Episode5・・・深くて大きな魅力
2000年8月18日〜9月25日に公演された
「望郷は海を越えて/ミレニアム・チャレンジャー」
わたるくんの新専科入り後、初の大劇場公演でした。
残念ながら大劇場までは行けず、
しかも大劇場のみ出演ということで、
生では観られなかった作品なのですが、
ファンになって半年近くで出来あがった
わたるくんのイメージから、更に深みがある
印象を受けたのはこの作品でした。
わたるくん演じる「秋月蔵人」は、
主人公・海人と幼い頃から兄弟のように共に過ごし、
また片腕として影となり盾となり従ってきました。
でも嵐で漂流し、シベリアでの過酷な生活で
武士として大切な片腕を凍傷で失ってしまう。
刀を握ることができなくなってしまったことで
自我を失い、武士でいられなくなったことで
帰国も断念してしまった蔵人・・・
そんな哀しみと孤独に包まれた蔵人を、
少ない出番ながらも心情をよく表現していて、
蔵人の内に秘めた葛藤にウルウルしてしまいました。
特に賛美歌が流れる中、キリストの十字架に
蔵人が心動かされる場面・・・大好きです(^^)。
片腕を失ったことで何事にも否定的になってしまったり、
事実をきちんと正視できなかった蔵人が賛美歌の中で、
何かを感じて心の重荷がストンと落ちた瞬間・・・と
いうのでしょうか?ただ癒されただけでなく、
蔵人が何かを見つけたような感じがu-tsuはしました。
片腕を失っても、蔵人は蔵人。
それ以上にも以下にもなれない・・・
ということに気付いたのかなぁ、って思うんです。
それなら帰国してもいいじゃない?って思うのも確かだけど、
それは、やっぱり、武士のプライドってやつよね(^^)。
もちろん、他にも蔵人なりの理由はあると思うけど。
この役を観て(ビデオでね^^;)
わたるくんて台詞も特別な演出もないのに、
心情が動く過程をみせるの上手いんだぁ・・・
って思いました。
もちろん、他のバウ作品や公演ビデオなどでも感じては
いたのですが、それ以上に進歩していたというか、
深みが増していたのに感心しました。
早くこんなお芝居を生で観たいと思ったけど、
実際にお目にかかったのはスケベぇな象さんだった・・・
そして「ミレチャ」・・・
実は、石田先生のショーは、あんまり好きじゃないんです。
構成のバランスがなんとも微妙で(苦笑)。
好みの問題なだけなんですけど、いいなぁと思う場面と
これは遠慮します、っていう場面が極端で・・・
しかも、何故かフィナーレは毎回ポンポン・・・なんで(^^?
まぁ、色々な理由から好きではなくて、
最初はミレチャも不安がたくさんありました。
特に<大漁ソーラン>・・・
わたるくん中心の場面ということで、
観るまでの不安たるや、そりゃぁもうドキドキでした(^^;。
カッコイイよ!という感想はいくつも目にしていたので
多少和らぎはしましたが、「観ると聞くでは大違い」
なんてこともありますからねぇ。
ただ、スターの小部屋でちょっとだけ流れた舞台映像、
あれを観た限りでは、今までにない新しい場面・演出に
チャレンジしてるなぁって印象はありました。
でもって、想像以上にカッコ良かった(^^;。
初めて、きちんとこの場面を観た時は大興奮でした。
鉢巻に長法被姿が長身に映えてカッコイイ〜♪
ちょと挑戦的に客席へ歌うわたるくんの表情もステキだし(^^)。
応援団の団長のような硬派っぽい男らしさに、
わたるくんへのトキメキ度は更に上昇〜(*^−^*)♪
見ようによっては暴○族のリーダーにも見えるが・・・
<辰の刻>のダンサー”寅”
大人なイメージが濃くなってきたなぁ、と感じていた
ところへヒップホップの場面に登場。
元気な兄貴って感じでした(^^)。
難しいヒップホップを踊りこなすなんて、
運動能力の良さに改めて感心しちゃいました。
ああいうラフなお衣装が似合うところが
なんとも大好きなんですけど(^^;。
フィナーレの”ガイ”
目つき、顔つき、キザったらしい存在自体が
とってもカッコ良くて、トキメキ度は更に更に急上昇〜♪
激しくセクシーなわたるくんが大好きなu-tsu(^^ゞ。
キメのポーズの一つ一つがステキで、
わたるくんの色香にメロメロでした〜(^^)。
わたるくんの魅力は、ビデオからでもいっぱい伝わるくらい
大きくて深〜いのだと、感じます。
生で観れなかったu-tsuですが、
役の心情やショーでのステキさは
充分、伝わってきました。
もちろん、舞台は生が一番ですが・・・
実際に観ていたら、もっともっと感動があるんだろうなぁ。
あまり好きではない石田先生のショー作品・・・
でもこうして、わたるくんの新たな一面が観れたってことは、
ファンにとっては嬉しい作品なんだけど、
どーも素直に喜べないでいるu-tsu・・・
何故なんだろうか?
