ネオ・ダンディズム!
      −男の美学−


     2008.8.19 宝塚大劇場




最後のショー作品『ネオ・ダンディズム!』・・・
不安いっぱい、期待皆無という心境でしたが、
んー悪くないような、良くもないような(苦笑)
たった2回しか観れていないので、現在は記憶で
リピート上演状態ですから、偏った印象が濃いかも・・・
ま、とりあえず、つぶやいていきますか




第1章 オープニング

幕が上がるとチャイナ衣装の群舞が、大階段舞台にずらりと並んでいた。
それも全て男役で、その様は圧巻。ソフト帽で顔は見えないんだけど、
みんなカッコよかった〜(^^)星組というカラーによく似合うというか。
ダンディっていうよりナルシーな雰囲気で、オープニングはお気に入りかも。
過去のダンディズムも幕開きが大階段に群舞っていう演出だったけど、
あの時は男女がいて衣装も色とりどりでした。曲も軽快だったかな。

ネオは全て男役になることで、わたるくんの男らしさが更に際立って
いたような気がする。そのわたるくんはドラゴンとして、ポスターと同じ
白のチャイナ姿っ!大好きだったチャイナ・ガイ再び〜って感じで
すんごい嬉しい(^0^)なんでこんなに似合うんだろうか。
オープニングの紅一点レッド・ロータスのとなみちゃん、同じくポスター柄の
赤いチャイナで登場。ダンディSのとうこちゃんが歌い、ドラゴンとロータスが踊る。
曲があまり好きじゃなかったんだけど、このオープニングにはこれで良かったような気がする。
場の雰囲気ってのが曲にマッチしてたし、結果オーライだなと、最近思えるようになってきた(^^ゞ

この場面、いつもに比べると短いプロローグだったよね。
シンプルでカッコよくて簡潔で、宝塚らしくもあり宝塚らしくないともいえる感じがする。
幕開き1番最初に目が行ったのは、しいちゃんと礼音くん。デッカイ2人がどーんと視界に入ってくる。
爽やか系なしいちゃんと、まだ幼さの残る礼音くんが、男!って感じでちょっと意外だった。
それとロータスがドラゴンに背中から抱きついた状態で1歩ずつ下がる振り・・・
何故かこれが記憶に濃い(苦笑)あそこの2人が妙にツボってしまったわ・・・


第2章 ネオ・ダンディズム

中世の騎士のような衣装でとうこちゃんが登場。役柄は序詞師となってる・・・それって何?
歌い出すのかと思いきや、「ダンディズムとはなんでしょう・・・」と始まった(苦笑)
次場面の案内人かーと気付く。もう何をやらかすつもりなんだ〜と、不安が押し寄せる・・・
カーテンが開くと鏡のセットに大勢のバラの乙女たち・・・佇む青年・・・
オープニングとはガラリと変わり、今度は娘役中心。あまり見なかった進行だなぁと思った。
わたるくんは長髪にマントにブーツという姿で、なんか『大海賊』のエミリオを思い出してしまった。
意外と王子さまルックも似合うじゃないかと、今さらながら気付いて感激〜(^^;
プロローグとは雰囲気も違って柔らかくて、ヨーロッパ系騎士物語なんかも観たかったと思うよ。

でも、正直この場面は意味不明・・・感激は新たな一面を見れたことに対してであって、場面内容ではない。
ダンディズムとは〜なんて説明は要らない。言葉でなく踊りで語ってくれぇ〜その方が伝わるよぉー
キレイだとは思うけど、こういうのをわたるくんで観たいとは思わない。能書きな場面よりも身体で表現できる
内容を構成してほしい。最後なんだよ・・・時間を無駄使いしないでくれっ。


間奏曲(1) ダンディズムとは

シルクハットにステッキを持った紳士が登場。ダンディズムとは何かと軽快に歌い踊る。
5人の紳士がヒゲをつけているんだけど、真ん中の組長さん・・・お笑いマジシャン、ムッシュ・ピエールにしか見えない(笑)
"トレビア〜ン"が口癖のおもしろマジシャンです、知ってるかなぁ?
ヒゲの先がクルリンってなってるの見たら"トレビア〜ン"が頭に浮かんできて、思わず笑ってしまった(^^ゞ

