Barry Manilow's
COPACABANA

        2006.6.4 梅田芸術劇場



何とか行ってまいりましたCOPACABANA〜
乗り慣れない飛行機に気分を悪くしていたせいか
記憶が薄くて薄くて・・・
まとりあえず、つぶやいてみましょうー




名曲"コパカバーナ"をモチーフに作られたミュージカル「コパカバーナ」。
コメディの要素溢れるファンタジー系なミュージカルで、気兼ねなく楽しめると
想像していました。が、しかし・・・なんとも微妙な流れでイイんだか悪いんだか(苦笑)
初日開けてすぐなので、やっぱりまだテンポが掴めていないのか、ギクシャクした印象も。
まぁそれは回を重ねる毎に自然とタイミングも合ってくるでしょうから良いんです。
問題は・・・問題は、何なんだろうか?これだっ!ってどこを指摘していいのか分らないけど、
なんだかモヤモヤが残るんだよね。現代と異世界間を行き来するっていう設定は、ちゃんと
区切りをつけないと混乱するし、物語を追うことに支障が出るんだけど、今回も1部そういう
場面があった。2幕ラストは一体ドコからドコまでが現実なのか?未だに不明よ・・・




第1幕 第1場 現代
幕が上がると舞台中央には細めの階段があり、それを挟んで両側にオーケストラが配置。
オーバーチェアで劇中の曲がメドレーで流れ、これから始まる舞台を盛り上げます。
セットが下りてオーケストラを隠すとガウンを羽織ったスティーブンが登場・・・
彼は新しい曲を作曲中・・・だが、なかなか先へ進まずちょっとイライラな雰囲気。


譜面とニラメッコしながら舞台をウロウロするわたるくん、メイクもいつもより自然で
髪型もナチュラル。悩みながら歌う姿がなんとも可愛らしい(^^)
口ずさむように歌詞を割り当てていくと、セットの向こう側にラテン系の衣装を着けた男女が。
スティーブンが歌うと追いかけるようにその男女たちも歌い、いつしかスティーブンはその男女たちに
囲まれながら曲作りをしている。

このオープニングは白とゴールドのラテン衣装が豪華でテンポも良い。
ラテンイメージの男女がスティーブンを励ますように、インスピレーションを与えるように見える。
それに後押しされながら、少しずつ少しずつ作曲が進んでいくが、それも長くは続かず・・・
イメージはフェイドアウトしていく。

舞台下手にはスティーブンの仕事道具である音楽機器、中央付近には小さな箱型セット。
相変わらず曲作りで頭がいっぱいのスティーブン。箱型セットに灯りが着くと、なんとそれはシャワー室。
スティーブンの妻サマンサがシャワーを浴びながら話かけるが、彼の耳には届かない・・・
仕舞いにはサマンサの言葉をそのまま歌にしてしまう始末(笑)

ここの掛け合いのようなやりとりは面白かった。あまりにも曲作りに没頭しすぎて、耳に入る言葉を
無意識に曲にはめてしまう・・・ハッ!と我に戻って「違う違うっ」なんて表情するわたるくんがお茶目。
スティーブンの登場を観た時は、こんなわたるくんに会いたかった〜と思える姿だった。
雰囲気がとても自然で、等身大の青年って感じがした。前回のAcross以上に素に近いっていうか・・・
今までの大人の男と違って、より身近で普通な印象だね。


第2場 1947年
そのうち、曲のイメージが膨らみだし、彼は思いついた。「彼女の名は"ローラ"」
歌うように流れるイメージの少女、ローラ・・・彼女は夢見て旅立つ。出身はオクラホマ!

