欧州を舞台に、魂のシャンソン歌手アリステェテッド・ブリュアンと、
謎の伯爵婦人アデルの愛の行方を中心に、ベル・エポックを
謳歌した芸術家たちの青春群像を描く―1914/愛 ―

公演を観劇前に、ちょっとだけ作品の時代背景や
登場人物を探ってしまおう〜(^0^)
ということで、また公演について雑談します・・・



1914年 ― 第一次世界大戦勃発。
欧州では戦場の拡大に、愛と芸術に生きる人々は
その場所を失いかけていた・・・

モンマルトルの酒場「ラパン・アジル」と
芸術家村「ラ・リュシュ」が彼らに残された
自分を表現する場だった。

「ラパン・アジル」を所有するのは店の人気シャンソン歌手
アリステェッド・ブリュアン。彼はまた、デンマークの
ホルベルグ伯爵家の跡取という顔も持っていた。
一方、芸術家村「ラ・リュシュ」に集う貧しい芸術家たちに
経済的援助をする謎の伯爵夫人アデル。
彼女もまた、本来はオペラ歌手志望の貧乏学生という
身分にすぎない女性であった。

ある日、ホルベルグ伯爵が危篤の事態となり、
アリステェッドは急遽、花嫁を迎えることを迫られる。
だがそれには条件があった ―
≪「愛の歌」を美しく歌える女性でなければならない≫

思いがけない運命によって出会ったアリステェッドとアデル。
二人の愛を中心に、ベル・エポックを謳歌したアポリネール、
モディリアーニ、シャガール、ユトリロなど
芸術家たちが繰り広げる青春群像劇。
揺れ動く時代の波瀾に満ちた愛の世界 ―



― 其の壱 ―

↑こんな感じのお話らしいんですが・・・
よく判らない内容ですよねぇ(ーー;。
なんか、やたらと芸術家が出てくるんですが、
これは出てこないといけないお話なのでしょうか?
世間様が見知った名前を出しておけば親近感わくだろう、
なんて考えからじゃないでしょうねぇ、センセイっ?!
・・・なんて気がしないでもないu-tsuなんですが。

― アリステェッド・ブリュアン = 湖月わたる ―
名前だけでもポピュラーな芸術家はまだイイですが、
わたるくん演じるアリステェッド・ブリュアンなんて
「誰、これ?」な世界じゃないですか?
どんな人なのかなぁ?って思ってもなかなか詳細がみつからない。
ホントに実在してた有名人なのか?!って疑いたくなる・・・
どんな人物なのか、かろうじて知ることができるのは
トゥールーズ=ロートレックが残したアリステェッドの肖像画。
結構ドッシリとした感じの男性だなぁという印象で、
オジさんに近いかな(苦笑)。
宝塚の作品なのであまり年齢には拘っていないというか、
実年齢に近い感じに設定されるのでしょうけど・・・

― アデル = 檀 れい ―
アリステェッドが伯爵の御曹司っていうのは宝塚ならではの
設定だと感じますが、アデルが苦学生というのも架空ですよね。
本来はカンカンの踊り子だったそうで、「ラパン・アジル」も
元はアデルがオープンしたらしい・・・
この時の「ラパン〜」に通っていた芸術家はゴッホやルノワール
などで、他には詩人もいたそうです。
アデルはオープンから20年ほど後に、店を売る決心をし、
その店を買い取ったのがアリステェッド・ブリュアン・・・
更にアリステェッドはフレデ親爺という男に経営をまかせて
いたそうです。


― フレデ親爺 = 汝鳥 伶 ―
このフレデ親爺という男は、ロバや山羊、犬、鳥
などに囲まれているのが好きで、また画家であり陶芸家であり、
時には詩人にもなり、ギターが上手く・・・
多才というか、ちょっと変わり者という感じの人物だったとか。


どこまで事実かどうかは不明です・・・(ーー;ゞ
なんせ、主演2役に関しては詳細が少なすぎっ。
詳細がないほうが役作りはある意味ラクかもしれないけど。
もちろん、観る側にとってもね・・・
余計な情報に振り回されず、冷静に観れますから。
それ?ってのも、比べると面白そうだしねぇ。
っていうか、何でも知りたがりってだけかもu-tsuは(^^ゞ。