これは花のダンディズムでもあった場面で、今回組長さん扮したエスカイヤ・マンは未沙さんだった。
歌詞も変更されているみたい。俳優の名前がいくつか出てくるんで覚えきれていないけど、ホームズが新しく入ってた。
アステア、フランク・シナトラは前回も入っていたけど順番が違ってた気がする・・・あとは誰がいたんだろ?
因みに前回は9人俳優が出てきてた。


第3章 アディオス・パンパミーア

ガウチョって何?なんであんな格好でタンゴ?と思ったんだけど、あれはあれでカッコイイよね(^^)
アルゼンチンなど南アメリカの草原地方のカウボーイをガウチョっていうらしい・・・
アルゼンチンといえばタンゴ、だよねぇ。男役のタンゴってセクシーで好きだから見れて嬉しいんだけど、
更にカウボーイなわたるくんもアルヴァで大好きになったので、u-tsuとしては大好きなものが合体したこの場面は
現在かなりお気に入りだ♪カウボーイっていう感じはあまりしないけど・・・

マルガリーテを軽々リフトする姿のなんと男らしいことったら!いつまででもクルクル回していられそうな印象だった。
あれはウメちゃんの体重が軽いからの印象なのかな?芝居の方、細すぎてビックリしたもんな。
よくあんなほっそりした身体でシャープに踊れるもんだよね。体力はキツくないのかな?
琴ちゃんはAcrossで貴重な人だと改めて実感したんだけど、この場面でまたさらに実感した。


間奏曲(2) You and the night and the music

この場面も花のダンディズムと同じ。しいちゃん、すずみんを中心に男役6人で銀橋をわたる・・・
ひとりひとり見てみたんだけど、今まで持ってた印象と違ったのがしゅんくん。
普段が女の子っていう印象強いのに、舞台だと意外とキリっとした若者なんだよね。
これまでは「花舞う〜」の李亀年が印象的で和物とか中国物なんかのほうが似合うと思っていたんだけど、
今回銀橋の見てたら意外と良かったんだよね(苦笑)
李亀年から2年経ってるから変わってて当たり前なんだけど、男役らしさが身についてきたんだなと感じた。
そして組替えの和涼華くん。芝居の方では思ってたよりナヨっとしてる印象だったけど、ショーになるとそうでもなく。
大きいから目はいくけど、意外とパッとしなかったな。星組が濃い〜せいかもしれないけど(苦笑)


第4章 キャリオカ

キャリオカ・・・そんなに何度も再演されてる記憶はないのに、妙に印象深い場面だ。特にベルリン版がね。
u-tsuは曲と場の構成が好きなんだけど、わたるくんでキャリオカっていうイメージは今までなかったなぁ。
でも燕尾で宝塚らしい男役娘役の踊りっていうのは見たかったので、キャリオカで叶ったのは嬉しいかな。
振りも難しいものはなくて、男役は凛々しくカッコよく、娘役は可憐に柔らかくっていうオーソドックスなものなので、
安心して見ていられるんだよね。

わたるくん中心の三角形から始まるシーン、後ろにいる組長さんはじめ、上級生の面々の濃い存在感といったら!
どこから見ても星組だなぁという妙な実感を得た(笑)その真ん中にいて引けを取らないわたるくんは紛れもない星組子よね・・・

花のダンディズムから3組のキャリオカ見て思うのは、娘役のドレスさばき・・・あれは何とかならないものなのか?
キャリオカで何が嫌って、ドレスの裾を振る振付・・・これだけは何度見ても嫌だ。
振付が悪いというよりはドレスデザインが悪いのか?娘役の足全体が見えちゃって、品を感じない。
となみちゃんたち"女S"は布を多く使ってるから、ドレスの裾を持っても足がほとんど見えないんだけど、その他の
娘役さんたちは丸見えなんだよねぇ・・・布が多くなると踊り難くなるかもしれないけど、せっかく粋でカッコイイ場面
なのに、なんか後味悪いっていうか(苦笑)気分も冷めちゃうんだよね。
好きな場面だけに、それだけが残念だ・・・