スティーブンは曲の世界観を広げ、自分までもその世界へ入り込んでしまう・・・


舞台中央の階段上に赤いコートを着たローラが登場。初々しい笑顔のとなみちゃんです。
夢を抱いてニューヨークに降立ったローラは、希望に胸を弾ませて歌います。
たぶん『Just Arrived』って曲名だと思うんだけど、いかにもミュージカル!っていう感じの曲で
なかなか素敵です。が、となみちゃん、意外にも声量がないようで・・・夢と希望と期待を力強く
訴えるようなイメージの場面と曲だと思うので、歌声にはもうちょっと強さが欲しかった。
ここの曲は多少地声で歌えたら良かった気がする。声も細かったし・・・
アントワネットは声量も声の細さも気にならなかったんだけどなぁ。
でも真ん中で歌い踊る姿は良いと思った。

他の娘役さんも、ももちゃんから最下級生まで出ていて、みんな笑顔が良かった。
傘やカバンを持って踊るので大変かもしれないけど、それも本公演ではあまりない光景で新鮮。
誰かの帽子が舞台上に残ったまま放置されてしまたのはご愛嬌(^^)



第3場A コパカバーナ
ソングライターでありながら夜は有名なクラブ"コパカバーナ"で働くトニーが登場。
コパボーイたちと共に歌い踊ります。


青い燕尾でカッコよく踊る男役さんたち。パンフで確認するまで、この場面もダレンさんの振付とは
知らなかった・・・結構オーソドックスな振りなんだけど、そう言われればどことなく雰囲気が違う
ような気もするって感じで。でもハッキリとドコがどうってのは、よくワカラナイ(苦笑)
ここでの曲は『ダンシング・フール』だったのかな?パンフに歌詞が載ってるけどわたるくんが歌っている
記憶がほとんどない・・・カッコイイ〜って見惚れていたのは覚えているけが(^^ゞ


第3場B コパカバーナ
客で賑わうコパカバーナにローラがやってくる。なんとか自分を売り込もうと店に潜り込む・・・


憧れのクラブに来て嬉しくて楽しくて仕方がないローラ、っていうのがよく分る。
けど、台詞の言い回しが気になる。設定として、18、19歳くらいの世間知らずなお嬢ちゃんってのは良い。
可愛く喋るのも良い。ただ、言葉のメリハリはつけようよ・・・って思う。語尾が妙に間延びすることが
多々あって、しつこさを感じる。昨年の芳蓮の喋り方が、ちょっとマトモになったかなっていう感じで。
それがローラらしさ、と言われればそれまでなんだけど(苦笑)
だってそんなローラのひた向きさに、トニーは惚れちゃったワケだもんねぇ・・・
何も疑うことを知らない純粋さってのは、あの喋り方から滲み出ている気は確かにする。
でも受取り方によっては、ただのノウテンキなお嬢さんにしか見えないトコロもある。
表情はすごく良くて夢見る少女って思えるのに・・・勿体無い。もちょっとしっかり喋ってくれるとイイな。


第4場 翌日−オーディション会場
この場面は上手と下手に別れ、トニーとローラのそれぞれのオーディション風景を見せるもの。


最初はローラなんだけど・・・なんでっ?!って思うようなローラの行動が可笑しすぎる。
なんで彼女はピアノの上でないと歌わないのか(笑)?いきなりピアノによじ登り始めた時には唖然と
しちゃったけど、そこでちゃんとポーズを取る姿が滑稽でさ、笑うしかないんだよね。
ローラはすごく真剣で、だから余計に可笑しい。ピアニストに渡す楽譜も、何キロあるのかずいぶんと重そうで。
ここのピアニストの反応が良い。
ローラの頭の羽飾り、あれ、コパの歌詞のままで深い意味はないんだろうけど、なんか笑っちゃうし。
頑張っているのにそう見えず、次々と落とされていくローラ・・・


一方、トニーも奮闘中で、音楽出版社のミセス・ブリルのもとを訪れる。
同じくコパカバーナで働く仲間と一緒に、あれやこれやとトライするものの、一向に結果が出せない・・・


わたるくんの百面相のような表情の変化が楽しい。夢を追って頑張る青年姿もなかなか可愛い(^^)
掃除機のパントマイムはちょっと分り難いけど、ニュアンスは何となく伝わってるかな。
トニー以外のキャラも色々工夫されてて良かった。特にスキップのみらんくん・・・どーしたの?!って
感じだよ。最初誰だか分らなくて娘役さんかと思っちゃった。よく見たら女性色の強い青年で(笑)
なんで男役さんが振付家の役すると、みんなああいう作りになるのか不思議だけど、このみらんくんは良いよ。
濃すぎず派手すぎず、ちゃんと存在感あってでも邪魔にならず、悪目立ちしない・・・
なかなかオイシイ役にしてるよね。