余談ですが、パンフの後ろのほうに載っている
たかちゃん、ハナちゃん、わたるくんのスリーショット。
今となっては貴重なショットだなぁとしみじみ思う・・・
Episode6・・・体験したい包容力
2001年3月30日〜5月6日に東宝劇場で上演された
星組公演「ベルサイユのばら」に
3人のアンドレが出演し、その1人がわたるくん。
4/14〜27が出演期間で、u-tsuは10日目の23日に観劇。
幸運にも友会で確保でき、それがまた1F2列目だった
もんだからすっごい嬉しかった(^0^)♪
平成元年に初めて舞台版「ベルばら」を観たのですが、
最初は豪華ですごい舞台だなぁ〜と感心しておりました。
でも観る回数が増えるたびに何故だかウンザリし始め、
もうこの先何十年かは観なくてイイなと思っていました(苦笑)。
それなのに、21世紀になったとたんに登場とわ・・・・
しかも愛するわたるくんが特出だなんてぇ〜〜〜っ?!
喜んでいらっしゃるファンの方も多かったでしょうが、
u-tsuは特に嬉しくはなかったのです・・・
「ベルばら」自体はキライではないんですよ。
昔は漫画本も持っていたし、それを何度も何度も読みましたし。
ただ、<動く「ベルばら」>がどーも好きになれないようで(^^ゞ。
アニメ化もされて見てはいたのですが、なぁ〜んか違うなぁって・・・
初めて漫画本を読んだ時が衝撃的だったからなのかしら?
女性が男装して男の職務に就くっていう発想が、
当時のu-tsuには刺激が強かったのでしょう(苦笑)。
刺激を受けたのが劇画だったから、それが実際に動いて台詞を言って
となると、イメージが崩れるというか・・・
宝塚にはうってつけの題材だけど、なんだかゴテゴテしていて
早くにお腹いっぱいになるんですよねぇ。
ちょっと話がそれましたが・・・・
まぁ、色んな理由からあまり嬉しくないu-tsuだったのですが、
わたるくんがアンドレで特出となれば観ないはずはなく(^^ゞ。
でもあまり期待はせずに劇場へ行きました。
初めて間近でわたるくんが観れるとあって、開演直前まで大緊張。
前年のツアー以来、生のわたるくんを観るのは10ヶ月振りっ。
遠距離恋愛の恋人に久々に会えるドキドキ感というか、
憧れの先輩とすれ違う時のドキドキ感というか、
まぁ、とにかく嬉しいドキドキ感とそれプラス
「ベルばら」かぁ〜・・・という不安感での緊張(苦笑)。
上手から白い軍服に身を包んだアンドレ様がセリ上がって
きた瞬間は、もう夢見心地でございました(*^ー^*)。
白い軍服もスターブーツもと〜ってもお似合いで、
目の前を歩いて行かれるお姿から目を離せませんでした。
オスカルを見つめる眼差しの優しいことったら、もうっ!