間奏曲(3) 恋する男はドン・キホーテ

2人のダンディとかわいこちゃん8人の場面。
間奏曲も3曲目になると飽きてくる・・・カーテン前の間奏曲は通常と同じくらいの曲数なんだろうけど、
全部テーマが同じで演出に面白味がないから余計に飽きを感じてしまう。
最近の星のショー作品って、あまりカーテン前や銀橋での場繋げって無かった気がする。
絢爛もロマンチカもソウルも極力カーテンや幕は使っていないはず、記憶は定かでないが・・・
今回は場面ごとに幕やカーテンが引かれるから、繋げの場面が余計にみんな同じに見えるんだよね。
しかも揃って全部がコミカルな仕上げになってて、更に出てくる顔ぶれも大きな変化が無い・・・
内2曲は前回のまんまだしな・・・工夫ってものを感じない。手抜きといっても言いすぎじゃないと思う。
場面の出演者には申し訳ないが、役者が頑張れば印象が変わるってことじゃない。
2回目の観劇時は気の毒にさえ思ってしまった・・・


第5章 惜別 −オマージュ−

何故にジャン・コクトー?多彩な交友関係というなら他にも有名人がいそうだが・・・
まぁ確かにコクトーは詩や戯曲や映画に携わり、交友関係も多彩だったようだけど、あまり関係ない気がする。
とはいえ、ポラリスっていうイメージは良いなと思う。
ポラリスは北極星。北極星は地球上から見ると不動の星として、船舶や航空機などにとっては方角の中心となる。
先生はそういう頼りがいある安心感と、変わらない人というのをわたるくんに重ね合わせたのかもしれない?
でも実はある時期になると星の位置がちょっとずつずれるから、何千年に1度の割合で、北極星になる星は
変わっていくんだそうな・・・わたるくんも公演毎に変身するから、やっぱりポラリスでイイのかな(^^)?

シルバーの衣装でアーチ型セットの後ろを通ると映像が流れて背景が変わっていく。
最初は湖。そして雪の結晶、花びら、流星・・・様々に変化していく背景が、まるでポラリスの生涯を綴っているよう。
たくさんの"友"との出会い、交流、別れ・・・旅立ち。
激しく、身体全部で感情を表現する振付が印象的だった。
"明日へのエナジー"以降、こういう場面をわざわざ演出することが多かったけど、あれ以上の名場面になることはなくて、
今回はどんな名場面が出るのやらと不安だった(苦笑)
でもこのオマージュは、旅立つポラリスの思い出と幸せがいっぱい詰まっているように思えた。
これは振付の謝先生のおかげだね。みんなが一心不乱に、ひたすら踊る姿が純粋で良かったもん。
ポラリス(わたるくん)と"友"(星組子)だけの場面って感じがして、温かいものがあった。
でも残念ながら友は組子全員ではなかった・・・
グロリアスの"栄光の瞬間"に似ているけれど、羽山先生の穏やかで柔らかい振付とは違い、謝先生は激しく情熱的で
全身からわたるくんと星組のみんなの気持ちが溢れでていて、魂の絆みたいのを感じる。
ポラリスが新たに歩き出すラストの笑顔が最高にキレイだった。
歌われている歌詞の内容はよく覚えていないけど、観劇中はグッとくるものがあって、最後なんだなぁと改めて実感した。


第6章 エレガントロケット

ウメちゃん中心のロケット、ずいぶん長かったね。
振りに軽やかなものが多かったせいか、あまりインパクトがなかったから途中で飽きちゃった(ーーゞ
それにしても、オマージュであれだけ踊っていたのに、全然疲れていない様子のウメちゃん・・・若いってイイなぁ・・・


第7章 All by myself

とうこちゃん・・・あなたの声はなんて澄んだ音色なのーっ
こんなに感動した”All by myself”は初めてだよ。
昔、「ナルシス・ノアール」の1場面で、ネッシーさんも歌っていたけど、歌詞はあの時と同じだった。
当時は良い曲だなぁ、くらいにしか思っていなかったけど、今回聴いたらツボに嵌ってしまって感動だった。
u-tsuも大人になったってことなんですかねぇ(苦笑)歌詞がいちいち染みてくるんだよ・・・
わたるくんを想って過した日々がゴォーっと頭の中をめぐって、記憶が溢れてしまいそうだった。
とうこちゃんの後ろでは同期のエンディもいて、この並びも最後かとしみじみ・・・
ラストで歌い上げると、このままパレードになるのかと勘違いするほどの大拍手だった。
なんの疑いもなくパレードだと思っちゃったんだよu-tsuは(ーーゞ
拍手しながら「終わりかー・・・」とちょっと気ぃ抜けちゃったもん・・・


