブランドン・・・あくまで留学は学ぶための時間であると忠告はしても、決定権は主人である
フレッドが持っているので、悪友の存在は黙認してたって感じ?もしくは眼中に入れず黙殺か(苦笑)
そんな関係の2人だけど、フレッドを思う気持ちは同じだし彼を通して意気投合することも少なくないはず。
アンソニーとやりあってるブランドン見てると妙に若々しく感じたりするんだよね。
大事なフレッド様に悪影響とか思いつつ、アンソニーに好感持ってるし彼を楽しんでるように見えるし。
この2人の珍道中なお話が見てみたいと強く思う。



フレッドが全てを捨ててもいいと思うほど愛した女性クラウディア・・・
優しい、誠実なフレッドが求め続けるに相応しく、彼女もまた優しく純粋な人だ。
フレッドのことでは彼女も我慢の人生を送ることになってしまうけど、それを悲しく思うのではなく、彼の幸せを
願っての決断だから、フレッドが幸せである限り、彼女も幸せになれるんだろうと思うよね。
クラウディアは信念を持って生きてる。フランクとのことも借金があることに引け目を感じてはいても、
だからといってフランクの思い通りにはさせていない。弱い人は逆らえずに流されてしまうだろうに、気丈に立ち向かう。
アンソニーが肩代わりした借金も、絶対きっちり返すだろうと想像できるし、何より、想いが通じ合ったフレッドの
勢いに負けず、航海の終わりと同時に夢の4日間にきちんと別れを告げた。
気持ちの整理は後からつけるとしても、あの短い時間だけで一生分の愛情を分かち合うなんて、果たしてそれだけて
船を降りられるものだろうか?でもクラウディアはそれをやってのけたんだよね。涙があふれて止まらないけど、
最初の決め事をちゃんと果たして・・・恋の成就よりもフレッドの幸福を最優先した結果なんだろうな。
そう考えるとクラウディアにはこの先の人生を幸せいっぱいに生きて欲しいと願わずにいられない。
フレッドのいない人生が幸せになるかワカラナイけど、少なくともいつも笑っていて欲しいとは思う。

となみちゃん、ムラより印象が良かった。
声のトーンに無理がなくなったし、幼馴染の少年と再び出会えた嬉しさと、その人が御曹司となって自分とは
生きる世界が全然違うことへの戸惑いが程よく伝わる。親しみと遠慮感で心が不安定になる様子も出ていると思う。
クラウディアは難しいよね。会話はブランクを感じさせないのに、ふした拍子に距離感を感じたりするワケだから。
特に距離感をハッキリと表現するシーンはないから、クラウディアの気持ちにならないとワカラナイもんね。
暴走するフレッドにブレーキを上手にかけさせるあたり、彼女のほうが大人。
切ないシーンなはずなのに、フレッドが幼く見えて可愛い(苦笑)

この2人、離れ離れにならず結婚していたらどうなっていたんでしょうねぇ?
20年振りの再会だったから妙に盛上がっちゃっただけなんじゃないのか?と最初は思ったんだけど・・・
ずっと一緒に居てもラブラブなんでしょうか?
そういえば、クラウディアってジョプリンに帰ったら音楽教師になるとかって話しでしたが・・・あれはどうなった?
全然そんな会話出てこないけど?正塚先生、気ぃ変わったのかな・・・
個人的には音楽教師になってほしいかなぁ。いや、アンソニープロデュースで舞台復帰ってのもいいが・・・
でもって、フレッドは彼女の為にちゃんと劇場造ってあげるのか?財閥の跡継ぎだもん、今ならお金の心配なく
デッカイ劇場造れるよね〜でも造ったら言いくるめられてアンソニー専用劇場になりかねない・・・
赤字経営じゃウォーバスクの名が泣くぞ〜(苦笑)



船長のウェンズワースは最初からテンションが高いっ。
ムラでは生真面目で大らかという印象だったのが、今回は生真面目さが薄れ陽気な印象が強かった(苦笑)
ウェンズワースは真面目すぎれば面白味がさらに増す役だから、そこは薄れちゃいけないと思う。
権力者への配慮がミエミエな感じもするので、もう少し丁寧な対応だと自然に見えるのじゃないかと。
以前はもっと紳士的だったんだよね船長。でも東京だと雑になった感じがしてならない。
あまり作りこまないほうがキャラが活きるように思うが・・・