冒頭からノルさんが羨ましいやら妬ましいやらで(^^ゞ。
庭先で剣の稽古をする場面の青い衣装が、
また良くお似合いで、短い場面ながらも印象に残っています。
ワイルドさも感じられてカッコ良かったなぁ〜。
「ベルばら」を観て何が一番良かったかって、
わたるくんのアンドレが観れたことですよ(^^)。
蔵人の時とは違った懐の深さをアンドレで観せてくれました。
身分の上下関係が厳しい時代とはいえ、いつも影になり
想いを抑えて見守る・・・愛する人の側にいられるだけで
幸せだと、それが生きる価値だと思っている・・・
そんな懐の深い、でも唯のお人好しではない、
静かな情熱を抱えるアンドレという人間を
魅力たっぷりに演じたわたるくん。
眼差しの優しさといい、憧れてしまう包容力といい、
一度体験してみたい激しさといい(^^;
もうフラフラでした、ハイ。
アンドレで一番好きな場面といえば・・・
プロローグの立ち姿でしょうか(^−^;。
とにかく、文句なくカッコ良かったんですよねぇ。
軍服好きなu-tsuとしては、わたるくんの軍服姿は外せませんっ。
全ツ「うたかた〜」でのジャンの濃紺の軍服&マントが
一番好きですねぇ今のところは。
その次が「恋人たちの肖像」でのタクシス少尉の軍服姿(^^)。
衛兵隊でのシンプルな青い軍服もアンドレらしい雰囲気で好きですねぇ。
ちょっと脱線してますが、他に好きな場面といえば、
ワインに毒を盛っちゃうっていう件でしょうか。
アンドレの苦悩の末の行動と、彼を信頼しているオスカルとの
緊迫とやわらかいムードの混在が、なんとも云えず切なくて・・・
観客としては二人を観ているので、痛いほどの気持ちを感じ、
尚且つ驚きも感じてっていう場面ですよね。
理性を失い感情が爆発したとき、人は普段からは
想像つかないほど大胆になる・・・こともあるのでしょうね。
あの時のアンドレは感情が爆発して、焦って理性を失いかけて
いましたものね。u-tsuも、わたるくんを想いすぎるあまり
理性を失って大胆なことしちゃったらどうしようっ(^^;?
時々ねぇ、わたるくんが舞台に立っている時に
フラフラ〜っと歩み寄っていきそうになるんですよねぇ。
吸い込まれるようにフラフラ〜〜っとねぇ、夢見心地で(苦笑)。
きっとu-tsuだけじゃないはずよ(^^)。
他には銃弾を浴びて死んでしまうところも好きですね。
イイ死にっぷりで上手だなぁと・・・
そしてショーの青バラ。
詳しくは記憶にないのですが(苦笑)、周りに娘役さんが
たくさんいて、珍しい光景だなぁと思ったんですよ。
わたるくんといえば、男役さんに囲まれているっていう
印象があるもので(^^ゞ。
どちらかといえば、命を賭けてまで人を愛するとかっていうのが
好きではなかったu-tsuです・・・
だってそこまで想うのも想われるのも重いでしょ(苦笑)?
でも、わたるくんのアンドレを観た当時を思い出してたら、
<ああ、そこまで愛せる人がいることは、当人にとっては
価値ある幸せなんだなぁ>と、思いました。
アンドレにとってはオスカルが全てなんですものね。
それに、アンドレの表情がすごく素敵だったし♪
アンドレが好きになった公演でした・・・(^^)。
でも、やっぱり「ベルばら」は「ベルばら」だった・・・
わたるくんが出演していても好きにはなれないのねぇ。
アンドレ以外の収穫といえば、フェルゼン様♪
意外(と云ったら失礼ですが)に好印象で素敵でした。
更に深いグリーンの軍服が、これまた素敵っ。
平成元年の「ベルばら」の時からお気に入りの軍服(^ー^)。
<深いグリーンの軍服=フェルゼン>という式が浮かぶu-tsuです。
Episode7・・・極端な2面性
2001.5.11〜6.24に東宝劇場で上演された
雪組公演「猛き黄金の国/パッサージュ」。
専科からはわたるくんの他に萬 あきらさん、絵麻緒ゆうさん。
決してキライではないけれど、特に関わりを持つ
ことがなかった幕末物で、学校で教わったであろう
時代にも関わらず、時代背景に四苦八苦して観た公演(苦笑)。
わたるくん演じる「後藤象二郎」ってダレ?から始まり、
大まかな人物像を予習しました(^^ゞ。
わたるくんの日本物なんて、生で観るの初めて〜♪
ってことで楽しみだし、聞くところによると
象さんは「すけべぇな女好き」ということで、
どんなわたるくんが観れるのか?
