長崎しぐれ坂
−江戸無宿より−


2005年は1度きりの大劇公演と東京公演であり、
また、轟さんを迎えることで新鮮な舞台になりそうな
『長崎しぐれ坂/ソウル・オブ・シバ』・・・
今回も作品について、ちょっとだけつぶやいちゃいましょう(^^)




My初日を終え、江戸人情の世界は面白いと実感中(^^)
宝塚の和物とは印象がいつもと違う舞台に感じて、あぁ、こんな和物も
たまには良いもんだなぁって、観劇後に思いましたねぇ。
すごく地味で暗い話なんだけど、人間らしい部分がよく描かれて
いるんじゃないかなって。伊佐次、卯之助はもちろん、らしゃなんかも
よく表現できてると思うもん。毎度のことながら書込みが浅い部分も
例外なくあるのは確かではありますが・・・ま、しょうがないのか(苦笑)。

全体を通して観て、気になるのはやっぱ卯之さんたちの生い立ちだなぁ。
幼馴染ってのは問題無しだけど、卯之さんの足の不自由さ、おしまの
お家事情、伊佐次の犯罪行動というのは気になります。
特に卯之さんの足の不自由さ・・・何故この設定でないといけないのか?
ハンデを負った男が初恋を諦め、健気にも身体を張って親友を助けようと
奔走するも叶わず・・・って、ただ観客の涙を誘うだけの人情劇と感じて
しまうような設定で良いのかな?と、ふと思ったんですけど、どうなの?
思い出してみれば、卯之助の行動ってちょっと重いような気もするのよね。
弱いから伊佐次が庇い、助け、それに対して恩や感謝を大きく感じて、
何十年もそれに縛られている・・・見方を変えればそんな風に思えますが。
卯之さんだけが幼い日を振り返っているというか、そこから抜け出せずに
いるというか。自分の人生を歩むにしても、その根本は伊佐次への恩返しって
感じで、卯之さん自身の人生を棒に振っているという気がするのですが。
自分でこうしたいと思ってやっていることだから、それが卯之さんの選んだ
人生ってことなんでしょうけど・・・つくづくお人好しな人なのかも。

で、卯之さんの印象なんだけど、↑のお人好しプラス我慢強い・・・かな。
しかも未だに幼い頃の伊佐次に恩を感じているあたり義理堅いよねぇ。
もちろん大事に思っているからなんだけど。うん、イイヤツだ(^^)
ル・サンク読んだ時はズルイ男だって思ったけど、それは卯之さんのやり方が
残酷だったからなんでしょうね。おしまに伊佐次を諦めさせるにしても、
伊佐次を唐人屋敷から出さないよう仕向けるにしても、自ら憎まれ役をかって
出ているという感じがしますし。敵を欺くにはまず味方からっていうか、
周囲を油断させておいて、自分の力が及ぶ範囲で事を運んでいるという感じが。
そんな孤軍奮闘している卯之さんに、ちょっとばかし頭が下がるu-tsu・・・
でも卯之さん自身は別にそれを苦に感じていないんだよね、絶対。
しかも後悔していないし。卯之さんにとってはそれがごく自然のことっていう。
ホント、イイ奴なんだよね。イイ奴なんだが、ちょっと重たい(苦笑)・・・

伊佐次はさ、なんであんなに大罪を働くようになっちゃったんでしょうねぇ?
幼い頃の卯之さんを庇ったりしてるあたりは正義感強くて兄貴分的な存在の
ようなのに。それぞれ色んな境遇があるから道を反れてしまうこともあるだろう
けど、あまりの変わりように余計ナゾとして不思議に感じてしまうんですが。
u-tsuが舞台を思い返しての想像では、身売りされたおしまを取り戻すための
手段が大名屋敷からの金銭泥棒ではないかなと。人を殺めたというのも
最初は成り行きからで、そういった行為に手を染めると、次から次へと
やることが大胆になってくる。やがて凶状持ちとして名も顔も知れ渡り・・・
って感じじゃないのかな。その道に踏み込んだ第一歩はおしまを助けること、
これが大きな理由じゃないかと思う。もちろん、おしま本人も他の誰も
理由は知らないと思う。きっと卯之さんも、知らないんじゃないかと。
個人的には、何となくでイイから察してて欲しいけどねぇ。