あんまりにもアリステェッドの詳細が判らないので、
彼を描いたトゥールーズ=ロートレックに関するものを
ちょっと読んでみたんですが、なんだか、彼の半生の方が
波瀾で面白そうな印象でした。面白いってのは失礼か・・・
もちろん映画にもなってるくらいなので、映画や舞台に成り得る
要素があるんですよねぇ。
でも、映画の評判は賛否両論・・・賞を取ってるわりには
出来がイマイチという感想も多いみたいで・・・

宝塚で上演するにはちょっとキビシイ内容かもしれません。
身体的ハンデを背負っている主人公なので・・・
でも彼をモデルに架空の芸術家に設定することは可能ですから、
変えられる部分は変えてもいいかなぁ?
でもそれじゃやっぱり意味がないかも・・・難しい(ーーゞ
貴族に生まれたにも関わらず、身体的ハンデによって跡取には
なれず画家の道へ進んだトゥールーズ=ロートレック。
36歳(1864−1901)の若さでこの世を去った彼の人生は、
時代からみても波瀾に満ちていたのではないかと思われます。
できれば、こういう役を是非、わたるくんに演じてもらいたいっ!
と常日頃から思うのですが、組の主演という立場になってからは
まだ叶わぬ夢です・・・・(T。T)
道を閉ざされても小さな光をみつけ、それを大きな輝きに変える
ことができるほどの生命力溢れるような人物を、
わたるくんに演じて欲しいんですよねぇ。
王家のラダメスは、ある意味、そんな役だったかもしれませんが、
ああいう恵まれた環境ではなく、何も無いところから這い上がる
っていうくらいの人生を生きる人物・・・
いや、わたるくんをイジメるのが好きってワケじゃないんですけど、
地の底からでも生きる力を出せる強い人物っていうのは
逞しいじゃないですか?でもって、わたるくんなら、そういう
逞しさだけではなくて、人間味ある親近感がわく人物に
演じてくれるだろうって思うので・・・
きっとトゥールーズ=ロートレックも演じられるだろうと。
シャンソン歌手も楽しみではあるんですが、どういう人物なんだ
ろうと疑問がいっぱいでねぇ。そういう時って不安のほうが
大きくなって、どうしてもマイナスな思考が先走っちゃうというか。


なんか、本題から離れてしまいましたが、
アリステェッド・ブリュアンについては未知です。
どういう人物なのか、知ってる方はお知らせください(ーーゞ
次回は特出の貴城けいさん、大和悠河さんの役について
ちょっとだけ触れてみようと思います。
いずれもアリステェッドより面白そうな役なんだよねぇ・・・


アリステェッド・ブリュアンを見てみたい方・・・
こちらをどうぞ。



― 其の弐 ―

さて、雪組から特出の貴城けいさんと、宙組の大和悠河さん。
わたるくんは専科時代にお二方と共演済みですよね。
時間は経っていますがお芝居の間など、
気心知れた部分はあると思うので、楽しみですね(^^)。

― ギョーム・アポリネール=貴城けい ―
フランスを代表する詩人であり美術評論家でもありました。
アポリネールも波瀾な人生を歩んだ人物ですね。
というか、この時代の人達は少なからず現代人以上の
苦労を背負い込んでいる方が多いように感じます。
1880年、ローマで私生児として生まれたアポリネール。
モナコやニースなど転々と移動しながら生活をしパリに
たどりついた彼は、貧しく色んな苦労をしつつもピカソや
彼を取巻く人々との努力が実り、一流の詩人として名声を得ます。
そして評論家としても活躍したそうです。
アポリネールは38年という短い生涯でしたが、その人生の後半に
絵画界のプリンセスともいわれたマリー・ローランサンと恋に落ちます。
でも5年ほどで恋愛に決別・・・お互いに違う伴侶を得ましたが、
二人は深い友情で結ばれていたそうです。
1914年に第一次世界大戦が勃発すると同時に、フランス陸軍に志願、
フランス国籍を手に入れる。ローランサンと別れた後、ある女性
と恋に落ちるが、大戦勃発の翌年に別れを告げられ、
アポリネールは前線に行くことを志願しました。
1916年3月、戦場の最前線にいたアポリネールのこめかみに、
炸裂した砲弾の破片が鉄兜を貫通して突き刺さり負傷しました。
1918年、アポリネールは病のため亡くなりました。
スペイン風邪が原因といわれているそうですが、
戦場で受けた頭部への負傷が彼の寿命を縮めた大きな原因とも・・・