って、そりゃぁもう、わくわくドキドキでした(^^)。
初見は5/15で2階3列下手側。
♪ええじゃないか ええじゃないか♪で突然始まり
何がなんだか???なu-tsuでしたが、
よくなーいっ!!という声と同時に現れたわたるくんにビックリ。
日本物=着物・チョンマゲっていうイメージがあったので、
フロックコート風の洋装で登場とは思っていなかった(^^ゞ。
でも長身に裾の長い上着はよくお似合い♪
リボンタイも可愛い(^^)。
あれでカツラではなく、普通の髪型だったら尚ステキなのになぁ〜。
散切り頭じゃないだけマシってことで・・・
足元も、座敷っていう設定だから靴なしで靴下姿なんですよねぇ。
滅多に見れない、わたるくんの靴下姿(^^;。
結構、貴重ですよねぇ・・・
余談ですが、この後の現代の場面を観て初めて
物語りの流れ方を理解したu-tsuです・・・
そして再び登場した象さんはお茶目でした。
貿易についての論文を彌太郎に代筆してもらったのがバレた時の
象さんの表情が、なんとも云えず可笑しい(^^)。
頭を叩かれて痛そうに顔をしかめたり、
ちょっとふてくされたように返事をしたり・・・
決して長い場面ではないのに、コロコロと表情が変って
百面相を観ているようでした〜(^^;。
かと思うと、その後の場面では真面目な表情で
お仕事している象さん・・・
裃姿も初めて拝見しましたが、お似合いでした〜。
遠山の金さんなんかも、結構イケそうかも?
普段は城下町の遊び人で、ここぞという時には腕っぷしも強く、
本業は御奉行さま(^^)。あの名台詞をわたるくんに言って欲しい〜。
『この桜吹雪が目に入らねぇか〜っ!』ってね。
そして素性を隠している時の粋な着流し姿も見てみた〜い♪
「猛き〜」でのわたるくんは、u-tsuの知らない表情を
たくさん見せてくれました。
ファンになった「砂漠の〜」のゼリム、
吟遊詩人、ルキーニ、エスカミリオ、
アルヴァ、ファーディナンド、
ジャン・サルヴァドル、蔵人、アンドレ・・・
u-tsuの知っている役のわたるくんとは違う、
新しいわたるくんの魅力を知った後藤象二郎。
この役はホントに表情豊かで、
人間味に溢れていた役だったと感じます。
陽気で朗らかな役っていうのが少なかったせいか、
この象さんがとっても新鮮で、わたるくんの魅力を
更に開花させた役ということは確かだと思います。
一歩間違えば、ホントに穴のあいた大風呂敷に
なりかねないですもん(苦笑)。
役柄で客席の笑いをとるっていうわたるくんも
u-tsuにとっては象さんが初めてだったので、
余計に印象が強い公演になっています。
しかも、金髪のメイドさんに鼻の下を伸ばして
デレデレしている姿は衝撃的で・・・
オヤジなわたるくんへのショックと、
そんな姿もカワイイじゃないかという喜びとで、
ちょっとばかし複雑な気分でしたねぇ(^^ゞ。
イヤ、でも、喜びの方が大きかったかも・・・
ショーでは登場から黒燕尾姿で素敵に踊るわたるくん♪
もう、ど〜してあんっなにカッコイイのっ?!
ってくらいの男前なダンス!
そして、ナゼか男を引連れる様が似合うわたるくん・・・
違和感なし・・・必然的な光景(^^;。
Gパンにジャケット姿もピカ★イチ〜。
恋人役の愛田芽久ちゃんの羨ましいことったらっ。
当時、かなりジェラシイ〜を感じていたu-tsuです・・・
とんみちゃんとの触れ合わない(合えない、か?)ダンスが
何となく純粋というか切ないというか、
でも素敵な設定で好きな場面です(^^)。
恋人がいるのに他の女性と瞬間的に恋に落ちる・・・
現実にはイヤだけど、わたるくん演じる若者には
不思議と純真というのに近い印象があって、
マイナスなイメージがないので、
1度くらいなら、まぁ許してあげるよって心境です(^^ゞ。
そして、ムチを振りながら登場するわたるくん。
紫色の髪もお似合いでしたわ〜。
なぜにムチを持っているのか不明ですが(苦笑)、
そんなわたるくんも結構ステキねぇ〜と思います・・・
そのムチで何を調教するのかしら?