でも、u-tsuの想像でナゾなのは、盗んだ金の行方・・・えらい金額盗んだ
のに、おしまは和泉屋に身請けされちゃったんだよね。伊佐さんってば
一体何にお金使っちゃったんでしょ?それとも泥棒したのはおしまの為じゃ
なかったってことなんだろーか?まさか卯之さんの足を治す為?じゃないよね。
家族のため?自分のため?うーん、理由がさっぱり見当つかないよねぇ・・・
でもさ、何となくだけど、伊佐次は自分のために犯罪働くようには思えない。
唐人屋敷での扱いを見てればかなり慕われているというのが伺えるから、
そんな人物が自分の為だけに人を殺めたりするんだろうかと思うしなぁ。
らしゃたち子分の面倒見もイイし・・・そう思うと益々ワカランですよねぇ。

他に伊佐さんで疑問なのは、幼馴染で恋仲だったおしまを『あの女』呼ばわり
する台詞。あれは何故なんでしょうねぇ。それまでは『おしま』『おしまちゃん』
だったのに、おしまの出立を知った後の『あの女に逢いに行くんじゃねぇ・・・』
は、ちょっと気に入らないu-tsuです(苦笑)。あの言い草聞いてると、伊佐次は
おしまに対して何の気持ちもないみたいに感じるのよね。『おしまを追うわけじゃ
ねぇ』って方がまだ許せる。おしまを追う以上に俺は江戸に帰りたいだけなんだ、
ってことが分るようにしてくれればイイのにねぇ。『あの女』ってのはイヤだわ。

おしまは・・・掴みどころないキャラじゃないですかね、意外と。
幼い頃は、一応良家というか、お嬢だっただろうと想像しているんですが。
それがどのように身を落としていったのかって、それはもう破産しかないんじゃ?
でもさ、今ふと思ったんだけど、身売りって大体は遊郭じゃないのかな?
でもおしまは芸者って設定ですよね・・・このあたり、どんな仕組みになって
いるんでしょうかねぇ?おしまの置かれている立場がイマイチ分りにくい感じ。
おしまの口ぶりだとちょっと卑下しているように聞き取れたりするんですが・・・

で、おしま自身ですが、u-tsuには彼女の気持ちを推測することができないです。
というか感情移入ができない(ーー; あまりに卯之さんと伊佐さんの絆が
深くて、おしまの入る余地なんかないって感じなのよね。おしまが現れたことに
よって、伊佐次が命を落としたようにさえ思える(苦笑)。初めてル・サンクを
読んだ時は卯之助が仕組んだように思えたんだけど、舞台観てたら元凶がおしまに
思えてしまった・・・別に役者のせいではなくて、演出のせいなんだけどね。
出番が少ない上に台詞でも演出でも、おしまの感情を表現できるほど余裕がない
というか。絶対におしまがいないと進まない話なんだ、ってワケでもなさそうだし。
『堪忍して・・・』ってとこだけで、色んな背景を想像できるくらい一度に表現
しないといけない気がして、それを頑張っている檀ちゃんに感心です。
一応、3人は幼馴染って設定なんだもん、ちゃんと幼馴染という共通点が納得できる
演出してくれないと・・・どう見ても幼馴染は伊佐と卯之だけに思えて仕方ない。
なので初見後のおしまについてはコメントのしようがない(苦笑)・・・

ま、そんな考えも、2度目観劇したらまた変わってくるとは思うけど(^^ゞ

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中日も過ぎ、千秋楽に向かってまっしぐら〜!というところでしょうか?
u-tsuはル・サンクを読んで、ようやく内容が判明した次第です(^^;

