= catch me if you can =
2003年公開映画の中で、『パイレーツ〜』と同じくらい見たかった作品。
大好きなトム・ハンクスとそこそこ好きなディカプリオ共演の
『catch me if you can』・・・残念ながらまだDVDは未購入ですが、
近所のレンタルショップでなんと、100円レンタルしてました(^0^)v
あんまりじっと見る時間はここ最近なさそうなんですが、
100円で1週間なら、万が一見れなくても缶ジュース飲んだと思えば
イイかと借りてしまいました(ーーゞ
実在した詐欺師を描いたお話しで、追われる身の人間が中心だから
暗い感じの内容なのかと思いきや、なんのなんの、意外に明るいと
いうか前向きというか、ユーモアある進行でぐんぐんと映画の世界に
引き込まれてしまいました。
では、どんな内容なのかちょっとご紹介・・・
1964年から1967年にかけて航空パイロットになりすまして
200万マイル(320万キロ)の空をタダ乗りし、
ジョージア州の大病院の小児科主任医師を務め、
ルイジアナ州では検事補佐官になりすまし、
逮捕時にはアメリカ史上最も若く、大胆な詐欺師といわれた。
アメリカ全50州と世界26カ国で400万ドルの偽造小切手を換金した
フランク・W・アビグネイルJr.は、まだ21歳だった・・・
1963年。NY州ブロンクスヴィル。
地元名士の集まりで、スピーチをし、喝采を浴びる父を、
16歳のフランク・アバグネイルJr.は誇らしく見守っていた。
自宅では妻との恋物語りを毎日のように息子に聞かせるのが好き
だった父フランク。だが幸せな家庭はあっという間に崩壊した。
父フランクが事業に失敗・・・銀行からは融資を受けられず、
家を売り車を売り小さなアパートでの生活を始めるが、
その頃から母ポーラの様子が変わった。
地元名士が所属するロータリークラブの会長と浮気をしていたのだ。
ある日、学校から帰ったフランクに両親の離婚が告げられる。
父と母、どちらと一緒に暮らすか・・・大切に思う両親のどちらを
選ぶか究極の選択を迫られたフランクは、決められず、そのまま
家を飛び出しマンハッタン行きの列車に乗った。
アパートに越してすぐ、父からもらった小切手も限度額まで使いきり、
近いうちに泊まっている宿も追い出される・・・
思案を巡らし小切手に手を加えるフランクだが、どこの銀行へ
持っていっても怪しまれて断られてしまう。
そんな時、町で人々の視線を集めて歩くパイロットをみかける。
これだ!
フランクは学校新聞に載せるためと称して、ベテランパイロットから
航空会社の仕組みを聞き出すと、制服を手に入れる。
制服姿で町を歩くフランクを、道ゆく人が振りかえる。
銀行やホテルで偽造小切手を出しても怪しまれる様子はなかった。
また、パイロットの特権であるデッド・ヘッドを利用し、
自由に色んな地域へ移動していた。
偽造小切手作りにも長けてきた頃、犯人を追ってFBIが動き出していた。
勤続12年のベテラン捜査官カール・ハンラッティは躍起になって
捜査をしていた。証拠品を調べて出てきた指紋には前科がなく、
偽名にも手がかりがない。巧妙な手口で時間を稼ぎ、不渡りを出した
頃にはもう姿がない。ところが、ハリウッドのホテルでついに
犯人を追いつめるカール・・・宿泊客リストから部屋番号を
確認したカールは二人の捜査官を裏口へ配置し、
一人で部屋へ乗り込む。
FBIだ!