第5場 オーディションの後
落込んで帰ってきたトニーたちをグラディスが迎える。
そこへ同じく落込んでいるローラもやってくる。グラディスはローラを励まし歌う・・・


グラディスはコパのタバコ売りをしているが元はコパガール。それを演じるのはなんと組長っ!
女性らしいカツラにスカート。細くてキレイな足をしていらっしゃいます〜。
ここではグラディスのナンバーがありますが、結構長い・・・コパガールの魅力を力説しながらの歌なんだけど、
ちょっとテンポが良くないのか、聴いてると若干だらけてしまう感じがした。
なんか振りや台詞や歌とかのやることが多すぎる感じがして、組長さんが必死になってる印象があった。
慣れてくると力も抜けて段取りもよくなるし、よりテンポよく面白味も増すと思う。


第6場 コパカバーナ
いよいよコパガールのオーディション・・・ローラから受取った楽譜に驚きつつもスタンバイするトニーは更に驚く。
ピアノによじ登るローラの姿が目に入り止めるが彼女はお構いなし。やる気いっぱいのローラだが、案の定、支配人サムは
呆れて中止させる。トニーの機転で曲のテンポアップと即興の踊りを提案、改めてオーディションは再開され、ローラは見事
合格、晴れてコパガールの一員に。


何度見ても笑ってしまう、ローラのピアノよじ登り(苦笑)そしてトニーの慌てぶりも面白い。ムリにでも押し戻そうとするけど
ローラの勢いに負けてしまう。ここはローラの見せ場でもある場面。トニーの機転によって、自分の新たな魅力を開花させる。
どう見ても田舎のお嬢さんにしか思えなかったのが、実はダイヤの原石だったってとこでしょうか。
そして、トニーとローラが自然に惹かれ合い、その気持ちをローラに伝えるトニー・・・
「夢ではないきみ」の出だしに大笑い。なんですか、この歌詞(笑)一応、即興で曲を作るトニーってことですから、まぁ分り
やすくていいけど。わたるくんも楽しそうだし(^^)なんか、いかにも純愛〜って感じのほんわかしたシーンでした。


第7場A・B コパカバーナ
ハバナのクラブ"トロピカーナ"を経営するギャングのボス、リコがコパカバーナへやってくる。
ショーで歌い踊るローラに魅了されたリコは、自分のテーブルに彼女を呼んだ。
有名クラブの経営者としてのリコに対して純粋な憧れからテーブルにやってきたローラだが、彼のペースに嵌り飲みなれない
酒で酔っ払い、ついには薬を飲まされ誘拐されてしまう・・・


リコのとうこちゃん、何故かこういうキャラが似合う(^^)あすかちゃんコンチータはキレイですね。2人とも訛りがあって、
やっぱり人種の違いってのがハッキリ出てた。ローラは酒を飲みすぎて酔っ払ってしまうんだけど、酔うとますます芳蓮に近く
なっていくのが気になってしまった・・・キャラ設定として、声のトーンを同じに作っているからなのか、それとも演じる
キャラ自体がかぶっているのか?なんだかよくワカランが。

ここって1幕の終わりで、次に続く為の大事な場面だと思うんだけど、なんかゴチャゴチャしてて分り難かった気がする。
リコがグラスに薬を入れる演出も、見逃してしまいそうだったし。連れ去られるローラを捜して出てきたトニーもすぐに引っ込んで
何しに出てきたんだか分らなかった(苦笑)で、空港アナウンスがあり、セットが出てきたんでハバナに移ったんだなというのは
分ったんだけど、この場面はいらなかったような気がする。薬を飲ませて拘束した次点で連れ去られてしまったっていうのは
理解できるから、舞台の階段上で終わっても良かった。階段下にはトニーがいれば良いんだし。なんかダラダラ長くて、いつ1幕が
終わるのかと気になっちゃったよ(ーーゞ
ただ、使われている曲「Bolero De Amor」っていうのかな、これは好きだった。


