維新回天・竜馬伝!


−硬派・坂本竜馬V−




2007.1.18 東京宝塚劇場






およそ1年半ぶりの宙組公演であり、新トップコンビお披露目であり、
その退団公演でもある今公演・・・観劇してまいりました。
新年最初の観劇ってことで、和物ってのはイイよねぇと思ったが・・・
うーん、なんか面白さが伝わってこない内容だった(苦笑)
バウ上演の作品を大劇場用にアレンジするってことは、結構な場面や
台詞のカットがあるってことだよね・・・?前2作を見てないから
どこがどう変更になったのかはさっぱり検討つかないんだけど、
なんかえらい場面転換が多いのと、相変わらずのお遊び演出で
竜馬の何がすごいのか、何を成し遂げた人なのかとか
伝わってくるものがほとんどなかった・・・
まぁ、石田センセだもんね、仕方ないのか。

幕開きが竜馬の死から数年後の命日で、酒に溺れたお竜や墓参りに
やってきた西郷さんや勝 海舟なんかが出ていて、ようは回想シーン
から竜馬の人生を描いていくという、よくあるパターン・・・
でもね、ラストは竜馬とお竜が2人寄り沿って日本の未来へ思いを
馳せるっていうやつなんだよ・・・それなのに、それなのに、なぜ
竜馬亡き後の酒に溺れるお竜を冒頭にもってくるんだ?
あんなに仲睦まじく寄り沿っていたのに、数年後のお竜はやけっぱちに
なっているんだよぉ(T-T)チャキチャキっ子なお竜が・・・
回想から始まるお話はいくつもあるけど、今回のは受入れ難い(苦笑)

でも竜馬の登場シーンは好きかな。
船の帆に竜馬のシルエット・・・そして登場の竜馬。
かしちゃんよく似合ってたよ。なぜか1輪のバラを持ってたけど・・・
やっぱり生粋の雪っ子だけあって、和物姿や所作は安定してる。
u-tsu、かしちゃんの竜馬は2度目なんだよね。
雪の「猛き黄金の国」で本役竜馬のぶんちゃん休演のとき、
代役がかしちゃんだった。あの時、とっても爽やかで希望に満ちた
竜馬の姿が自然で、意外に感じたのを覚えてる。
白馬の王子とか貴公子とか、そんなイメージのほうが強かったから
良い裏切りかたをしてくれたなぁと思ったし、代役の竜馬のほうが
どちらかといえば好きだったんだよね(^^ゞ
バウの「ささら笹舟」や「春麗の淡き光に」とか、かしちゃんの
和物姿って品があってキレイで爽やかで大好きだな。

今回の竜馬も爽やかで希望に満ちているのがよく伝わってくるんだけど、
イマイチ力強さに欠ける部分があって、その辺は物足りなかったかな。
でも表情はコロコロ変わって可愛いし楽しいし、かしちゃんの新たな
面を見たわ〜って感じ。イメージ的に苦悩してるのが多い気がしてて・・・

ところでね、今回観劇して思った最大の疑問なんだけど・・・
なぜ出演者の芝居が余所余所しいのか?ってこと。
なんかねぇ、上手く噛み合ってないっていうか、頼りないっていうか・・・
大劇で1ヶ月以上やって、東京も初日開いて2週間経ったというのに、
なぜこんなにもタドタドしいのか・・・観てるこっちはヘンな緊張感が
わいてきたよ(苦笑)もちろんメインキャストや専科、組長クラスの
上級生は大丈夫なんだけど、それ以下の生徒さんたちは観てて
不安になっちゃうよ・・・お芝居したことないのか?って感じだった。
宙組は望郷〜以来、本公演で和物がなかったから、馴染みが
浅い人が多いのかもしれないけど、あんなに幼稚さを感じた舞台は
初めてだよ、宝塚でも(苦笑)やっぱ和物だからなのかなぁ?
江戸の花街で、桂小五郎の宴席に竜馬が訪ねる場面で
芸者衆が踊るんだけど、とても芸者には見えないんだよねぇ。
姐さんって粋なトコロが全然無いし、艶やかさも欠けすぎ・・・

かしちゃんとるいちゃんの絡みも、ちょっとアヤシかったな。
組んで短いからなのか作品のせいなのか、ちょっと距離感が・・・
芝居が大袈裟な作りになっているせいもあるのかな?
なんか未だ稽古中って感じの雰囲気に思えて(苦笑)