1回目を読み終わっての印象は、卯之助って身勝手なヤツかも・・・です。
脚本だけ読んでいると、卯之助の行動が全ての原因になっているという
印象を強く受けてしまい、一種、悪役的な要素があるようにも感じて。
偶然、浜で出会った幼馴染のおしまを唐人屋敷へ連れて来た・・・
おしまはちょっとした興味と懐かしい想い人の伊佐次に会うために
卯之助に案内を頼んだはいいが、卯之助はその再会をわざと仕込んだ
ように思えるんですよね。子供の頃から二人が相思相愛だったのを知って
いた卯之助だから、この偶然は使えるかもしれない・・・なんて。
三人の再会をきっかけに伊佐次とおしまは二人きりで会うようになり、
昔の想いも再燃して二人で江戸へ行こうなんて話しにでもなれば、
伊佐次が唐人の囲いをでるのも時間の問題。そしていざ囲いを出た
ところを自分が捕縛する・・・とはいえ、それだと伊佐次を捕縛する
理由が不明になってしまう(苦笑)。他の役人を遠ざけるために、
わざわざ長崎まで追ってきたのに、捕縛しちゃったら刑罰は免れないし
罪の重さから死は避けられない。命を助けたいんだから、ホンネとしては
捕縛したくないし自分以外の人間にも捕縛させたくないでしょうし。
なので、卯之助ってワケ分らんという感じでしたねぇ(苦笑)。

でも2度目に読んだ印象は、卯之助って難しい役どころだな、でした。
卯之助にとって伊佐次は憧れであり、兄であり、友であり、心の支えで
ありという、かけがえのない人間で、凶状持ちでありながらもその命を
助けたいという思いだけで江戸から長崎まで追ってきた・・・
不器用な卯之助が心底の感情を隠し、周囲を上手く騙して伊佐次を
護るというのは並大抵のことではないだろうと思う。自分から語るまで
伊佐次でさえ本音を知らないワケだから、卯之助の方も命がけといえる。
"ウド"と呼ばれるのも大柄なだけでなく、そのような行動もわざわざして
いるのだろうし、どこか正気じゃないというか、レッテルを貼られるよう
な行動をして周囲の眼を本来の卯之助から逸らしているのではないかと。
ただ、唐人の水牛や玉蘭なんかは卯之助が伊佐次の身を案じていることに
気づいていますが。でもね、伊佐次が死んでしまった一番の原因は、
やっぱり卯之助なんじゃないかという印象は拭えないかも・・・
だって、おしまの出立を教えなければ、すぐには囲いを出て行かずに
すんだはずだし。子分のさそりが囲い抜けしたとはいえ、伊佐次が
外に出なくても何らかの手段は打てたはずだから、伊佐次が外に出る理由は
おしまだけなんですよね。だから、この事に関して卯之助はミスをしたと
いえるのではないかなと。卯之助の心からの心配を告げても囲い抜けする
決意の伊佐次ですから、もう少し慎重に事を運ぶべきだったように思うん
です。長い間、時間をかけあせらずゆっくりと見守ってきた卯之助が、
なぜ大事なところでミスってしまったのか・・・これは卯之さんにとっても
誤算な展開だったはずなんですよね、たぶん。

和泉屋の旦那に伊佐次とおしまのことを知らせる事に関しては、
あまり好感持てることではないけど、伊佐次を諦めろってのは卯之助から
言うよりも旦那に知られた方が説得しやすいような気もするので、
ここはきっと卯之さんも心を鬼にしてって感じで思い切ったのではないかと。
旦那が事情を知った上で卯之助から説伏せられたおしまは、あまりに突然の
ことで感情が高ぶって冷静になれず、卯之助の真意を理解する間もなく
けんか腰になってしまう・・・それが"恋の逆恨み"発言となり、卯之助は
二人を護る為に堺行きか地獄行きかと選択を迫る・・・ここの卯之さんは
悪役に徹するというか、半端にやさしい言葉をかけないことを決心して、
おしまに卯之の本心を誤解させたまま伊佐次との決別をさせようとした・・・
ように脚本読んでて感じましたが、ホントのところはどうなんでしょねぇ?