第2幕 第1場 ハバナ"トロピカーナ"
トロピカーナのスター、コンチータがショーで歌う。その後リコが現れショーの変更を告げた。以前にコンチータをスターにした
曲「エル・ブラボー」をローラ主役で再び上演するという。


幕開きにスティーブンを捜すサマンサの声がするけど、別にスティーブンが出てくるわけでもなく、そのままコンチータのショーが
始まってしまうので、特に必要性を感じなかった。一応、現実と幻想の区別をつけたかったのかもしれないけど、別に要らない。
歌われている「Ay Caramba」は宝塚でも何度か使われているのでよく知っている曲。コレ聴くとラテンだなぁ〜って思うよね。
ノリが良くて耳に馴染みやすいので好きな曲です。

自分のナンバーをローラに教えるよう言われたコンチータ。ショックを受けながらも拒もうとするが、リコには逆らうことができない。
スターとしてのプライドと、リコに対する女心と、ギャングのボスへの恐怖心がバランスよく出ていたと思う。


第2場 コパカバーナ・楽屋
コパボーイのウィリーがローラの誘拐を告げ、トニーは支配人サムとハバナへ向かう。


ここのナンバー「ハバナ」は、事がシリアスな割りにコミカルで面白い。
最初にトニーが店を出て行くと、他の仲間が支配人サムにローラ救出を詰め寄る。意を決したサムもトニーの後を追う。
この時、グラディス他4人の仲間が一緒に店を出たから、全員で助けに行くのかと思ったら、演出でセスナ機の音がブィーンって
して、グラディスと4人の仲間は手を振っていた(苦笑)トニーとサムだけで救出なんて思ってなかったよ・・・
ま、ゾロゾロいても目立っちゃうけどね。見送るグラディスが女の子してて可愛かったな(^^)


第3番 ハバナ
リコのローラへの執着ぶりに不安を感じたコンチータは、ローラにリコの正体を明かす・・・自分がどうしてハバナに連れて来られたか
知ったローラは、リコに恐怖を感じ始める。ローラを敵視していたコンチータだが、ローラの純粋さに気持ちが変わり始めていく。


リコを取られたくないとローラに冷たくあたるコンチータが、本当に何も知らず騙されていたと知り、ローラに同情する変化が分りやすい。
手の平を返したようにコロっと変わるところが単純で良いと思う。そして、ローラの境遇を気の毒に思い、何とかしたいと思い始めるのも
女の子らしい発想というか、共感持てる感じがする。

リコはどこまでも自分勝手で、感情を表に出さないということで、手段を選ばないという非道な部分が表現されてると思う。
クールっていうよりは、寒気がするような冷たさを感じる役作りになってるかな。


第4場 トロピカーナ・リハーサル中
「エル・ブラボー」のリハーサル中、トニーとサムがコンチータのもとへ現れる。2人はローラ救出に手を貸してほしいと頼む。
悩みながらも協力を約束したコンチータは、ある策を考えた。リハーサルを嫌がるローラにコンチータは、必ず助けるから早く曲を
覚えるよう説得する・・・


「エル・ブラボー」は海賊にさらわれた若い娘が勇者エル・ブラボーに助けを求めるっていう内容で、衣装も海賊。
で、海賊だからなのか、舞台には大きな樽が2つあって、それに剣を刺すと樽から海賊の船長に扮したエンディーがぴょーんと・・・
これは"黒ヒゲ危機一髪"?結局、本番のエル・ブラボーでは使われていなかったけど、なんか意味があったのか?
無駄な演出としか思えないんだが・・・

娘の衣装を着たとなみちゃんを観て、「パルファンド・パリ」の1シーンを思い出した。あやかちゃんがさらわれてしまう娘で、
それを助ける海軍士官だったかがシメさんで。あの場面好きだったんだよなぁ(^^)