カルナバルでは再び芽久ちゃんを相手役に踊るわたるくん。
芽久ちゃんを見つめるわたるくんの表情に嫉妬っ。
もう苦しいのなんのって・・・
イヤ、わたるくんと絡む娘役さんみんなに嫉妬だけど。
「硝子の空の記憶」でも踊るわたるくん。
新鮮な場面でしたよねぇ〜。
ほとんどライトが当たらない場面でしたもんね。
u-tsuなんて出だしのわたるくんがドコにいるのか
よく判らなくて、しいちゃん(立樹さん)と間違えちゃって(^^ゞ。
大きいからわたるくんだと思ってたら、更に大きな人物がいたので
あ、こっちがわたるくんか・・・って。
ソロで歌うわけでもなく、ソロで踊るわけでもなく、
ただの一ダンサーっていう感じで。
この場面のわたるくん、大好きです(^^)。
極楽鳥は・・・大きくて迫力でした。
キレイ・・・っていうか、妖艶な感じは良かったなぁと。
脚は長くてキレイで羨ましい、本気で。
でも、極楽っていうよりは・・・
冥界って云うほうが、合ってるような気がするかも・・・
だって、魂、吸い取られそうだよ(苦笑)。
素晴らしい脚線美の後には、とんみちゃんをリフトして
クルクルクルクル〜と回るわたるくん。
ただこのリフトの為だけに、着替えて登場したと思ってしまうほど
踊りが少なかったような気がします・・・
でも流石、わたるくん(^^)。
安定したキレイなリフトでしたわ〜♪
専科入りして初めて大劇と東京と役を通した作品。
(小劇場主演以外で)
手を抜く事はしないわたるくんだけど、
それまで以上に後藤象二郎として充実に
過ごせたのではないかなと、勝手に思います(^^)。
そういえば、大劇公演中には象さんを演じつつ、
「ベルばら」のお稽古していたんですよねぇ。
「スケベぇな女好き、でも温かい気持ちの憎めない人物」と
「一途で、命を賭して愛を貫く、静かな情熱を秘めた男」。
両極端な人物だからこそ、お忙しいスケジュールの中でも
役作りができたのではないかなぁと感じます。
もちろん、ご本人の努力が一番大きいことは
云うまでもありませんが(^^)。
でもアンドレを先に観てしまったu-tsuには、
アンドレなわたるくんと象さんなわたるくんが
同一人物だというのがどうも解せない・・・
それだけ役者ってことなんだけど(^^ゞ
Episode8・・・初の悪役
2001.8.18〜9.24に東京で上演された
月組公演「大海賊/ジャズマニア」。
専科という立場だから可能だった連続しての東京出演。
紫吹さんと映美くららちゃんの月組新コンビ誕生という
記念すべき公演で、しかも、わたるくんにとって初の悪役
を演じることになった作品でもありました。
宝塚作品に珍しく海賊物ってことで、観劇前はすっごい楽しみ
が大きく、悪役ってことにも興味津々状態。
ま、結果から云えばかなり期待外れなお話しで、
ものすごいガッカリしましたけどねぇ・・・(ーーゞ
専科っていうと特出だから、なんとなく大役を演じるっていう
イメージを勝手に持っていたらしく、実際の出番の時間や設定
を見たら「え?!コレだけっ?!」っていう(苦笑)。
ショーにしても作品自体に物足りなさが感じられて、
なんでこんなの再演しちゃったんだろーなぁ?って思ったくらい。
芝居もショーも部分的には良いところがあるんだけど、
全体的にはそんなに良い出来ではないと思ってます・・・
って、お前が言うなよっ?