銃を構えて部屋を見渡すが人の姿はない。
バスルームから水音が聞こえ、そちらのドアへ銃を向けた。
ドアが開くとスーツ姿のフランクが何事もなかったように出てきた。
銃を向けられたフランクは慌てる様子もなく、窓際に置いてある
小切手偽造の為のインクやタイプライターなどの説明を始めた。
カールは手を挙げろだの勝手に喋るななど威嚇するが
フランクは止めようとはせず、それどころか、
「一足遅かったな。僕は秘密検察局のバリー・アレンだ」
と、自己紹介を始めた。
カールはすぐには信じられず疑ってかかったが、
政府発行の小切手まで偽造されているのにFBIだけが捜査
しているとでも?とたたみ掛けられると、何だか当然の事を
云われているような気持ちになり気を許してしまう。
そのうちフランクは必要最小限の物を手に取ると、
証拠品を車に置いてくるから、メイドに入られないよう
見張ってくれと言い残し、まんまとカールを撒いてしまう。
カールが気付いた頃には、時すでに遅し・・・・
思いがけない鉢合わせから何ヶ月かが過ぎた・・・
クリスマスの夜も、一人デスクで仕事をするカールの元に
一本の電話がかかってくる。
それは偽名を使ったフランクからのものだった。
話しがしたいなら会って話そうと持ちかけるカールに、
意外にもすぐに了承し滞在しているホテルの名前と部屋番号を
教えるフランク。メモをとっていたカールは突然手を止めた。
「また騙す気か?どうせホテルにもいないんだろう?」
カールの言葉に本当に申し訳なさそうに誤るフランクだが、
「謝るための電話じゃないんだろ?お前、他に話し相手がいなくて
寂しいんだろう?」からかうような口調に、思いきり受話器を
叩き付け切るフランク。図星を指されて悔しそうにも見えるが、
人恋しさに寂しそうにも見える。フランクは荷物を持って
部屋を出た・・・カールが嘘だと決め付けた部屋を。
ある日、カールは「バリー・アレン」が漫画の主人公の名前だと
気付き、犯人が大人ではなく子供の可能性が高いと知る。
捜索願の出ている家出少年を調べ、犯人の目星をつけていた。
偶然に行った病院で新米看護婦ブレンダに一目ボレしたフランクは、
自分は医者だと自己紹介し、その病院に就職してしまう。
医療関係の映画やドラマを見て医師を真似、急患が来ても
無難にやり過ごしてしまう。
ブレンダとの結婚を決意したフランクは、彼女の両親へ会いに行く。
彼女の父親が検事だと知ると、自分は医師になる前は弁護士だったと
告げる。フランクは試験を受け合格し、ブレンダの父が経営する
法律事務所へ就職した。
フランクはブレンダとの結婚で幸せな家庭を築こうと思っていた。
かつて自分が得ていた幸せで温かい家庭を・・・
だが、その頃にはほぼ犯人を割り出したカールが、母親ポーラの元へ
出向き、写真で確実にフランクとバリーが同一人物である事を確かめ
ていた。その後、父親フランクの元へ出向き、父親のアパートで息子から
の手紙を見付けたカールは差出された住所を記し、その場所へ
向っていた。フランクの元へたどり着くのは時間の問題だった。
ブレンダとの婚約パーティーが華やかに開かれている。
そこへカールらFBI捜査官がやってきた。
フランクは2階の部屋へ行きブレンダに事情を話すと、スーツケース
いっぱいの札束を持ち、2日後に空港で落ち合おうと約束して出ていった。
2日後、マイアミ空港のロータリーに1台の赤い車が止まった。
サングラスをかけ、そっと車内から空港入口付近をうかがう。
フランクはブレンダを連れて逃亡するためにやってきたのだった。
ブレンダを見付けたフランクは彼女のもとに行こうとするが、
黒服の男が彼女に話しかけるのが見えた・・・FBIだ。
フランクは注意深く周囲を観察すると、あちこちに私服捜査官が配置
されていることに気付く。
空港がFBIや警察に包囲されていると知ったフランクは、
見つからないようにその場を去った。
この日、FBIはフランクを捕えることはできなかった。
他のルートを使って逃亡したのではないか?と話す捜査官たちに、
フランクは絶対にこの空港を使うと断言したカールは、
翌日も厳戒態勢を維持したまま捜査にあたったのだった。
カールの予想は当たった。
フランクが空港に現れたのだ。
だがFBIはフランクにまんまと逃げられてしまった。
巧妙かつ大胆な手口に引っかかり、
フランク本人を目にすることなく・・・
7ヶ月後・・・
南米・オーストラリア・シンガポール・エジプト・・・
カールはフランクが各地で使用した小切手を上司に見せていた。
フランクは小切手を偽造するのではなく、本物の小切手を印刷して
自由にお金を引き出していたのだ。
印刷場所を断定したカールはその場所へ向う。
フランクとカール、勝つのは・・・?!