第5場 トロピカーナのステージ
いよいよ「エル・ブラボー」が始まる。それと同時にローラ救出作戦も密かに始まっていた・・・


コパのサイト見た時に、この曲で海賊の衣装を使うと知ってから、ずーっとわたるくんの海賊姿を夢見てきたu-tsu。
わくわくと待っていたその時・・・"エル・ブラボー!"という歌声、そして舞台セットから飛び出してきた姿!
わたるくんだぁ〜(^▽^)でも海賊姿じゃない・・・そう、トニーは勇者エル・ブラボーだから海賊姿じゃないんだよね。
でもめっちゃカッコイイ登場で、しかも二刀流なんだよぉ〜っ。2時間のミュージカルで1番の見どころはココだな。
この登場の為だけに通いたいくらいだもん。1番印象的な演出だったね、うん(^ー^)


トニーは踊りながらローラに近づいていく・・・リコは勇者が自分の店の者ではないと気付き行動する。
ようやく再会を果たした2人の前に、リコが立ちはだかり、トニーの心臓へ真っ直ぐ銃を向け引金を引いた・・・
銃声が響いた・・・


やっとローラのもとにたどり着いたトニー。良かった〜と思っていたら、何やらu-tsuの視界に人影がゆっくりと舞台へ向かって
いくのがチラついた。席に戻ってきた客だと思っていたら、なんか態度が堂々すぎるんでヘンだなぁと・・・そしたら前に伸ばした
手に何か持ってるからかなりビックリしたんだけど、そのうちライトが当たってリコだったのかぁ〜と(苦笑)
知らなかったから、ちょっとヒヤヒヤしちゃいましたよ。

で、1発の銃声が響いた時にトニーが倒れかけたんだけど、座談会でラストを変更って言ってたんで、撃たれたのはリコだろう
ってのは何となく分っちゃってたな。撃ったのがコンチータだってことも・・・
あまりに静かに死んだのと、コンチータがどれほどリコを愛していたかが伝わって、なんか可哀相な2人だなぁって思っちゃう。
でもリコはどんなにコンチータが愛しても、昔のように愛してくれなかっただろうって気がするな。リコを自分のものにするには
こうするしか方法はなかったようにも思う・・・いっそのこと、嫌いになれたらどんなに良かったか・・・



第6場 トロピカーナ・ステージ数分後/コパカバーナ・数日後
トニーとローラが改めて再会を喜んでいると、あの騒ぎの中、気を失っていたサムが目を覚ます。


救出に来たのに、肝心な時に気絶してたサムって・・・(苦笑)しかも起き上がりながら、なんで自分はこんなに身体が疲れて
いるんだと疑問。それに対するトニーの言い訳が可笑しかった。ギャングをやっつけたなんて話を鵜呑みにするサムって、自分の
腕っぷしがどれほどか分ってないよね。やっぱり自分が来て正解だったと納得するところからしてお調子者なのね、サムは。

ここで記憶にあるのはキスした後にローラが言う「みんなが見てるわ・・・」に対して、トニーの「ローラが好きだ〜」宣言。
観てるこっちがテレてしまうほど爽やかで恥ずかしい(笑)わたるくん、青春ドラマいけるんじゃない?って感じだよ。



第7場 現代
物語を作り終えたスティーブンのもとへ妻サマンサが姿を現す・・・思わず驚くスティーブン。彼女はローラにそっくり。
そこへローラの両親が訪ねてくる・・・するとコパカバーナの支配人サムとタバコ売りのグラディスにそっくりだった。
頭が混乱し始めたスティーブンだが、またしても人が訪ねてきた。ローラの友人コンチータとリコ・・・ハバナのギャング、リコと
その愛人コンチータに瓜二つ・・・彼らは一体?


何とか一通り作り終えたスティーブンがサマンサを見たときの表情・・・そんなに驚く必要があるのか?ってくらい驚いてた。
いつも見ている自分の奥さんに何故そんなにも驚くのか疑問。そりゃぁ今までずっと作品世界をさまよっていたスティーブンだから、
急に現れた奥さんに驚いても仕方ないかもしれないが、あそこまでの驚きはないでしょう。それともスティーブン自身もローラに
恋しちゃって、我に返ったら奥さんとローラがそっくりで、改めてサマンサの魅力に気付いて驚いちゃったのか?

