ロマンチカ宝塚 '04

−ドルチェ・ヴィータ!−

2004.11.29



荻田先生の作品ということで、スケジュール発表の時から
ずっと心待ちにしていたこのショー・・・
先生のショーは不思議な世界観があり、他のショーと違って
ストーリー性が濃いですよね。
お芝居の後なので単純に場を繋いで色んなジャンルの
場面が観れるほうが楽しいし手軽かなとも思いますが、
お芝居とは違って掴みどころないストーリーに翻弄される
出演者を観るっていうのも面白いものですし、また新鮮さもあります。

今回のレポは観劇した4回分をまとめています・・・悪しからずm(_ _)m



小休憩中に両花道にセットが登場。なんか変わったデザインで、何のセットか
u-tsuには不明でした・・・開演2〜3分前になっても緞帳は下りたままで、
なんか久しぶりに懐かしい始まりかただなぁと新鮮でしたね。
最近のショーやお芝居って、開演前に緞帳が上がっててセットがどーんと
用意されていることが多かったじゃないですか?
以前はどの公演でも大体はアナウンス後に音楽と共に緞帳が上がるという
のが通常でしたもんねぇ・・・最近は席を外している間に緞帳上がってたから。
しかも、開演ベルってか、ブザー?なんてのも久々に聞きましたし。
初心に戻ってる感じがして、とってもわくわくしました(^^)

で、幕が上がると舞台にはビッシリと人が・・・もう圧巻!
セットが前方にあるので、緞帳ギリギリに出演者が並んでいるという状態。
思わず「おお〜っ」とビックリでした(^^)
橋のセットの真中に紫の衣装に包まれたわたるくん・・・
真下にはアヤシイ雰囲気を漂わせたダークなとうこちゃん・・・
あ〜こんなショーが観たかったのよぉっ!と思わせる光景で。
でも、わたるくんはすぐに袖に消えちゃって、えぇ〜うそぉ〜?!とぼー然(苦笑)。
デイアボロと一緒に、ゴンドラにはシビさんが・・・初見は全然気づいてなかった(ーーゞ
しかも、2度目は存在に気付いたものの、シビさんということには気付かず・・・
3度目にしてやっと確認できたという(苦笑)。それもこれも、幕開きにあんなに人が
いっぱいいるから気付かないんですよっ。ゴンドラと橋が消えるまでに確認できたのは
わたるくんとディアボロだけですよ・・・あとはもう圧倒されちゃったのもあって、
初心者状態。ホント、初観劇を思い出すくらい、あちこち目が泳いでました(^^ゞ

で、初心者状態のu-tsuの目の前に、いきなり3人の蛍光オレンジのお衣装を着た
アヤシイ人達が現れて、クネクネと動き出したから驚き。
思わずポカンとしちゃって、なんだよー冒頭からワケ分からないじゃん状態に・・・
因みに目の前に登場したのは組長さん、嶺 恵斗さんともう一人・・・誰だ?
よくワカンナイけど、蛍光オレンジの3人が、幕開きで1番印象深い(苦笑)

わたるくんが再び登場するまでは、あっちキョロキョロこっちキョロキョロで
とっても落着かず。ブルーグリーンと赤のお衣装ばかりで誰が誰なんだか(苦笑)。
初見なんて何をどう観ていたのか、不思議なくらい記憶に残っていないんですよ・・・
出演者が一列になったなぁと思ったら下手から黒いお衣装のわたるくんが走ってくる
お姿が見えて・・・あんな風に待ち合わせ場所に現れてほしいなぁなんてね(^^ゞ
ここのお気に入りは上着の袖口。カワイイのよ、袖口デザインが。
とってもキレイなラインで星組らしいお衣装って感じだし、わたるくんによくお似合い(^^)
このプロローグで印象に残っているのは、わたるくんと檀ちゃんのお衣装と
オレンジの3人組ってくらい、不思議な幕開きでしたねぇ。

初見で辛かったのは角度・・・上手前列なんで見える角度が全て斜めで、全体を
把握するのが難しいんです。走り出るわたるくんは真正面に見えて幸せだったけど(^‐^;
とにかくプロローグは人の多さにビックリで、誰がいるのか判別もつかないし、
なかなかお話についていけない・・・って印象が多少ありましたねぇ。
もうね、観たいトコロが見えないっていうのがあって、残念に感じる部分もあり。
普段とは違う発見があって、そういう意味ではイイ場所なんですが・・・
初見以降はそういうこともなく、幕開きからずーっと何の苦もなく観てましたけど。