マクニールさん、相変わらず喚きちらしですねぇ(笑)
特に変わった印象はないけど、自殺騒ぎではうろたえっぷりが面白いな。
心にもないこと言うから時々本心がポンと出ては周囲の非難を浴びるという、情けない一面があったりね。
アンソニーのように舌先三寸なところがあるんだけど、マクニールはそれによって自滅しちゃうタイプだね(苦笑)
アンソニーは上手く世渡りできる図太さを持ってる感じだけど・・・


フランクは悪というには貫禄がなく、ちょいワルっていうのも違う。
こういうのがカッコイイんだぜ、って思ってる青年が背伸びしてるだけのように見える。
フレッドよりも年上な設定らしいが、それは無理がありすぎ・・・等身大の設定でよかったんじゃないのかな?
若く実力ある青年がチームを組んで巡業する・・・この方がしっくりくるし納得もいく。
でももう設定されてる演出だから仕方ないよねぇ。この先どう変化していくのか、礼音くん次第だな。


ドリーはまた細くなったかっ?!て思うほど・・・体力的には大丈夫なんだろうかウメちゃん?
でもこちらの心配とは裏腹に、ショーは踊りまくっているから大丈夫なんだろう・・・
ドリーは自殺騒ぎでの台詞回しが変わって、言葉や感情がハッキリしてきたかな。
デイブに言われるがまま、マクニールに近づいていきミュージカルのヒロインをゲットするんだけど、
この時点ではまだ本当に大切なものが見えていなくて、ただ行動しているだけ。
あまり自分というものが感じられない。ただデイブの言うとおりやっていれば大丈夫だわ〜くらいにしか考えてないよね。

デイブは彼女をなんとかスターにしたくて、色仕掛けで約束を取り付けるという手っ取り早い方法を使った。
けど心中はそんなこと望んじゃいないし、ドリーが他の男と過すことすら許したくないと思ってる。
でも自分の感情に彼女をつき合わすのは間違ってると考え、気持ちを押し止めてドリーと計画を実行する。
和くんはやっぱり声が細い・・・台詞が不安定で心配になっちゃう。
ドリーを支えなくちゃいけない役だから、しっかりとお願いしたい。ガンバレーっ

この2人は大事なものが何かってことにお互い気付いていないんだよね。
だから間違った方にどんどん進んでしまって、苦い思いをしてる。
デイブは覚悟ができていたけど、ドリーは覚悟も何もなく言われた通りにやっただけだから、この先大事なことに
気付いた時の衝撃はデイブより大きいよね・・・その時、どんな行動にでるのか、デイブについてどう思うのか、
2人の今後が楽しみかも。


その他、バレエ団ストックトン団長は、普通の男性キャラなのかオ○マキャラなのかよくワカラナイ・・・
歩き方や手の使い方はバレエダンサーっていうよりも女性っぽいんだけど、言葉遣いはそんなでもなく・・・
身のこなしが女性っぽいというだけで、普通の男キャラってことでいいのかな?
でもちょっとヘンな人だよね(苦笑)

クルーやダンサーのみんなも見れるときには見てたんだけど、なかなか全員を見るのは難儀で・・・
でも笑顔が絶えず役として存在してて、舞台の端を見てても面白いのが良い。
u-tsuは下級生の顔が見分けられないので誰がと言えないのが残念なんですが(ーーゞ
ムラ観劇からずーっと気になっているのが、前半場面の暗転で下手セット上で歌っている娘役さん・・・
最初はセット上に居ることに気付かずカゲソロかと思っていたんだけど、東京で見たら下手セット上で歌ってた(苦笑)
メイド衣装だったんだけど、誰だかワカラナイんだよ〜
良い歌声だなぁと思ったんで、名前を知りたかったのに・・・どなたかu-tsuに教えてください・・・



ってなワケで、主要キャラのみですが雑感をつぶやいてみました。
最後の東京公演が始まったというのに、なんかあまり実感がないのは何故なんだろうか?
ラストシーンなんか切なくて卒業と重なる部分がいっぱいなのに、それを見てすら実感がない。
大きな決意をし、それに悔いを残さない清々しいフレッドを見てると、卒業っていうよりは旅立ちの印象が強くて、
こっちも清々しく送り出すっていう気持ちの方が大きくなるんだよね。
だからu-tsuはこの作品をホントに楽しんでるし、全然ジメジメした気持ちでは見ていないんだ。
とはいえ、回数重ねて見るうちには、実感も出て違う感情になっているかもしれないが・・・

今度の観劇ではお気に入りシーンなどつぶやければいいなと思う(^^)





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