第8章 Super Duet

「真情真美」ってキレイな曲ですね。
そのなかで踊る最後のデュエットダンス・・・白い衣装がラストをより印象付ける。
Acrossでも見事に回していたリフト、わたるくんだからできるカタチだなぁと思った。
でも腕にかかる負担を考えると、何もそこまで・・・という気もするけど。

印象的にはあまりデュエットダンス!っていう感じはしなかったかな。
ちょっと絡みがあるっていう程度で・・・シンプルだったよね。
Super Duetかどうかは分らないけど、まぁそれなりのデュエットダンスではあったかな。
でも、こんなこと言っちゃなんだが、内容は期待以下だった・・・


第9章 フィナーレ

音花ゆりちゃんのエトワールで始まるパレード・・・
キレイな声の人ですが、最後がブツギリ状態で終わる歌い方は苦手です。
東京ではもう少しリラックスして、キレイな歌を聴かせてほしいな。

シルクハットに燕尾、しかも全身ゴールドのわたるくん・・・
最後にして、昔ながらの宝塚らしい総スパンゴールドの衣装でしたね。
以前はよく使用されていたデザインですが、最近はあまり使われていなかったような気がする。
少なくともここ数年の星組ではこういうのがなかったから、なんか新鮮さがあった(^^)
衣装に負けていない輝きのわたるくんが印象的だった



全体的な感想として・・・


「ネオ」と銘打ってるので前作と違うものではありますが、ダンディズムとしては今回の方が良かった気がする。
第2章と間奏曲以外は、こういうわたるくんを見てみたかったと思える構成だったので、その点は満足。
ただ間奏曲なんかは、同じものを使うにしてもアレンジはしましょうよ、と思う。
流れとして、プロローグ⇒ガウチョ⇒キャリオカ⇒ポラリス⇒大階段群舞⇒All by myself(デュエットダンス)
⇒パレードっていう内容で繋いでほしかった。あくまでu-tsu個人の希望願望・・・
大階段燕尾群舞ってのはやっぱり観たかったよ、さよならショーではなく本公演でね。
ちょっと風変わりなショー作品が多かったわたるくんだから、今回、岡田先生のオーソドックスな作品で
終わるのは理想といえるんだけど、それがリメイク作品・・・新しい場面構成が大半を占めるとはいえ、
そこに繋げる場面がリサイクルばかりじゃちょっとねぇ・・・
大きな変更はムリだけど、東京では間奏曲のアレンジをしてほしいと切に願う・・・

とはいえ、観るに耐えないってほどの内容ではなく、最後にしては色んなカラーのわたるくんを楽しめる
作品だなと思う。完ペキな作品になんてまず出会えないよね。わたるくん七変化が楽しめる今回は、
だから運がイイのかもしれない(苦笑)お芝居も良かった部類だし、ショーもそれなりに良い。
2本立てで両作品を良いと思える公演なんてあまりないから、ラッキーだと思う。
ただu-tsu的にはAcrossのActUが見応えあって、ああいうイメージでショー作品が仕上がるといいなぁと
思っていたんですけどね。

男の美学−っていう副題はあまり関係ないような感じだったけど、どの場面のわたるくんも
とても印象的だった。男の美学だ男役集大成だと気張ることなく、いつもの自然体のわたるくんだった。
誰よりも男らしく、カッコよく、優しく・・・いつもと変わらないわたるくんがいた。
何よりそれが1番嬉しかったし、よりわたるくんを想う気持ちが深まったと感じる。
限られた時間しか残されていないのに、それでも好きにならずにいられない・・・
観劇から時間が過ぎ記憶を頼りに過しているu-tsuは、フレッドの気持ちに対する共感が大きくなっている。

東京では芝居同様にショーの印象も変わるんだろうか?
舞台に対する思いは強くなるかもしれないけど、わたるくん自身はいつもと変わらずいてくれるだろうか?
東京でいっぱい舞台を観たいと思いつつ、東上してほしくないとも思うこの頃・・・






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