と、このようなお話でございます。
結末は見てのお楽しみってことで、ご自分の目で確かめてください。
とってもテンポのイイ進み具合で、楽しい作品でした(^^)。
冒頭は「本物は誰だ?」とかいう番組で、アメリカ史上最も若く
大胆な詐欺師は3人のうち誰でしょう?という出だしで、
本物のフランクが質問に答えるところから過去に遡って
いくというカタチになっています。
でもこのシーン、何の為にあるのかイマイチ判りません(苦笑)。
この作品の導入のためだけにムリヤリ入れたっていう印象が・・・
16歳から偽造小切手を作り出したフランク・・・スゴイ人です。
父親が事業に失敗したことで小さなアパート暮らしが始まり、
学校も制服から私服の学校に替ったのですが、
その初日に彼は今までの制服で学校に行くんですね。
どこから見ても新米っていうのが判るので、ちょっとしたイジメの
対象になってしまったフランクですが、彼は何と、生徒ではなく
臨時教師に成りすまし1週間、そのまま生徒を教えるんです。
イジメた生徒にワザと恥じをかかせたりして・・・
この辺りから、フランクは異才振りを発揮しています。
フランクを演じたディカプリオは、この人の人生かと思うくらい
役に嵌っているなぁと感じましたね。
ディカプリオはあまり好きじゃないんですが、
この人の芝居は好きなんですよねぇ(^^ゞ
目の芝居がすごくイイなぁって。以前、『ギルバート・グレイプ』で
障害児を演じていたんですが、初めてディカプリオを見た作品で、
この人はホントにこういう子供なのかなと、ちょっと本気で
思ってしまったu-tsuです(苦笑)。それくらい嵌ってたんですよね。
その次が『タイタニック』で、こんな普通っぽい役もできるんだぁと
いう感想を持ち、『仮面の男』を見て、やっぱり眼光と芝居が
イイよなぁと、彼の芝居のファンになりました。
『仮面〜』では双子の二役なんですが、目の強さで人物が演じ分けられ
ていて、この人は映画向きの役者だなぁと、つくづく思います。
その後はあんまり作品に恵まれていないというか、芝居らしい芝居が
見られるような作品が無かったように思いますねぇ。
だから今回は久々にディカプリオを見たっていう印象が強かったです。
FBI捜査官カール・ハンラッティのトム・ハンクスは、今回、
脇に回ったという印象の役なんですが、存在感はさすがです。
フランクを執拗に追うカールですが、犯人が少年だと判明すると
憎しみから気持ちが変化して、保護したいという思うように
なるんですね。両親の離婚で苦しむフランクと、離婚して娘と離れて
暮らしている自分が重なる部分があるというか、現実の生活を
離れて嘘の世界で生きているという部分に共感したというか・・・
二人はクリスマスごとに電話で話しをしているのですが、
妙にウマが合うというか、信頼関係が成り立っているというか。
繋がりがとても深いような感じがして、それが画面からも
良く伝わってきているなぁと思いました。
これは攻めのように見えるカールが、実は受身だから伝わってくる
ものなんじゃないかなぁと、u-tsuは思ったりしてます。
カタブツ真面目なカール・ハンラッティ・・・
トムのキャラとよく噛合っている配役だと感心です。
自分で立候補したくらいですから、カールという役をよく把握
できているのでしょうねぇ。
フランクの父フランク・アビグネイルはクリストファー・ウォーケン。
栄誉ある地位から一転し、脱税容疑で国税局から執拗に追われる。
妻は離婚後フランクの親友と再婚、息子は小切手偽造詐欺・・・
こんな状態ならきっと自棄になってしまいそうなものですが、
彼は決して諦めず立向かう力強さを持った人物です。
ちょっと変わった人のようにも見えますけど・・・
ウォーケンは異質さを放った演技で印象濃く厚みを出しています。
落ちぶれてしまうけど誇りは失わないという、目の強さがイイですね。
フランクが結婚を決意する女性の父親はマーティン・シーン。
フランクと二人で話す場面は微妙な緊張感があって、ドキドキします。
検事でありながら、まんまと詐欺に引っかかってしまうのは
ちょっと問題ありのような気がしますが、フランクの度胸のよさと
時代背景がそうさせてしまうのだろうと思いました。
威厳あるのに騙されてしまうというのが、なんだか面白い。
それを演じているのがシーンだから余計にそう感じるのかも。
その他にも母親ポーラ、婚約者ブレンダ、一夜だけの相手シェリル
あたりが印象的でした。あとは1960年代後半という時代の服装が、
レトロで鮮明でしたねぇ。スチュワーデスの制服なんて
現代と違ってて、古い中にも新鮮さがあって可愛いかったなぁ。
女の子の服装や髪型も印象的ですね。
FBIは当時黒スーツに黒ネクタイという決まりだったので、
とても目立ちます(苦笑)。これじゃ犯人にすぐバレるだろう?!