印象的だったのは最後の将軍・慶喜の蘭とむくん。
全体的にコミカルに進むなか、自分の置かれた立場に苦悩する
あたり、説得力ある芝居だったと思う。
将軍らしい羽織袴で銀橋を歩く後姿が、妙に将軍らしいとういか、
まるきり男だった・・・髷も似合ってたし、意外に和物がイケる人だね。

西郷のすっしーも、太い眉毛と角刈り頭でしっかり役作りだった。
顔の輪郭も四角ばってたように見えたんだけど、口に何か入れたり
とかしてたのかな?ってそれじゃ台詞言い難いか・・・・

あとね、竜馬が暗殺された瞬間、花嫁姿のお竜が天に帰っていく
竜を見るんだけど、その演出は好きだった。
そして直後に下手セリから浮かび上がる竜馬・・・
眼を閉じて静かに登場した竜馬がキレイで麗しかったね(^^)

懐かしいなと思ったのは、『穴の開いた大風呂敷』って言葉。
猛き〜では象二郎さんの代名詞だったけど、今回は勝海舟が
竜馬に向かって言ってた・・・似たもの同士の象ちゃんと竜ちゃん?
そして武市半平太とグラバーさん、これも猛きを思い出せるね。
特にグラバーさんはちー坊の印象が強くて、今回のグラバーさんは
ちょっぴり物足りない感じがしちゃった(苦笑)
でもって、グラバー邸で鼻の下を伸ばしていたのは象ちゃんではなく
今回は竜馬・・・異国の美女に囲まれて、かしちゃん喜びすぎ(笑)


楽しい部分もあったけど、全体的に分りにくくて余所余所しく
感じる舞台だったのは確か・・・「1914愛」以来だね、ラストシーンを
待ち遠しく感じた作品なんて(苦笑)何度か時計に眼がいっちゃったし。
でもこれも、あと何度か見たら面白さが分ってくるんだろうか?
1914は今でこそ愛着あるけど、公演中は苦痛だったもんね(苦笑)
だけどもう、同じ舞台に何度も通う気がないからなぁ・・・
この作品はつまらないという記憶でインプットされちゃうのか?







ザ・クラシック


-I LOVE CHOPIN-




和物から180度変わり華やかなショー・・・
グラフとか見てたら軍服姿がいくつか載っていたので、
久々に軍服盛り沢山のショーなんだ〜楽しみだな〜って。
でも実際はプロローグと大階段の群舞だけだった・・・(苦笑)
軍服への期待が大きかっただけに拍子抜けだけど、
カッコイイ軍服姿が見れて良かったとは思う。

プロローグは宮廷調の上着にGパン、ブーツという姿で歌い踊る
男役の登場からだった。蘭とむくん筆頭に5人の場面。
うち2人は客席から登場だったんだけど、それが妙にデッカイ子。
星組もデッカイ子は結構いるんだけど、骨太っていうかガッチリした
長身ではなかった気が・・・宙のこの子たちはガッチリ長身だから
更にデッカく見えるんだよね(苦笑)もうね、ただただ驚き(笑)

その後、セットが動くと舞台奥に赤いマントのかしちゃんが・・・
マントを取るとカッコイイ軍服姿っ♪貴公子軍人って感じな
トコロが何とも大好きだな〜雰囲気が柔らかいから少女漫画的な
カッコよさなんだけど、シャープな部分もあってセクシーだった。
憂いを含んだ眼差しが最高に美味しゅうございました(^^;
ここは大勢の男役も登場し、軍服の群舞となって迫力あって
素敵なシーンだった。振付がみつえ先生のわりに、意外と
良かったんだよ(苦笑)衣装が軍服っていう相乗効果か?

赤い軍服を着たタニちゃん、男らしくて良かったなぁ。
タニちゃんて衣装栄えするルックスだとは思ってたんだけど、
真っ赤な軍服まで着こなせちゃうとは・・・
蘭とむくんもよく似合ってカッコよかったよ〜
とっても精悍な印象がしたし、見せ方も上手いなぁって感じた。
でもって、かしちゃん、たにちゃん、蘭とむくんの並びが良いんだ。
身長もバランスがいいし、ファンタジー系な雰囲気が漂って、
こういう組があるのもいいよなぁ〜って思った。

続くオーパスっていう場面はたにちゃん中心・・・
青年がポピーの精たちと戯れているところへ
ポピーの妖女が現れて一騒動って内容なんだけど・・・
なんだかパッとしないし面白くなかった(苦笑)
振付が羽山先生なんだけど、ただのドタバタした作り方で
まとまりがなく、盛り上がりもないから見てて苦痛だった・・・
妖女なんて絢爛に出てくるオバタラみたいだったし、
場面の雰囲気なんか「花占い」みたいだったし・・・
なんか、観てるほうが照れるほどのお粗末さ(ーー;