続く花市場は、妖しい雰囲気から一転、にこやかに爽やかに元気いっぱいの場面。
ここでのケロさんの満面の笑み、癒し系ですよね。セーラー姿も新鮮(^^)
温かみのある笑顔なので、こちらはほっこりと見惚れるてしまいます。
そして、しいちゃんも満面の笑み。でもこちらの笑顔は元気の出る笑顔。
爽やかで、やぁ元気?っていう感じなの。お二人の笑顔って大好きです。

航海士の帽子を被り、赤いシャツと紺の上着を着たわたるくん登場〜。
若々しくて元気な好青年!という印象でした。等身大というか、素に近いわたるくんの
ような感じがします。銀橋で歌い始めた時の表情がなんともいえません。
手拍子に合わせ、笑顔が大きくなるんですよね。嬉しそうな笑顔が大好きです。
ここでは花市場の少女、カノチカちゃんとの絡みが新鮮ですし、
何よりわたるくんの表情がイイなと思いました。檀ちゃんとの絡みで見せる表情とは
違って若返るというか(苦笑)お兄ちゃん!的な感じで、印象的(^^;
元気ハツラツ〜!ってな青年わたるくん、メチャメチャ大好きですっ♪
カノチカちゃんを見て、『可愛い〜
Y 』ってデレデレなお顔・・・
鼻の下、伸びすぎでした(笑)でも象さん以来のわたるくんを観れたな(^^)
にしても、花屋に私服が置いてあるってのと、フラれちゃったあとの腐れ具合には
笑いましたさ。フラれてお花ポイっ・・・あの表情が男の子らしくてu-tsuのツボの一つです。

そして迷子になった少女、華ちゃんを誘惑する妖しい男たち・・・
少女は翻弄されながらも、なんとか逃げる機会をうかがっているところへ正義の味方登場?
銀橋に出てきたわたるくん、ど〜してそんなにカッコイイの?!ってくらいカッコ良くて、
わたるくんに穴が開くんじゃないかってくらい、じぃーー・・・・・っと見ちゃいました。
登場した時点で、わたるくんが助けるんだろうと予想はつくんだけど、
実はあなたが一番アヤシく見えるわ・・・って感じ。なんか、歌詞通り、わたるくんが
『一番ギラつく狼』に見えるんだもん(^^;あの中で一番手が早そうだし・・・
って、おいおい

で、このショー一番のツボといえば、アニキの『男前な回し蹴り』!ありきたりの表現で
申し訳ないですが、カッコイイっっっ!!ナイスガイっ!!Good Fellow!!
←ちと、違う?
とにかく、ホレボレしちゃうんですよ、うん。二人といないねって感じ。
そして♪手当たり〜しだいさ〜♪って部分、大好きです〜。帽子の影に隠れて
表情が微妙なんだけど、初見で下から見上げた時は即死状態でしたよ・・・
狙いを外さず撃ちこまれた〜っていう感じ(^^ゞ しかもこの部分聴いてると
なんか自分にもチャンスありそうで嬉しくなっちゃいません?
って、なんのチャンスが?

で、ドルチェ・ヴィータ登場・・・檀ちゃん、キレイだなぁ。こんな檀ちゃん見てると、
さぞかしわたるくんは内心デレデレ度がマッハ状態なんだろうーと思ってしまう(笑)。
ここまでビジュアルが幻想的な娘役さんって・・・現在いるのかなぁ?
モデルや女優でキレイな人はいっぱいいるけど、その類の綺麗さじゃないんだよね。
現実とも非現実とも違うような印象のドルチェ・ヴィータ・・・その妖艶ぶりに感服です。

ディアボロは後ろでドルチェ・ヴィータを操り、男はドルチェ・ヴィータに操られる・・・
その連鎖的な振りがu-tsuは好きです。楽しそうに男を操っているドルチェ・ヴィータが、
実は操られていて・・・でも彼女はそれに気付いていて、それをも楽しんでいるというか。
自分の欲望を満たせれば、操られていようとも気にしないというか・・・
わたるくん扮する船乗りを得た時のニヤリとした不気味な笑みも、欲望以外は
興味無しという感じで、ディアボロの化身ともいえるのかなと思えたりします。