伊佐次の捕り物場面からラストにかけて、脚本だけだと意外とシンプルな
印象を受けましたが、実際はどうなんでしょ?やっぱりお縄や梯子なんてのが
登場して、御用だ御用だー!なんて感じになったりするのかな(笑)?
港で会った伊佐次と卯之助・・・もうお互いにしっかりと覚悟ができている
ような気がしました。すんなりと観念したのも相手が卯之助だったからだろうし、
これ以上逃げたとしても何を得るでもないという気持ちの疲れがあったの
だろうし・・・ただもう一度だけ江戸に行きたいという思いは強かったはずで。
でもそれが叶わないことは分っていたから卯之助に自分の命運を預けたのでは
ないかなと。卯之助も、いずれ捕まる運命ならば自分の手で、と強く思っていて、
その決意を揺るがすことなく伊佐次を捕らえる・・・本当はこのまま伊佐次を
逃がしたいという気持ちもあったはずですよね。それでも、伊佐次のやってきた
事は人間として許せるはずもなくて、卯之助自身もたくさん悩んで、その結果が
伊佐次を捕らえ引導を渡すこと・・・だったのではないかと。
台詞を読んでて、伊佐次と卯之助の気持ちが色んな方向から聞こえてくるというか、
一つの言葉にたくさんの感情がこもっているように感じて、なんだかじ〜んと
きちゃいました(^^; 二人の思いがすごい勢いで眼から入ってくる感じがして、
とってもこのラストが楽しみだなぁと。卯之助に抱かれるカタチで死んでゆく
伊佐次・・・二人の乗った小舟が静かに流れてのラストはエピローグもなく幕が
降りるようですが、シンプルで変にその後がない演出で良いんじゃないかなと。
いつもの公演なら、卯之助とおしまのモノローグとセリ上がってくる伊佐次で
幕って感じだけど、今回のはこのまま男同士のラストで良いような気がしますんで。

でも、おしまの出番が少ないのはちょっと残念かも。幼馴染の男女三人の愛憎劇
って割にはそんな愛憎は感じない。大体、再会が12歳と8歳の時以来って台詞が
オカシイ。あくまでも三人の再会が20年振りってことなんでしょうけど、
この台詞はややこしくないですか?台詞だけを聞いている観客としては、
初恋の相手と、12歳と8歳時以来の再会で急に気持ちが再燃するのはちょっと
共感できないなわ、なんて思ってしまいます(苦笑)。もちろん、脚本読んで
よく考えれば、伊佐次とおしまが20年前から恋仲だったことくらいは
想像できますが・・・観劇中にはとっさにそこまで想像できないかと。
恋仲の二人を引き裂くように、おしまの家が没落したとか、伊佐次が犯罪を
して追われる身となったとか、どうして恋仲の二人が離れ離れになってしまった
のかという経緯が一場面でもあれば、まだ分りやすかったのではと思うけど。
おしまと伊佐次、おしまと卯之助の場面も少ないから、伊佐次が死んでしまっても
愛憎や悲劇ってほど重苦しい感じにはなっていないように思うし・・・
云っちゃなんだけど、伊佐次が死んだのは自業自得って気もするしね(ーー;
卯之助の言葉で囲いを出たのも一因だけど、凶状持ちになんかならなければ
そんな最期にならなかったワケですし・・・おしまとも、幸せな結末が待っていた
かもしれないですしねぇ。そのおしまですが、ずいぶんあっけない終わりですよねぇ。
なんか、伊佐次の最期を早めるために登場したように思えてしまう(苦笑)
結局、彼女は辛い決断をして傷心し、卯之助を誤解したまま堺へ出立・・・
堺に戻ったおしまは、ずーっと旦那のもとで生きたのでしょうか?
u-tsu的には独り立ちして、江戸で伊佐次を想い続けて生きててほしいなぁと願望。
卯之助は傷心のおしまを時折見舞っては懐かしい昔話をする幼馴染のまま、
そっとおしまを見守っている・・・というところかなぁ?
うーん、でも会わずにおしまに気づかれないように見守っているほうが
卯之さんらしいような気もするしなぁ。どんな生き方するにしても、
二人とも江戸に戻ってくるんだろうなとは思うんですよねぇ。
江戸が三人にとっての原点ですから・・・