アポリネール最良の詩作は愛する女性ローランサンとの
交流の中から生まれている、と云われるくらい二人の関係は
とても良い状態だったはずなのに・・・ローランサンは彼のもと
を去ってしまうという。すごく彼女を愛していたアポリネールは
詩の中でその悲しみを詩っていて、それはとても有名な詩と
なっているそうです。u-tsuは読んでいませんが(ーーゞ・・・
想像すると、とっても繊細な男性なんだなぁっていう気がします。
でも芸術革命というか運動などに参加する彼は激しい気性の
持ち主でもあるなぁという思いもあって、対極な心を持ち合わせ
いるのかなぁと。詩集とか読まないし、革命とかにほとんど
興味ないu-tsuにはそれくらいしか、今のとこは考えられません。


― アメデオ・モディリアーニ = 大和悠河 ―

1884年、イタリア北部リボルノという場所で生まれる。
幼少の頃から体が弱かったモディリアーニは絵を描いていました。
16歳の頃には結核となり、学業を放棄・・・
2年後にはフィレンチェ、ヴェネチアで絵を学びます。
1906年、22歳のモディリアーニはパリへ行きます。
肖像画家を目指していた彼ですが、ミケランジェロの彫刻が
きっかけで彫刻家を目指し、1909〜14年頃にはアフリカ民族に伝わる
彫刻の研究や制作に没頭します。
その間、南アフリカの女性と暮らし始めますが、飲酒や麻薬という
乱れた生活のため、二人の関係は破綻。
体の衰弱や材料費不足も重なり、モディリアーニは彫刻を断念。
絵画の世界へ戻ります。
それから2年後、モディリアーニ33歳の時に画学生のジャンヌと
知り合い結婚。彼女の肖像画は数多く制作されているそうです。
この年に初めて個展を開いたモディリアーニですが、
発表した裸婦像が警察に受け入れられず、初日で打ち切りに
なってしまったとか・・・当時には刺激が強すぎたのか?
翌年になると持病であった結核が悪化し、1920年、普段からの
不摂生と病気の悪化により36歳の若さで生涯を終えます。
その2日後、モディリアーニの子を身ごもっていたジャンヌは
アパートから身を投じて彼の後を追います。
彼女はまだ21歳でした・・・

公演は1914年が舞台なのでジャンヌは出てこないと思いますが、
すごい悲恋というか、哀しい結末な生活だなぁと・・・
モディリアーニは彼女の肖像画を多く描いていて、その絵を
見ていると、お互い想いあっているというのが伝わってくるような
温かい印象なんですよね。もともとモディリアーニの画風が
そういう印象を与えるのかもしれませんが、柔らかくてゆったり
した肖像画が多いです。モデルの人間性が出ているのか、
モディリアーニの人間性が出ているのか、その辺はちょっと
絵画に詳しくないので分かりませんが、見ていて落ち着くという
感じの絵だなぁとu-tsuは思いました。

余談ですが、モディリアーニの半生が映画化されております。
『モンパルナスの灯』という題名で1958年の作品です。
モディリアーニを演じたのはジェラール・フィリップですが、
撮影後36歳でこの世を去っているそうです・・・
こんな偶然ってあるのでしょうか?コワイ〜?!
でもモディリアーニは35歳で死去っていう見方も
あるそうなので、やっぱりただの偶然か(ーーゞ


モディリアーニの絵を見てみたい方・・・
こちらをどうぞ。


いや、それにしても、ホント難しい世界ですねぇ・・・芸術の世界って。
特に昔の「○○派」とか「××ズム」とか、
革命や運動の趣旨が理解できない(苦笑)。
現在でも絵画の本や番組で印象派がどうとかシュールレア何とか
っていうのがありますが、もうさっぱり ヽ('-`)/お手上げ・・・
あまり舞台ではそんな革命場面はないと思いますが、
知ってるとより背景や人物相関が見えてくる部分はあるかも。




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