じゃ、ローラの両親を見ての驚きようはどういう意味なんだ?結婚して5年、この日初めて会うってワケでもなかろーに。
しかも義父の頭がカツラじゃないかと髪を引っ張ってまで確認してるんだよね(笑)

そしてローラの友人コンチータとリコに対しては、更に上をいく驚きよう・・・少なくとも結婚式なんかでコンチータには絶対
1度は会ってるはずだと思う。それなのに・・・なんで?なんであんなに驚くのぉ?

演出としては面白いんだけど、一体どうなっちゃっているのかが理解できなくて気持ワルイんだ。
これが初めて会う人たちだったらスティーブンの驚きは理解できるし、一種のデジャヴってことで解決なんだけどねぇ。
こんなに単調な内容で疑問に思うほど難しく悩む必要なんてないんだろうけど、思い出せば出すほどに解せないのよ(苦笑)
スティーブンとしては無意識に自分に親しい人たちでキャラを作り上げてしまったのだろうか?
でもって完成直後にその人物たちが目の前に現れたもんだから、なんで物語のキャラたちがココにいるんだっ?!と思わず
驚いたのか?海外の映画やドラマなんかでも空想の中の人物が、似たような設定で目の前に現れるなんてことがあるけど、
そのほとんどは初めて会う人だったり、近所の人でもあまり面識のない人なんだよね。でも今回はよく知る人物に対しての
驚きだったから、違和感を覚えてしまったんだ。見ている時は大笑いしてたけど、後からすごく気になっちゃって・・・
ま、これについては自分の中で整理をつけていこうと思う(苦笑)



第8場 フィナーレ A・B
完成した"コパカバーナ"を出演者たちが歌い踊るフィナーレ


題名が「コパカバーナ」というわりには全然劇中には使われず、やっとここで完成披露。
明るくて楽しくてノリノリで、1番ホッとした場面だった(^^)

アンコールで幕が上がると、もう1度オーケストラのみなさんがコパを演奏。各パートのソロでは立ち上がって替わる替わる
アピールしてくれて、なんとも豪華な印象。出演者は退場してしまったけど、客席の手拍子に乗りながらの演奏はステキだった。
できることなら、オープニングのオーバーチェアのようにメドレーで全ての曲をもう1度聴きたかった。
それくらい、どの曲も耳に馴染んで心地よかったな。




全体的には気軽に楽しめるミュージカルなんだと思う。ただ初日開けてすぐは、やっぱり段取りに追われる部分があって
観る側も手探りな感じだから気になってしまうのは事実。でも今頃はテンポも良くなってスムーズになっているんじゃないかな?

わたるくんは久々に現代人らしい普通の衣装が多くて、それを普通に着こなしてるのが自然で良かった(^^)
髪型も柔らかくて好きだなぁ。何より等身大の爽やか系っていうのがイイのよ。トニーはそれより若いけど、誠実だし
優しいしカッコイイし、もう理想的な青年だ。嬉しいよ、こういうわたるくんに会えてさ。

となみちゃんは可愛いし舞台姿も良いんだけど、台詞回しが気になる。王妃様の時は気にならなかったんだけど、女の子〜って
役になると1本調子になりやすい感じがする。次回の公演ではどうなるのか・・・

とうこちゃん、出番は決して多くないけど、その場その場でしっかりと存在感出してて、自分の役割を理解してるなぁって。
線が細いからギャングのボスっていうのはどうかと思ったけど、非情な冷たさが表面に出ていて、役作りとなりきり度で十分だった。
グラスに薬を盛るところなんて、すんごい嫌なヤツで良かった(^^)撃たれた後の死に方も上手いよね。
わたるくんも以前はよく死んでたけど、とうこちゃんもココんとこ、そんなの多いなぁ。

あすかちゃんの声は聴きやすいんだけど、台詞によっては汚くなるのがマイナス。舞台姿がとてもキレイで、悩殺系かどうかは
別としても美女っていう設定には納得。もうちょっとリコへの感情と、ローラに対する気持ちの変化が大きく出てもいいと思う。
もちろん、1度観ただけでもそういう変化はよく伝わってきたんだけど、欲を言えばもう少しメリハリほしいなと。
リコの死は自業自得だけど、残されたコンチータって気の毒だよね、自分の手でそうしてしまったとはいえ・・・