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初日から1週間が過ぎました・・・・
観劇された方、予想や想像はどこまでイメージできていたでしょうか?

u-tsuはプルミエールでやっとこ卯之助さんに会えました。
第一印象は文四郎さまだぁ〜っでしたよ(^^)
写真でしか見たことないですけど、新公よりも成長した文四郎さまって感じ。
でも着物の裾をたくし上げている格好を見ると、ああ、岡っ引きだなって。
檀ちゃんは芸者の格好ではないせいか、ごく普通の女性という印象で、そんなに
すさんでいるようには見えなかった(笑)。なので、役としてどんななのかが
未だにワカラナイ・・・轟さんは前回の雪での役柄と180度変わり、ヤクザな
道を生きてきたという風情が貫禄あるなぁって思いましたねぇ。
三者三様、全く違う人生と感情を持っているであろうに、根っこの部分では
分かりあえているという、そんな人情芝居が観れると嬉しいなぁと思える
顔ぶれだと感じます。実際にそういう流れになっているかは不明ですが・・・
関係ないけど、伊佐次とらしゃの髪型が石川五右衛門に見えます(^^)

とても短い舞台映像でしたが、観終わった後に「川霧の橋」という作品を
思い出しました。確か90年に月組の剣 幸さんとこだま 愛さんで上演され、
江戸下町を舞台にした山本周五郎の「柳橋物語」「ひとでなし」をミックス
した柴田先生演出の舞台なんですけど。なんとなく雰囲気が似ているかなぁと。
ちょっとドロっとした流れと設定が和物独特さを感じるからかもしれませんが。
川霧では華やかな場面が冒頭の和太鼓くらいしかなく、以降ずっと薄暗いセットや
照明ばかり。しかも内容もパッとしないから地味で暗いなぁという印象が強いん
だけど、それでも作品としては出来ている方だと思えるんです。
それはやっぱり登場人物の生き方や持ち味がしっかりとしていたからではないかと。
配役に対する疑問は若干ありますが、それぞれ役としての仕事をこなしていたように
思えますし・・・とはいえ、初めてこの作品をBSで見た10数年前の印象は、暗くて
つまんないでした(笑)先日、久々に見てなかなかイイお話だったんじゃんと
思えるようになったんですよ(^^ゞ こういう和物の世界がイイなぁと感じるって
ことは、u-tsuも大人になったんだぁということでしょうかねぇ?

「長崎〜」では凶状持ちやら唐人屋敷、芸者に身をやつした女に足の悪い下っ引き・・・
題材も設定も川霧以上に暗いジメッとした内容のようですが、芝居としては長崎の方が
面白そうだなという印象を受けました。そう感じるのは大好きな人がいるからという
思いが大きいからですが(^^)でもそれ以外に、ここ2年程は純粋な精神の持ち主が
続いていたことで、キレイな部分しか観ることができなかった不満というか物足りなさ
を感じてもいたので、翳があるというかアウトロー的な人物っていうのは個人的には
とても観たかった。そういう意味で今回の作品は楽しみにしているかな。
とはいえ卯之助はアウトロー的なキャラとはちょっと違うかもしれないけど・・・

宝塚で主演をする以上、いわゆる悪人が主役になるということはないんですよね。
専科時代、悪役的なキャラでもその人生観を深く掘り下げて演じているわたるくんが
ものすごく印象深いので、久々にそういうわたるくんが観れるのかなと期待が膨らみます。
結局は人物をどう舞台で生きるかで良し悪しが決まってきますし・・・
それで不満に感じるというのは役との相性が悪いってことなんだろうし(苦笑)
現に、未だラダメスの生き方には疑問も不満もあるu-tsuですから(ーーゞ
嫌いじゃない、むしろ大好きな公演だけど、それでも引っかかる部分があるのは事実。
思い入れが強ければ強いほど、小さな欠点が不快に感じたりもするワケで・・・
完璧なものなんて無いと感じていても、それを求めてしまうのは仕方ないことで。
良いも悪いも、自分の眼で確かめるしかないのですよねぇ〜。