で、わたるくんの初悪役はエドガー総督
。
貴族でありながら、海賊行為が国への貢献と認められ、
後にジャマイカ総督となった男。
どんな悪役なんだろう〜とドキドキでの出番待ち・・・
黒くツヤツヤな長髪に黒い帽子、黒い上着に黒ブーツ〜(^。^)♪
で登場のわたるくんに、もう正気がどっかに飛んじゃうくらい
クギ付け状態のu-tsuでした。
とってもステキな立ち姿なんだけど、イメージしていたのと
かなり違ってて、多少の戸惑いもありましたねぇ。
プロローグで海賊として登場した時の格好のほうが、
イメージに近くてカッコ良かったなぁと。
ま、貴族ってことだからね。あのような身なりなんだろうけど。
でもね、紫吹さん演じるエミリオを軽〜くねじ伏せるあたりは、
今までの印象とは違ってイヤな奴〜っていう雰囲気が出てて、
新鮮なわたるくんだなぁと感じました。
何事も自分の手を汚さないっていう辺りに悪の香りを感じたし、
自分の妹でさえも道具のように扱うところにも、
身勝手さというか悪人独特のポリシー
みたいなものを感じたり・・・
そこへ表情や心情がプラスされて、更に悪振りが際立って
いたなと。
特にu-tsuが好きだったのは死闘の場面。
エミリオと最初に会ったときは自分のほうが身体も力も能力も
上だったけど、復讐を誓ったエミリオと再び出会った時には
立場が逆転していて、苦戦を強いられてしまう・・・
妹をも手にかけてしまい、それでもなおエミリオに剣を向ける。
『俺がこんなヤツに負けるわけがない』っていうような
気持ちでエミリオと剣を交えるが、一途な想いを胸に闘う
人間に勝つ事はできなかった。
その悔しさや驚きが一瞬だけ表情に現れて、目を見開いたまま
死んでしまったエドガーが印象的でした。
アンドレの時にも思ったんですが、死に様がホントに素晴らしいん
ですよねぇ〜。ってこんなの誉め言葉になるのか疑問だけど(^^)。
大袈裟のような気もするけど気持ちがイイっていうか(苦笑)。
観てて感動しちゃうような死にっぷりがツボです、ハイ。
残念だったのは出番が少なかったこと・・・
仕方ないのは分かっているんですが、やっぱりもうちょっと
エドガーの時間経過が観たかったなぁという気持ちは大きいです。
ほとんど想像で埋めていくような状態なので、キツイ部分もありだし。
わたるくんご本人のご苦労もあるでしょうけど、ファンとしては
役の細かな部分まで気になってしまうのでねぇ(ーーゞ
でもね、舞台では観れない部分を想像させてくれるのが
湖月わたるという役者・・・当時もu-tsuはエドガーを色々と
想像して物語りを自分なりに補っておりました。
って云ってもそんな想像も、時間と共に忘却しておりますが・・・
ショーではタップを披露したり、同期の伊織さんと張合ったりと
部分的には見応えあったけど、なんか印象が薄いっていう事実もあり。
記憶を辿ってパッと思い浮かぶのは、フィナーレの3組デュエット。
初風さんの歌う「シャレード」と、妖艶なムード漂うわたるくんと
西條さんのダンスが、妙に印象的なんですよね。
雪公演では可愛らしい雰囲気の芽久ちゃんとの絡みが新鮮に
感じられましたが、月公演では学年が若いにも関わらず大人っぽい
雰囲気を醸し出す三恵ちゃんとの絡みがエレガントな印象で、
わたるくんが更に男らしく見えました。
マイ・ファニー・ヴァレンタインでも大人なムードが素敵でしたしね。
これだ!っていう名場面もないショー作品でしたが、
このデュエットダンスは救いでしたね、u-tsu的には(苦笑)。
初めて観た悪役のわたるくんと、色んな役に染まるショーのわたるくん。
それまでの域を更に越えて、また一つ、新たな面が増えた公演だなと
感じました。作品ごと確実に一歩一歩、前進しているのが伝わってきて、
ますます惚れてしまいました(^^;。
懐深く、一途な感情を持つ役が多かったわたるくんですが、
エドガーという役を思い出してみると、人間の根底には一途な感情って
いうものがあるんだなぁと思うu-tsuです。
やり方としては道徳に外れているかもしれないけど、
その人にとってはそれが最良のやり方であるだろうしポリシーでもある。
それをどう見せるかっていうのは役者次第で、
わたるくんは人間らしいというか悪役だけどもその人物を
もっと知ってみたいと思わせるような演じ方ができる人だなと・・・
公演中はただただカッコイイ〜(^0^)って騒いで終わって
しまうけど、後から振り返ってみると、そんな風に感じたu-tsuです。
゛悪"という部分を演じるわたるくんを初めて観て、
こっちの方がわたるくんらしいというか・・・
湖月わたるという男の魅力が増すのはダークな面なのかも?
と思うのは自分だけだろうか・・・
・・・to be continue