ってくらい。普通は犯人に気付かれないようにするもんだけど、
昔はその辺の考え方がちょっと違っていたのでしょうか?
撮影日数56日間。すごいスピード撮影ですよねぇ。
普通は3ヶ月は軽く越しますけど2ヶ月弱だなんて・・・
しかも140ヶ所以上に及ぶロケ地ですよ。
たしか俳優とスピルバーグのスケジュールの関係で、
強行突破な撮影になったとかいう話なんですよねぇ。
1日に3ヶ所もロケ地を回った事もあったそうで、かなりキツイ
スケジュールだったそうです。
それでも頑張れるあたりがプロってスゴイと思いますよね。
映画の詐欺師は実在した人物で、逮捕当時は何かと話題になったとか。
自伝が1980年に出版されて、たちまちベストセラー。
10人ほどの映画関係者がこの自伝の映画化権を買ったそうですが、
実は1度も映画化されていなかったとか・・・
映画がヒットすれば関係者は儲かるのに、実際に儲かったのは
映画化権を売ったアビグネイル本人だけ。
これじゃまるで詐欺みたい?!
とは云うものの、スピルバーグのおかげで無事に映画化されました。
でもスピルバーグも、実は16歳の頃に人を騙した経験が・・・
映画への情熱がありあまって、ある時、スーツ姿に空っぽのカバンを
持ち、毎日ユニバーサル・スタジオに通ったとか。
正門にいる守衛にもっともらしく挨拶をし、まるで重役のように振舞い
横を通りすぎたが、疑われたりしなかったそうです。
週5日、3ヶ月に渡って撮影所の敷地を歩き回ったスピルバーグ・・・
ウソかホントかは知りませんが(苦笑)、この人もすごい度胸の
持主なのねぇと感心してしまいました。
いや、それにしてもフランクって本当にスゴイ人・・・
大胆不敵にもほどがある(笑)。
映画を見てて、ホントにこんな方法でバレないのか?!
っていうことが幾つもあって驚きです。
もちろん偽造小切手はバレますが、小切手が偽者ということに
気付くのは時間が経ってからなので、逃走の時間は充分なんですよね。
しかも無免許で、パイロットや医者や弁護士になりすますなんて・・・
バレたらどうしよう?!ってドキドキしちゃいますよね普通。
でも堂々としてるもんだからついつい信用してしまう人々・・・
疑り深い現代にあって、人をすぐ信用してしまう当時の人たちが
なんだか羨ましいような気になってしまったu-tsuです。
40年前はイイ意味で、ノーテンキだったんだなぁと(苦笑)。
この天才詐欺師、是非とも星で上演してくれないかなぁ〜?
パイロット姿のわたるくんなんて絶対に見てみたいし(^0^)♪
次々と身分を偽る詐欺師なわたるくん・・・カッコイイだろうなぁ。
フランクを追うFBI捜査官ってのもイイかもなぁ?
こういう七変化的な役ってないから、とっても見たいと思う。
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