命を助けたくて唐人屋敷を見張っていたという卯之助・・・これはラスト近くの場面かな?
映像でこういう感情が高まる役を演じるわたるくんを見て、「長い春〜」のクロードさんを
思い出してしまいました。特に視力が低下してしまった病室での場面のクロードさん・・・
いつもは弱音というか感情を押し込めているような人が、思わず気持ちを吐露してしまう・・・
そうせずにはいられないギリギリの感情というか。本当は言いたかったのに言えなかった
本音というか。黙って隠していた感情が爆発しちゃったときの切なさというのかな、
映像からはそんな風な印象を受けて、その前後のやりとりがものすごく気になって気になって
伊佐次の反応はど〜なんだぁ〜っ?!て(苦笑)。気分はモヤモヤですよ。
男同士の友情・・・早く拝見したいもんですぅ〜(−。−)


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さて、座談会を読みました・・・読んだけど、うーん、なんだかなぁ状態(ーーゞ
ただでさえ日本物のお芝居っていうと、印象からして小難しいやら暗いやらという
感じなのに、座談会を読んでみたらドロドロした暗〜い印象が強まったというか。
冒頭と後半には江戸と長崎の祭り場面が入るということなので、唯一そこだけが
華やかなトコロらしく・・・"宝塚らしいレビューとして構成"したらしいですねぇ。
今まで観た日本物の中でも派手な祭り場面は何度かありましたが、大体がお話の
筋に導入されていたので流れとしてはあまり違和感感じず観れたことが多かった
ように記憶しています。が、今回のレビューとしてってことはお話の筋に導入と
いうよりは、場面の切替え的な役割が大きいのかな?座談会を読んだ限りでは
ずいぶんと豪華そうで楽しみになりそうな印象なんですけど、『1914/愛』の
カンカンのような"今のは何だったのか?"な場面にはしてほしくはないですねぇ。
あの場面は時間稼ぎの苦し紛れとしか思えなかったので・・・
イヤしかし、礼音くんの踊りは素晴らしかったんだけどね(^^)

江戸で育ったということで、台詞も江戸弁みたいですね。
卯之助もべらんめぇ調なのかな?わたるくん、違和感なさそうかも(笑)。
色んな方言も飛び交うようで、客席で聞いているだけの自分に台詞の内容が
分かるのか、ちと心配を感じますが・・・唐人屋敷が舞台で中国人もいますし、
演じる皆さんには滑舌よくお願いしたいですわ。
主役お三方の関係は幼馴染の三角関係・・・それぞれ状況は違えど、いわゆる
転落人生を送ることになりますが、その過程とはどういうものなんでしょうか?
それについては全く座談会で触れていなかったんですよねぇ・・・
伊佐次は凶状持ちという、現在でいえば極悪犯のお尋ね者ですよね。
江戸の大名ばかりを荒らしまわったのにはどんな理由があったのか?
意味もなくそんな犯罪を犯すような人物はあまりいないので、そういう行動を
取らざるを得ない理由が伊佐次にはあったはずで・・・
それがどういうことなのかは観劇しないと分からないんだけど(^^ゞ