ディアボロたちが沈んで姿を消すと、酒瓶持ってご機嫌の航海士の組長さん。
観る度にオヤジギャグ連発で、ホントにオヤジなんじゃないかと思ってしまう・・・(苦笑)
この公演、u-tsuは月曜のみ観劇だったのですが、同じ月曜でもギャグ内容が違うって
ことに感服。初見では・・・お酒を飲みながら「今日は月曜日?じゃぁ今日はまだまだ
飲みマンデ〜(^0^)/」思いがけないギャグに思わず声出して笑っちゃいました・・・
2度目の月曜では・・・・「な、な、今日カラオケ行かへん?でもなーオレ、歌謡曲しか
歌えへんねん・・・今日は月曜か?月曜に歌っても火曜(歌謡)曲(^0^)♪」オヤジ全開?
3度目は・・・「オレなぁ、潜水艦に乗ったことあんねん。深海ってものすごい静かやねん。
でもオレお喋りでウルサイやんか?そしたら船長に、深海では静かに゛しんかい"って(^^ゞ」
微妙なオヤジ振りが逆に可笑しい(苦笑)。そしてMy楽の月曜では、鳳 蘭さんや
星奈優里さんが観劇してまして、どうなるやら?と思っていたら・・・・
「オレな、芝居とか観た後には必ず日記つけるねん。でな、鳳 蘭さんの舞台を観た時の
書き出しがあんねん・・・ツレツレ(徒然)なるままに・・・って(^ー^; こんなんでどうでしょ(^^ゞ」
最後の言葉は客席の鳳さんへ向ってペコペコしながら訊ねておりました。
さすが英真さん、ネタの宝庫(笑)毎日観劇できた方、どれだけネタがあるのか教えて下さい
って感じですよ。一体、どうしたら、あんなに出てくるものやら・・・・

そんな航海士の上司、船長の星原さん登場。セリ上がりで、しかも、来た来た〜って
感じのキョーフ感煽る音楽付き。航海士の慌てっぷりと、船長の威圧感のバランスがイイです。
セレブの男女を船に案内すると、上手からセレブな紳士とご夫人が登場〜。
初見では、ちょうど目の前で立ち止ったお二人。あまりの嬉しさにヘラヘラしちゃった・・・
お二人とも帽子を被っているので、普通に立っていても自然と目線が下にくるみたいで、
わたるくんとも自然に・・・・(*^_^*)冷静さを失うというか、違う世界を感じた一瞬でした・・・

で、帽子やコートを航海士くんたちに預けたお二人は甲板で優雅に踊るはずが・・・・
大揺れの船で右へ左へと大混乱。途中、ちょっとヘンなセーラー(ディアボロ)が乱入して
紳士わたるくんと大衝突。痛がる間もなく立直るわたるくんが楽しいですね(^^)
そこへ可愛い少女が現れ、お互いに一目ボレした紳士と少女。少女に近づこうとする
紳士の腕を掴んでコワイ目で睨むご夫人・・・・カカア天下なのか逆らえない紳士は
引っ張られるまま、半泣きしながら連れて行かれちゃいました。
この紳士、客席に助けを求めるんですけど、どーすることもできず(笑)。
トホホな顔でこっちを見るわたるくん、お持ち帰りしたいくらいカワイかったですぅ。

シックな衣装に着替えたわたるくんたち、素敵な歌声で場を盛上げるシビさん・・・
あぁ宝塚らしいなぁと。風変わりなショー作品なのに、こうやってオーソドックスな場を
さり気なく入ってると、なんか嬉しいかも。たまたま構成上の偶然かもしれないけど・・・
卒業を発表したケロさんとみきちゃんが踊り、同期が歌で色を添える・・・
粋な、と感じる演出もあって、なかなか素敵な場面でした(^^)


大団円のあと、一等航海士が突然の嵐に不気味な影を感じて銀橋で歌う・・・
青の洞窟はこの作品で一番大好きな場面です。こういう世界観が好きなんで、
自然と惹き込まれていくのかもしれないんだけど、お話としてもっともっと
観ていたいなぁと思える場面でした。変わったポーズで座っているわたるくん・・・
お衣装替えも大変なのでしょう、腹筋が結構上下して呼吸を整えているのが分かります。
目を閉じて涼しい表情の下では、汗だく状態なんだろうなぁと(苦笑)

この場面、海神と人間の少女の束の間の心の交流が描かれてる中に、
ディアボロのなかの微かな幸福だった時の記憶が見え隠れしているように思えて、
切なく感じたり喜びを感じたりと、色んな感情が観ている側にわいてくるなぁと。
゛失われた 遠い記憶・・・だれかの やさしさ・・・"そう歌い自分の掌を見つめる
デイアボロに、同情のような気持ちを感じたりしたu-tsuです。
見つめた掌っていうのが不思議な飾りのついた左手で、あれは飾りではなくて悪魔に
魂を売ったときの烙印みたいなものじゃないかなと・・・そんな風に考えたりね。
海神と少女を見ていたディアボロは、ふと、かつての自分を思い出して感傷的に
なったのかも。もとは人間だった青年は何かのきっかけから悪魔に魂を売り渡し、
その後、後悔しながらもディアボロであることをやめられず・・・きっかけが傷となって
心に残り、ときおり痛むことがあったりもする。その痛みはディアボロにとって、
人間であったという記憶の証として唯一、忘れたくないものだったとしたら・・・