その他、支配人サムのマヤさんは相変わらず達者な方で、あんなにオトボケなキャラなのに居るだけで場が締まるからすごい(苦笑)
組長のグラディスも新鮮だった。足はキレイだし姿も良い。時々、本公演でも観てみたいなぁと思った。

みらんくんの役作りは面白かった。宝塚ではお約束的な役作りではあるけど、楽しませてもらったので結果オーライ(^^)
琴ちゃんも、特別台詞があるわけじゃないけど、存在感が良かった。ダンス場面では大活躍だし、舞台姿も可憐。
ゆかりくんはちょっと頼りないコパボーイの1人だけど、なかなかの好青年振り。

Across組だった人が多くて、再びその活躍を観れて良かった。前回とは違う表情や踊りを見せてくれて、頑張ってるなぁと。
端で踊っていても、隅で芝居をしていても、みんなちゃんと役作りをしててドコを観ても面白い。
大きな役じゃなくても、出番は結構多いから、満遍なく観れたなって思える。


残念だったのは、オーケストラとマイクの音量バランスが悪かったこと・・・
台詞も時々聞こえにくかったんだけど、歌になると歌詞が聴き取れないことが多々あった。
芝居の流れでこんな内容かなぁと解釈するしかないトコがあったりして、キツかった。
途中なんて歌詞を諦めてメロディだけを楽しむしかなかったり(苦笑)
今でも音量バランスはあのままなんだろうか・・・ミュージカルなのに歌が聴き難いんじゃ話しにならないんだよぉ。
今回はこれが最大の難点だった(ーー;


余談ですが、u-tsu、観劇直前にコパの歌詞を知りました(苦笑)あれは歌詞が小説のような1つの物語になっていたのねぇ。
しかもなんて切ない、悲しい話なんだっ。それを、あんな楽しげなラテンのメロディに乗せちゃうなんて・・・
今まで楽しい曲だとばかり思っていたから、そのギャップにショックだったよ(笑)

で、先日、マニロウ主演のコパビデオを発見。2時間のTVドラマとして制作されたものらしく、ミュージカルというほど派手な
ものではなかったかな。基本はコパの歌詞で、それプラス細かい設定を用意してる。
トニーとローラの出逢いはラジオの音楽クイズ番組。その優勝者は有名なクラブ"コパカバーナ"とプロ契約できるって設定。
2人がオーディションをいくつも受けるシーンもあります。トニーの方はテンポよくて面白い。
ローラのピアノよじ登りもありました〜(笑)でも黄色い羽はついてなかった・・・黄色い羽はクライマックスのショー場面で
つけてた。ミュージカルっていうわりには歌が少なくて、意外だった。トニーが即興でローラに歌う「夢ではないきみ」、演出は
違うけど良い場面だった。歌詞もほぼ内容が同じで、「なにより甘い コーラ」は「チェリー・コーラ」だった・・・
元々がこういう歌詞だったのかと大笑いで、訳詞内容が同じならDVD発売されても割愛部分はなさそうだとホッとした(苦笑)

ラストが、死んだトニーを30年も愛し続けているローラが見た幻、幸せだったころの2人が踊っている姿で、これが切ないんだ。
すでにディスコに様変わりしているコパのフロアなんだけど、踊る人ごみの中に自分とトニーの幻を見て微笑む年老いたローラ。
映像で見てたら、こんなラストも良いよなぁって思えた。あまりジメ〜ってしちゃうのはイヤだけど、切ない現実のなかの
キレイな思い出っていうのもイイかなぁと。
なんてことない単純な内容のミュージカルドラマだけど、1曲の歌からこんなに物語が広がるのはすごいなぁと思う。
歌詞の内容からはみ出しすぎず、でも色んな風に解釈して世界を膨らませることができる・・・
コパカバーナって歌なんだけど、深くて面白い曲だよね(^^)





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