卯之助は真面目で誠実でお人好し、という勝手なイメージがu-tsuにはあります。
江戸でごく普通の生活をし、仕事に就き、裕福ではないがそれなりの暮らしを
して・・・ある日を境に江戸で大名ばかりを狙う事件が相次ぎ、その犯人が親友で
あり幼馴染の伊佐次と知って説得するが事件が終わることはなく・・・
役人にも面が割れ追われる身になった伊佐治は江戸から姿を消し、幼馴染の卯之助
の元には奉行所の探りが入る。伊佐治の事件については一切知らないという卯之助
の言葉で一度は引き下がった奉行所だが、密かに見張りをつけていた・・・
なんて感じで想像してみたんですけど、十数年の間に生活が激変していたという
設定なので、少なくともその間は会っていないということになるからねぇ。
卯之助の元に奉行所の探りが入ることはないかな・・・でもどこからか、大名殺し
の犯人が伊佐次だってことを知って、自分で何とかしたいとか考えた結果が下っ引き
として伊佐次を負うことなんだろうけど・・・ナゼ、下っ引きなのか?
ただの幼馴染が心配してっていうのではダメなのか?幼馴染とはいえ、どーして
卯之助が自分の人生より優先して伊佐次を追うのか?
奉行所でさえ手を出せない唐人屋敷に匿われていて簡単には出入りできない場所を
ずっと見張っている卯之助・・・自分は何のために生きているのか疑問を抱いたり
しないのか?物語の詳細が分からないし初日も開いていないから何ともいえないけど、
すでに疑問が次々と・・・って感じ(苦笑)そういえば卯之助って足が悪いって設定
でもあるそーですねぇ。これは生活が激変した原因なんでしょうねぇ。でもなんでか?
何が理由で足が悪いのか?足が悪くなったことで下っ引きに降格してしまったとか?
それとも、伊佐次に関係して足が悪くなったとか・・・それがきっかけで幼馴染を
追うことになったのかも?うーん、考えれば考えるほどワカラナイ(ーー;
卯之助が伊佐次を追うのは意地になってなのか、自分の為なのか、彼の為なのか
何の為なのか・・・おしま、の為ってことは、あるんだろーか?ないかな・・・

おしまについては、金を得るために売られたってところでしょうか。
でもって後に和泉屋庄兵衛に囲われるようになった、だね。
お嬢さんという皆から羨まれる立場から一転、売り買いされる立場になって、
さぞかし苦しい辛い日々を余儀なくされてきたおしま・・・
そんな風に生活が激変したら、きっと心は荒んでしまうだろうと思うけど
彼女もそうなってしまったんでしょうか?それとも現実を受け止めて、それでも
悔いないように生きようとか考えた女性なんでしょうか?
個人的には、苦しい日々を強いられてもいじらしい女性でいてほしいなぁと
思いますが(^^ゞそういう女性だからこそ伊佐次も卯之助も想いを寄せる
のだと思うし・・・実際にはそんな生き方するの難しいかもしれないけど。
宝塚的にも根が可愛い女性であってほしいなぁってのは大事だし、うん。


お話の内容がワカラナイ現在ではありますが、初日も1週間後・・・
どんな結末であろうとも、大人の江戸人情劇が観れるのは轟さん、わたるくん、
檀ちゃんという大人な三人が揃うからだと思うので、懐かしくも新鮮な
共演を楽しみにしたいと思います。ってu-tsuにとっては先の話ですが(ーーゞ


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とはいえ、お話の詳しい内容は未ださっぱり〜な状態で・・・
原作があるにもかかわらず、その原作は読むこと叶わず(ーー;
どうも舞台用に書かれた作品らしく、販売はされていないらしい。
その舞台も、普通の芝居なのか歌舞伎なのかすらu-tsuには判明しない。
でも、作者である榎本滋民氏について知ると、なんとなく安心して
初日を楽しみに待つことができるような気がする(苦笑)。