疲れがどっと出てきたところで、下手セリから白い霧に包まれた
騎士が浮かび上がる・・・役名はカシウスで扮するはかしちゃん。
ここのカシウスは亡霊なんだけど、憂いがあって眼の保養〜(^^)
カシウスの親友で敵役が蘭とむくん。衣装が全員中世の
ロミジュリあたりの時代の衣装で、シェイクスピアっぽい場面。
この場面は好みに合ってお気に入りだった(^^)

この後、冬の庭園というちょっとコミカルな場面になるんだけど、
まずは、たにちゃんとるいちゃんの恋人同士が登場。
口げんかしながら夜会へ向かう歌が楽しかった。
会場ではマッシュルームヘアにまん丸メガネの執事が酒瓶
片手に準備を整えている・・・なんと、この執事がかしちゃん・・・
上着は大きいしズボンは下がってるしで、ものすごいダメ執事
って感じなんだけど、その衣装をバッとはがすと燕尾の紳士に
早替り〜。でもちょっとズボンの裾が上手く取れずに、
かしちゃん足をバタバタさせてて可愛かった(笑)

この場面は以前星組で上演したショーの1場面だった
シャンパン戦争の要素がちょっと入ってる感じかな。
ラストがまとまりに欠けていたけど、楽しかった。

そしてラインダンスに続くんだけど、これがまた珍しい演出。
バレエのチュチュ姿でロケットするんだよ〜
長い間宝塚観てきて、チュチュのロケットなんて記憶にない。
新鮮といえば新鮮なんだけど、ヘンといえばヘンだった(苦笑)

ショーのサブタイトル『アイラブ・ショパン』とついているので
様々なショパンの曲が各場面で使われているんだけど、
別れの曲という場面ではかしちゃんがショパンに扮し
ジョルジュ・サンドとの恋を表現・・・そして運命に扮した
蘭とむくんに死の世界へ誘われていく・・・
幻想的で宝塚らしくてキレイな場面だった。
たにちゃんのジョルジュ・サンドもキレイで良かった〜。

天上に帰ったショパンと音楽の精が歌い踊る場面になると
とっても懐かしい衣装が眼に飛び込んできました・・・
記憶違いでなければ、音楽の精たちが着ている衣装は
かれこれ10数年前、星組で上演されたショーで使われていた
はず・・・確か「ジーザス・ディアマンテ」だったような・・・
またえらい昔の衣装を引っ張り出したなぁと驚いた(苦笑)

続くはエピローグにフィナーレ・・・
たにちゃんが歌い、るいちゃんが歌う・・・大階段には軍服の群舞。
その中心にはゴールドベージュの軍服に身を包んだかしちゃんが。
軍服のプロローグも珍しかったけど、大階段の軍服群舞も珍しいし
新鮮だし、何より迫力いっぱい(^^)しかもカッコイイ〜♪
変わってたのは軍服の後ろが燕尾のようになっていて、
左右の長さが違うデザインで、なかなか素敵だった。

そして、かしちゃんが軍服を脱ぐと宝塚らしいデュエットダンスの
衣装に早替り・・・るいちゃんも加わって、最初で最後のデュエットダンス。
哀愁帯びたショパンの曲でしっとりと、爽やかに踊る二人は
なかなか良い雰囲気で、これで終わるのが勿体無いと思った。



正直、お芝居では距離を感じ、他に相手役は探せなかったのかと
思ったけど、ショーでは打って変わってよく似合うコンビだと感じた。
ただ、期間が短いせいなのか、親密さが足りない気はする。
かしちゃんは包容力のある男役だと思っていたんだけど、
今回はあまりそれが感じられなかったのが残念で・・・
ベストコンビとまではいかないで終わってしまうという感じだね。
だからこそ、このコンビであと2〜3作は観たいと思うし、
これが最後というのが残念で仕方ない・・・
2人にとってベストな役柄で終わることができたらよかったのにね。

観劇中はガッカリな感情が大きかったんだけど、
今、舞台を振り返りながら思い出していると、それでも
観に行けて良かったと思えるから、良い舞台だったってことなのかな?
宙組発足から10年・・・3代目としての任期は短かったけど、
u-tsuはかしちゃんの醸し出す品のある男臭さが好きだったよ(^^)
大きな笑顔も、憂いある微笑も、素敵なかしちゃんだった・・・










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