なんてことを想像しながらデイアボロの歌を聴くと、短い場面の世界観が広がる
感じがしますu-tsuは。この場面の想像が広がると、ショーを通してのディアボロの行動が
正当化されていくような印象を受けて、また違う楽しみかたで観れたり・・・
海神もどうして少女に惹かれたかって云えば、かつて愛した人に似ていたから・・・って
いうイメージが大きいですね。その女性は死んでしまって、その死に関係しているのが
ディアボロ・・・じゃないかなぁと。海神にとってディアボロは仇・・・なんだけど、
どこか完全な敵ってワケではないというか。なんか不思議な繋がりがあるような感じが。

ま、そんなワケで、とっても深い世界が広がっている場面設定で、すごくお気に入り。
海神が少女を地上に返して洞窟に戻る、あの立ち姿・・・イイです(^0^)大好き!
でもあれが後姿で、そのシルエットが浮かび上がるように暗転だったらもっと素敵かなと、
個人的好みでいえばですが・・・幻想的な雰囲気がもっと出るだろうしねぇ。

・・・あぁ、ホントに、イイ場面だったなぁ・・・

再びリアルト橋が登場して、少女は無事保護される。
ディアボロは新たな獲物を求めて再びさ迷い・・・何も知らずにディアボロと出会う青年。
悪夢は再び繰り返される・・・・って感じのエピローグは、銀橋でのとうこちゃんとケロさんの
別れかたが印象的でした。なんかこれで見納めっていうのもあって、なんかウルってきちゃう。


そんなことを思っていると、大階段にはカッコ良く板付きのわたるくん・・・
黒いお衣装がお似合いで、もう、ただただカッコイイ〜♪と見惚れるしかないu-tsuでした。
娘役のお衣装もパンツスタイルのスパニッシュ系ってことで、これまた新鮮。
キリリとした娘役さんもイイものですねぇ(^^)1度、華ちゃんの被っている帽子のヒモが
取れてしまい、身体を反ったりした時に脱げるのを押さえていましたが、袖の近くに移動した
時に帽子を放り込み、途中から帽子無しで踊っていました。帽子を被っての場面なので、
髪型が簡単にまとめてあっただけでちょっと違和感が・・・お顔が小っちゃいうえにお団子頭で
何の飾りも付け毛もなく、しかも周りはみんな被り物だから華ちゃんがすごく
小さく見えて・・・ハプニングに備えてキレイにしておくのも大事よねぇと、思っちゃいました(苦笑)。

余談ですが・・・娘役が抜けて、男ばかりになって音楽が切り替わると更にカッコイイ場面
なのですがあの音楽・・・前奏だけ聴いてると♪最後の〜ダンスは〜♪って歌いそうで・・・
u-tsuだけなんでしょーか?どうしてもトート閣下が歌い出しそうな感じがするのよね(ーーゞ

そして、踊りの後の歌・・・ここ観てたら、゛あぁ組を背負ってるんだなぁ"と改めて実感。
総踊りの後に一人残って・・・という構成を観ると、なんかそんなことを思います。
声量もあって聴き応えある場面でした。


そしてフィナーレのパレード・・・終っちゃうのかぁ〜とガッカリになる瞬間ですねぇ。
出演者のみなさんはお疲れでしょうけど、観ているこちらとしてはまだまだ観たい!って
思ってしまうので・・・初見では目の前に麻園さんがいて、その笑顔に癒されました。
額にはうっすらと汗が光っていて、そこに笑顔が加わるとなんとも爽やか君で、
卒業が残念でなりませんでした・・・そういえば、ドルチェ・ヴィータを誘うように囁いている
シーンがありましたねぇ。最初は音が入っていなかったのに、中日過ぎてからはその
囁きが聞こえるようなってて・・・『どうしたい?』っていう囁きを聞いたときはゾクっとする
色気を感じて、内心u-tsuは゛キャ〜っ♪"て思ってしまいました(^^ゞ



ケロさん、みっこちゃん、カノチカちゃん・・・貴重な人材が卒業でサミシイ気持ちもあるけど、
とっても素敵な作品で、想像以上に良いものを見せてもらって嬉しいです。
こういう不思議な世界観を体現してくれた星のみんなと作者である荻田先生に大感謝っ!
オーソドックスなショーが好きなu-tsuですが、こういう世界を描くショーも大好きです。
すごく濃いのに嫌気がない・・・好き嫌いは所詮好みの問題だけど、u-tsuにとっては
最高に観応えあるロマンチカでした(^0^)v 



以上っ。




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