榎本滋民氏とは・・・劇作家・演出家として著名な方だそうです。
残念ながら、すでにお亡くなりになっておりますが・・・
u-tsuは榎本氏の作品についてはほとんど知らないのですが、
数多くの作品をてがけて受賞作品も多いようです。
また榎本氏は江戸文芸に造詣が深く、関連の著書も多数あるとか。
更には落語の世界についても詳しく、やはり関連の著書が多いらしい。
なもんで何か読んでみようと図書館で探したが、見つからず。
作品の雰囲気さえ未だ掴めない状態です・・・
この榎本氏は肩書きが多いんです。「TBS落語特選会解説者」、
「NHK東京落語会企画委員」「芸術祭・芸術選奨委員」
「江戸東京歴史財団評議員」などを歴任・・・とありました。
脚本家養成の指導にもあたっていたそうですから、その世界の
人たちからの信頼なんかは大きかったのではないかなぁと察する
ことができますよねぇ。そんなすごい人の作品を演じるということで、
お話の内容についてはそんなに心配はないかもしれませんよ(苦笑)。
ただ、原作をまるきりそのまんま上演ということではない、というのが
気がかり・・・脚色って、大体どの程度手を入れるのか?
入れる度合いによっちゃ、とんでもないことになりますが(ーー;
それだけが不安といえば不安ですねぇ。大丈夫なんでしょうか植田サンっ。

お話の内容については大きな不安はないと言えそうな感じですが、
役柄についてはどうなんでしょうか?
"卯之助″さん・・・下っ引きですよ?十手、持っていないんですよ?
ほとんど無給の下っ端ですよ?・・・この設定はイイんですか?
原作が下っ引きとなっているなら仕方ないけど・・・
わたるくんの下っ引きかぁ。あんまし想像できないかも(^^ヾ
で、この卯之助さん、本業は何をしている人なんでしょうねぇ?
流石に下っ引きだけじゃ生活苦しいでしょうから(苦笑)
意外と繁盛する商いなんかを表向きはしていて、下っ引きは裏の顔だったり?
もし本業が下っ引きで伊佐次だけを追いかけているっていう設定だとしたら、
あまりにもお話が暗くなりそうでイヤだなぁ・・・
最近の星って重いお話が多いような気がするので、できればTV感覚の時代劇
みたいのがイイかなぁなんて思ったりしているのですが・・・
かといって、あんまりにもお粗末な展開ってのは困るしなぁ。
オリジナルでも土台ある作品でも、気になる点はやっぱりあるもんですねぇ。
今のとこ、お芝居で楽しみなのはカッコイイ着流し姿(^^)
武士や役人とは違う設定ですからねぇ。となれば着流ししかないでしょ。
すんごくカッコイイわたるくんが観れたら、それが一番です♪

役柄以上に気になったのは役名・・・らしゃ、ぼら、さそり、らっこ、あんぺ
って、一体、何を生業としている人たちなんでしょうか(苦笑)?
配役見てものすんごく疑問を感じた上に、目が点(・_・)状態でしたが。
なんだか、お話の中身より気になるかも・・・


さて、2本立ての時はやっぱりショーの方が楽しみが大きいu-tsu・・・
今回も「ソウル・オブ・シバ」の方が期待大ですねぇ。
"天地創造の神がシバを地上に遣わし、ひたすら踊り続ける青年にシバの
魂が吹き込まれる"と解説にありましたが、なんか赤い靴の少女の映画を
思い出させるような始まりですよねぇ。冒頭から激しいダンスシーンでも
あるのかな?やっぱり、踊り続ける青年ってのは、わたるくんですよねぇ。
じゃシバは轟さんか?シバって舞踊の神であると同時に破壊の神としても
有名ですよね。ショーのどこかで、そんな場面も登場するのかな?
前回の「ロマンチカ〜」は妖しく独特な世界が確立されている作品でしたが、
シバの方は豊富なダンスシーンが中心で、そこにストーリーが絡んでくる
っていう感じかなと、u-tsuは想像していますが・・・どうなるのかな?
わたるくんは、あくまで青年という役柄で通すのかな?
シバの魂が吹き込まれて、シバの使いという感じになるのか?
う〜ん。お芝居同様、想像してると知りたいことが出てくる出てくる(苦笑)

まだ先だけど、次回公演は1本立てですからねぇ。
踊りまくるわたるくんが観れるのは年内、この作品だけですよ。
貴重な2本公演ですから、両作品とも『これで良かった(^0^)』と
思える公演になればいいなぁと思うu-tsuです・・・





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